13/58
最小の逃走者 -3-
ペットが逃げたと告げる青年、村沢は言葉も出てこない翔をよそに話を続ける。
「僕は今日の居残りの事をすっかり忘れて、渡り廊下でペットに日向ぼっこをさせていたんだ。そして、そこに先生がやってきて、僕を教室に連れて行こうとした。だけど、ペットなんて先生に見つかったらただ事じゃ済まないだろう?」
「なるほど、確かに…。って、それはペットを持ってくるアンタが悪いんじゃない」
今回ばかりは千野の言い分の方が正しい。実際、翔も同じ事を考えていたのだ。
「だから、僕はペットをその場に残して教室に行った。そして、居残りが終わってから渡り廊下に戻ると、僕の可愛いペットがその場に居なかったんだよ!」
「で、私達にそのペットを探して欲しいのね?」
「話が早くて助かるよ」
ペット探しとなると、物探しやら犯人推理とはわけが違う。探す対象も生き物となれば、必然的に全員バラけて動くことになるだろう。とりあえず海斗が質問を飛ばす。
「で、ペットってそもそも何の動物なんだ?」
「ダンゴムシだよ。1週間前から飼ってるやつで、結構愛着もあるんだ」
その答えに、今度は翔だけでなく、その場に居た他の探偵部のメンバーも驚きを隠せないようだ。




