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陽炎の鎌鼬 -8-
そして放課後。結局犯人がどのような人物なのか全く想像もつかずに部室へと向かう。扉を開けると、既に千野と海斗と詩音が議論を繰り広げていた。
「あ、木山君! 来てください! 面白い情報があるんです!」
「面白い情報…?」
不思議そうに首を傾げながら3人が集まっていた机の真ん中に目をやると、何やら動物の姿が描かれた資料が置いてある。
「なんだこれ、キツネか?」
「違うわよ、鎌鼬よ。今回の犯人候補なのよ」
「鎌鼬?」
資料を見る。そこには、『イタチの姿をした妖怪で、標的にした人間を鋭い刃で斬りつける。しかし、斬られた人間は斬られた事に気付くことができない』とある。確かに被害者の3人と同じような状況だ。
「こういうのはオカルト研究部の仕事だろ」
「でもなぁ、こうでもしてみないと無理なんだよなぁ」
呆れたように呟く翔に対し、ため息混じりに海斗が返答する。確かに、妖怪や幽霊のせいにしなければ事件は解決しない気がしてきた。正直、相手に気付かれずに腕や足を斬りつけるのは人間業ではないと思う。




