70ページ 魔道具。
「コラー! 出せー! 卑怯だぞー!」
とまあ五月蠅いですねえ、魔王さま。
だいたい卑怯ってなんなんですか?
ちゃんと聞きましたよね、
『杖や魔道具を使っていいか?』って。
あー、言っときますけどコレは異世界の魔王の作品です。
アナタはココで一番かもしれませんが世界樹の数多ある世界すべてでも
一番ってわけじゃあありませんよ。
上には上が居るんです。
あんまりいい気にならないでいただきたいですね。
さて、魔族の皆さん。
魔王さまを外に出したいですかぁ?
おや? 誰も返事しないってどういうことです?
出してほしくない……そうなんですね。
出してほしくないそうですよ、魔王さま。
王さまなのに人望ないんですねえ。
こんなんで王さまやってるなんて恥ずかしくないですかぁ?
なのにオレは世界一って断言してましたねぇ。
でも今はペットボトルの中ですよー。
あ、コレって本来は水とか入れとく容器なんです。
でもコレはオレたちの世界の伝説の魔道具の
再現品になってます。
この中に閉じ込められてると次第に溶けてお酒に変身できるというすぐれもの!
コノ世界一の魔法使いな魔王さまでできたお酒。
あー、んまそうですねぇ。
神さまへのお供えに最高かもしれない。
ココまで言ったらイケメン神官に一発張られた。
「ココの世界は成人は十七歳なんだよ。
未成年がお酒がうまそうとか言ってちゃダメだよ」
『ふ~ん、自分は十三歳で酒飲んでたよな(飲まされた。)
まあ、言わなくても分かってるだろうからだまっとくけどね』
すんません、神官殿。
神さまのご意向をお伝えしてこれからどうするか魔族の皆さんに
決めてもらってください。
あ! 魔王さま拗ねちゃった。
誰も助けようともしないんだもんなぁ。
拗ねたくもなるよね。
オレ達は魔王さまには及ばないものの魔王軍を吹き飛ばすくらいの魔力があると
認定されたようだ。
魔王さまはダントツな魔力だったので誰も逆らえなかったらしい。
結局占領した国々を全部維持するだけの体制は魔王国にも整ってなかったので
ほんの印ばかりの戦争賠償金を徴収してそれぞれの国を復活させることになった。
一応、勝ってた魔王国のメンツを立てておくことにした。
勇者で国を取り戻したとなるとまた召喚をやりかねないからね。
自分達が賠償金で買い戻したと言う方がずっとメンツも立つだろう。
魔王さまは負けたせいで王さまをやる気が失せたらしい。
弟さんに王座を譲ってしまった。
負けたら一つ言う事を聞くことになってたので
〔誰にも仕返ししない〕ことを約束してもらった。
どうも、魔道具に興味が出たらしく魔王さんの魔道具を欲しがったので
あまり害のなさそうなものを幾つか譲ってあげた。
なんだかちっちゃい子供みたいに喜んだのが可笑しかった。
魔族の神様は約束通り元の世界に帰してくれた。
バイトなあの人との間で火花が散ってる雰囲気を感じたけど
見なかったフリをした(汗。)
クラスメイトどもには西遊記のアノ瓢箪を知らないヤツもいた。
オレだって知ってるのに……
本来は名前を呼ばれて返事をすると吸い込まれるんだけどそこは魔王さんの
アレンジで自分のことだと認めると吸い込まれる。
プププ、本物はともかく魔王さん製はホントはお酒にはならないんだけどね。
マジックアイテムで勝ったと言ったら納得してくれた。
ふ~ん、『マモルくんって強そう!』とかとは思ってなかったな!
コイツら!
さて、十五人も召喚されたんだけどコレって誤魔化し切れるかね?
バイトなあの人がどうするのかちょっと心配なマモルくんなのでした。
前魔王さまは魔道具製作にハマってしまったそうです。
変な魔道具が量産されていきましたが中には役に立つ物もあって
魔力の少ない獣人さんたちにも重宝されたそうです。
ハッキリ言って儲けたらしい前魔王さま。
戦争より儲かったんじゃあないか? とウワサされたそうです。
あー、お疲れさまでした。
このペットボトルって初見でしか使えないよね。
どんなのか知ってたら返事もそれが自分だって認めたりも
しないだろうし。
まあ、なんでもモノは使いようです。
飲み物容器で負けるなんて誰も思わないでしょうから。
帰ってこられたみたいだけどどうすんのかねえ。
バイトなあの人も大変そうです。




