色つきの嘘
色つきの嘘で褪せた日常を塗り潰して
それを信じて生きていけたらいいのにな
天然素材がいいなんて贅沢は言わないから
モノクロの毎日には少々食傷気味なのです
昨日の色を覚えてますか
水性インクは残らなくて既に記憶は灰色
真実は小説より奇なりなんて嘘でした
そんな嘘も信じきれない僕は救えない
世界は欺瞞で満ちている
それでいいじゃないですかと嘯いてみて
人工着色なんて僕が一番知っている
妙に色鮮やかなコンビニのお菓子も十分美味しいのだから
原色の絵の具で直接上塗りして
できるだけ長持ちするといいなと唱えながら
ふと思い出すこともなくなる日まで
真実よりも小説に似た僕の世界は奇なり
そうして賞味期限の短いカラフルを歩いていく