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陽炎の鎌鼬 -6-
翔の言葉に全員が目を覚ましたような顔をする。
「た、確かに、名前で指定されてないのにわざわざ曖昧な呼び出しに来るわけ無いわね…」
「ですね…!」
「そいつは俺も気づかなかったな」
それぞれの反応を見つつ、それならばと事情聴取を始める。とは言え、聞く事は一つだ。
「他に見かけた生徒はいるか?」
「いや、俺は見なかったぞ?」
西村が答え、斉藤の方を向くが、斉藤は首を横に振る。どうやら斉藤も他の人を見かけていないようだ。
「それなら、今日は一旦解散だな。こんな調子だと犯人は出てこない」
「私もこの情報量だと推理できないし、私はそれでも良いわよ?」
頷く千野に心の中で感謝する。今日はいつもより早く帰って家でごろごろできる、と。




