95ページ 親子認定。
いつのまにか体育館にイケメンの研究室ができていた。
イケメン一人だとエリクサーは無理だけど薬は各種作れるようになった。
ドラゴンのシッポは欠損部位を復活させるアノ薬の改良に使えるらしい。
多少のスピードアップができたようだ。
まあ、師匠な勇者さんや聖女な奥さん並とはとても言えないけどね。
ある日研究室をのぞいたら机の上に妙なモノが落ちていた。
四角っぽくてビー玉くらいの大きさの真珠色のソレは
きれいだった。
なんだろう? と思いつつ手のひらの上でコロコロところがしていたら
不意に目眩がした。
でも召喚のときとは違う!
体から魔力が急速に無くなっていく感じだった。
ヤバイと思ったが手遅れだった。
イケメンがなにか叫んだのは分かったがそこまでだった。
気が付いたらコーラ味の魔力回復薬を飲まされていた。
一体、何が起こったんだろう?
師匠な勇者さんとバイトなあの人が困った顔をしていた。
見れば右手に拳大の卵みたいなモノがのっていた。
色はあの妙にきれいな真珠色だった。
離そうとしたが張り付いたように取れない。
「あー、ソレ……取れないみたいだよ。
オレがさわっても何ともなかったんだけど……
どうも君に憑りついちゃったみたいなんだよ」
イケメン神官がすまなそうに言った。
コレ、なんなんだ?
「ドラゴンのシッポの骨のカケラだったんだけど
君の魔力を吸い取ってタマゴに変化しちゃってるみたいなんだ。
全部処理したつもりだったんだけど落っことしてたみたいだね、ゴメン」
目眩は魔力切れか……
くっついたままってことはコイツはまだ魔力が欲しいのかな?
「僕の魔力を注いでみたんだけどはじかれちゃったんだ。
君のでないとダメみたいなんだよ」
タマゴってことはコイツは孵化するのかな?
「う~ん、ソレが分からなくてねぇ」
師匠な勇者さんでも分からないのか……
「この間のドワーフの神の所にも問い合わせてみたんだが
骨のカケラがそんな変化をしたのは聞いたことが無いそうだ。
魔力を注いでいけば孵るかもしれないな」
バイトなあの人も分からないなんて……
あのドでかいドラゴンになって出て来られても困る。
それまでどれだけの魔力を吸い取られるかも分からない。
だいたいこんなモノを手につけたままだと家にも帰れないし学校にも行けない。
う~ん、困った……と思いつつまじまじとタマゴをみていたらピキッと音がした。
えっ?!
見てる間にカラが割れてチビッこいドラゴンが出て来た。
鶏のヒヨコより心持ち大きいくらいだけどちゃんと翼も生えている。
コッチをじーっと見たと思ったらヨタヨタと腕をよじ登った。
飛ぶのはまだ無理らしい。
「どうやら親認定されたみたいだね。
可愛い子じゃあないか。パパさん、おめでとう」
イケメンがもう問題は解決したみたいな顔で言う。
「あー、オレより先に親だなんてスゴイねぇ」
と師匠な勇者さん。
「ドラゴンの生まれたてってこんなにチッコイのか。
カメレオン魔王に喰われないか?」
とバイトなあの人。
「あんまり美味そうには見えんな。だいたい喰うほど飢えてないぞ」
と魔王さん。
う、飢えてたら喰うんかい!
「食べちゃダメですよ。マモルくんの子供になったんですもの。
可愛いし食べないでくださいね」
聖女さんまでもうドラゴンはオレの子供に認定ですか……
はあ、でかくなったらこっちが喰われそうな気がする。
この歳でもう親だなんて……
と悩みは深いマモルくんなのでした。
なんでマモルくんの魔力でないとダメだったんですかね?
シッポを切っちゃったのがマモルくんだったからかなあ。
魔法すら無いことになってるマモルくんの世界で
ドラゴンの養育なんかできるんですかね?
ゴジラがちっこかったらペットにしてみたかったです。
さてこのドラゴン……何を食べるんですかね?




