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夕刻の響曲 -11-
ビクリと詩音が反応し、音楽室から逃げ出そうとするのを翔が腕を掴んで許さない。
「や、やっぱりこの部屋何か居ますよ!」
「落ち着け」
「落ち着けないですっ!」
そしてもう一度ピアノは鳴り響く。今度はまるで子供が手のひらで適当に鍵盤を叩くような不協和音。その中で、翔は落ち着いた口調で海斗に話しかける。
「よし、止めてくれ」
「わ、分かった」
そして海斗が自分の携帯電話を操作すると、ピタリと音が止んだ。
「…え?」
半泣きのまま疑問を浮かべる詩音。半泣きにこそなってはいないが驚きの表情を浮かべる千野。それらの顔を見ながら、翔はいつものように自分の推理を話し始める。




