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最小の逃走者 -5-
「……そうか」
「分かったの!?」
何かを閃いた様子の翔に、驚いたように声をかける千野。他の3人も興味津々の様子で翔の方を見ている。
「その逃げたダンゴムシがいるとすれば、2階北館の女子トイレ前だな」
「女子トイレですか?」
翔の推理に不思議そうに口を開く詩音。それを横目で見つつ、翔は席から立ち上がる。
「とりあえず早い所行くぞ。そこから逃げられれば流石に推理できない」
部室の扉を開けてさっさと出て行く翔を、4人は不思議そうに追いかけるのであった。2階北館の女子トイレ前。そこは、二階北館の一番東にある。つまり、ロの字で2階校舎を表すとすれば、一番右上の部分である。
「本当にいるんでしょうか?」
若干不安そうに呟く詩音を片目に見つつ、歩きながら翔は村沢に事情聴取を始める。
「渡り廊下にはいなかったんだな?」
「うん、隅々まで探したけどいなかったよ」
「いなくなったと気付いてどれぐらいになる?」
「30分ぐらいかな」
そうこうしているうちに二階北館の女子トイレ前に着く。目を凝らすと、廊下の隅でうろうろと動き回るダンゴムシをの姿があった。




