異本の消失 -1-
どうも。初めまして。この作品を見ていただき、本当にありがとうございます、と言うのは後書きで言うものですね。冗談はさておき、個人的にサスペンスものを書いてみたかったのですが、人が亡くなる描写はちょっと苦手なもので。それでもミステリーを書きたいと思った結果がこの作品です。短いのをちょこちょこ連載していく形になるので、よろしくお願いします。一応週月曜、木曜に落としていく予定です。
4月と言えば、なにを思い浮かべるだろう。多分一番多いのは、新学年とか、新生活とか、入学とか、そんな所だろう。廊下をだるそうに歩く青年、「木山 翔」も、三滝高校の新1年である。自分の教室となる1-Cの教室に向かって歩く足取りは、まるで引きずっているようだ。春休みを家でゴロゴロと満喫した翔にしてみれば、動くことすら面倒なのである。
「あー…、だるい…」
「おーい!木山ー!」
独り言を口にしながら廊下を歩いていると、その背中に向かって誰かが呼びかける。これまた面倒くさそうに振り返ると、やや茶色がかったショートヘアーの少女、「高原 千野」がこちらに向かって走ってきていた。
「なんだ、高原か」
「なんだって酷いなぁ。私だって好きでアンタに声かけたわけじゃ無いんだから」
「…そうかい。じゃ、俺教室行くから」
「ちょっ、ちょっとまったぁ!」
ガシッと腕を掴まれる。男かと疑うほどの握力に顔をしかめながら、なんだ、と振り返ると、千野は笑顔で問いかけた。
「部活、決まってる?」




