85ページ 護衛。
足跡はいちおう風魔法で消しながら移動したけど道の通りに来たから
追手も道の通り来るだろう。
なので所々にワナとも思えないようなワナを仕掛けた。
なにちょっと転びやすい道にしただけだけどね。
多少の足止め程度ってところだね。
さすがに夜通しトカゲで走るって訳にもいかない。
満月で夜があかるくても。
たき火は必須だけど見つかる恐れがあるので道から離れて野営をすることになった。
土魔法で窪地を造る。
結界をドーム状に展開して上から隠蔽も掛けて置く。
魔術の上級者が集中すれば分かっちゃうけど普通の奴にはバレないだろう。
坊ちゃん貴族たちにも食事をふるまう。
急な逃亡だったらしくてほとんど何も持ってなかった。
アイテムボックスの容量はオレの魔力次第なのでもう入れ放題だ。
実を言えば異世界の食材なんかも入ってる。
中は時間がほとんど止まってるのかあるいは状態保存の魔法が掛かってるのと
同じなのか傷むこともない。
異世界の料理だとバレても面倒なので普通にパンとスープとあぶり焼きの鶏にした。
結構お気に召したようでなによりだ。
交代で見張りをした。
明け方になってオークの兵隊の一団が通って行ったが暫くして戻っていった。
負傷者も居たようなので人の国側と小競り合いになったのかもしれない。
索敵をかけたらどうやらアタリのようだった。
でも人の国の軍隊に合流するにはオレ達は怪しすぎる。
坊ちゃん貴族も合流しないで普通に街に入りたいそうなので
そのままトカゲで進むことになった。
追手がいなくなったので気が楽になった。
街は思ったより大きかった。
砦のような印象もあったので多分その機能もあるんだろう。
貴族の坊ちゃんとその護衛ということで入り口の門を通過。
坊ちゃんは知り合いの所に行くと言うので護衛料を払ってもらってお別れ……
と思ったら所持金は無いという。
知り合いから融通してもらうので付いてこいと言われて付いて行ったんだけど
とっ捕まっちゃいましたぁ。
どうやら坊ちゃんは意外と大物だったらしい。
怪しさ満載なオレ達を逃がす気はなかったようだね。
まあ、逃げ出すのは簡単なんだけどさ。
ハハハ……やっぱり怪しいよねえ。
オークの兵隊を十頭も瞬殺しちゃう連中なんてさ。
子供でもお貴族様、ちゃんと押さえとこうと思ったんでしょう。
さて、逃げ出すのは簡単でも帰るのは難しい。
どうしましょうねぇ、マモルくん。




