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異本の消失 -4-
広めの教室に、3人の人間が座っている。1人は翔。もう1人は千野。そして3人目。
「俺の名前は蒼井 海斗。秘密探偵部なんて面白そうな部活、入らんわけにはいかんぜ! って事で来た。よろしくな!」
非常に元気な男だ。困った事に、海斗は同じクラスである。一体どうやってこの部活のことを知ったのやら。
「蒼井、どうやってこの部活を知ったんだ? 俺は話した覚えはないぞ?」
「ポスターがあってな、部員も事件も募集中、だなんて書いてたら、のぞいてみないわけにはいかねぇだろ?」
いつの間にポスターなんて作られたのか。海斗の手には既に入部届けが握られている。先生、どうして渡した。こんな部活であって部活でないような場所を野放しにするというのか。
「じゃあ、君は海斗君で!」
「おう、よろしくな! えーと、千野さんだったっけか?」
「うん、千野で良いよ。とりあえず、これで部員は3人!幸先良いよ〜」
良くない。幸先良くない。むしろ悪い方向へと進んでいるような気がしてならない。これ以上部員が増えると本格的に秘密探偵部が部活として成り立ってしまう。嫌な汗をかいているのを感じながら必死に祈る翔であった。




