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アンノウンロジスティクス  作者: 豚魚丸信夫
2/2

2パレット目

 それから1週間後。求人の経過を報告したいと連絡があったので、休みの日に一緒にランチすることになった。

「定食屋でランチですか」

「何?不満?」

「ランチといえば……生ハムとかじゃないんですか」

「何で生ハムなのよ」

 普段割と良い物を食べてそうな叔母からのランチの誘いだったので、ちょっとほんのちょっとだけ普段しないおしゃれをしたのに着いてみると、そこはいつも私がいつも利用している定食屋だった。定食大好きだから別にいいけど。

「あら。おしゃれしてデートかい?」

 食堂のおばちゃんは珍しそうに私を見た。

「そうだったらどんなにいいことか」

 それから私はいつものしょうが焼き定食。叔母は唐揚げとビールを頼んだ。

「昼間からビールですか」

「休みだからいいのよ。あんたも飲む?」

「……飲みます」

 休みの日に昼間から飲むビールは最高。折角のおしゃれも無駄になる足の組み方で唐揚げをビールで流し込む。

「で、求人を出した結果だけど」

「数十人位来ましたか?」

「応募してきたのは1人だけでした」

「……へこむ数字ですね」

「そう?そんなものじゃない」

「そういえばどういう内容で求人出したんですか?」

 私が聞くと叔母はスマホを見せてくれて、そこにはこう記載があった。

・勤務時間:8時~17時

・休日:土日祝日休み

・賞与:年2回(1.5ヵ月)

・寮完備

「はーこう見るとホワイトですね」

「今はどこもこんなもんでしょ。お給料安いんだし」

「ふーん。それでどんな人が来たんですか」

 私は生姜焼き定食と唐揚げでビールをやりながら聞いた。

「大木海。20歳。女性。あんたと同い年ね」

「本当ですか?!」

 私は伯母が印刷した大木さんの情報を見た。

 高校卒業後は家業である酒屋の手伝い。その時にフォークリフトの免許を取得し荷受け等もしていたとのこと。趣味は漫画とお酒と散歩。あら気が合いそう。

 そして顔写真も載っていたので見てみると、そこには信じられない位の美人が。

「なんですかこの空前絶後の美人さんは。というかどこかで見たことある?!」

「女優さんよ」

「あ」

 そうだ。この顔は私もよく見るネットフリスクで配信されているドラマの主演の女の子だ。

「なぜそれがうちに?!」

「知らないわよ。面接で聞きなさい」

 叔母はそういうと追加でビールとモツ煮込みを頼んでいた。

 月曜日、その女の子が面接に来るそうです。


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