63ページ 増築。
製作に一週間はかかるというエリクサー。
神殿に秘蔵されている魔石や国中から集めた神官たちを使って
魔力を込めないとできないという。
魔力を込める……ね。
どうやら同じモノみたいなので勇者さんにもらったエリクサーを出してみる。
「なんでお前だけもらってんだよ!」
とダチ勇者たちがわめいたがお前たちアイテムボックス使えなかっただろう。
使えるようになったと言えばきっとくれるよ。
コレはその辺に放置できない代物だからな。
勇者さんのエリクサーはココのものより質のいいものだった。
なにせ神さまのレシピだからね。
神殿長さんはあっという間に回復。
王族にかかった呪いを解いてしまった。
結局呪いの犯人は王族の端っこに居た一人だった。
自分が端っこなのが不満だったらしい。
いやがらせ程度のつもりだったようだけど神殿長が病気になったせいで
タダの嫌がらせに終わらず自分にも同じ呪いがかかってしまったらしい。
端っこでもちゃんと王族だったんだねえ。
ドワーフ君のほうは学生が面白半分に造ってたことが判明。
造った本人も忘れてたという始末。
今度やったら確実に〔神罰〕がくるだろうと脅しておいた。
まあ、大ウソなんだけどね(笑)。効くかね?
神殿長さんはオレ達を最奥部まで入れてくれたのでさっそくお祈り。
今度はちゃんと神さまがおいでになった。
「留守しててごめんなさぁ~い」
なんだ、お留守だったのか。
モデルばりにスタイル抜群なお姉さんだった。
でも、なんで水着なのぉ?
「若い子たちだって言うからサービスよ。
どう? 女神のうちじゃあイケてると思うんだけど」
イケてるどころか突き抜けちゃってます。
ハッとして神官長を振り返ると……
あー、煮えちゃってますね……頭が。
ハッキリ言って老人の彼には刺激が強すぎます、オレ達にも。
なので何か羽織ってくださるようお願いした。
ちょっとどころか大分勿体なかったけど。
あ! 全部ダダ漏れなんだった。
だから……笑わないでくださいよ。
バイトなあの人はなぜかどこの神様もご存じなようだ。
もう連絡はしてくれたという。
まさか学生の面白半分な代物で勇者の弟子がセットで召喚されてくるなんて
思ってもみなかったそうだ。
ふと思いついてどちらへお出かけだったのか聞いてみる。
「女が水着で行くところなんて決まってるでしょ」
と返された。
あー、神様もバカンスはあるんだねぇ。
お迎えが来るまで一週間。
イケメンはエリクサーの製造を手伝っていた。
アノ宝箱の本の写本も作らせたそうだ。
ココの世界のモノだからココの人たちの役に立つようにしたいそうだ。
神官さん達は死屍累々と言う言葉そのものになっていた。
オレたちも魔力を提供して協力はしたけどね。
やっぱりアノ薬は相当な量の魔力を込めるもののようだ。
バイトなあの人がお迎えに来てくれたのでドワーフ君ともお別れした。
馬の返却と貸してくれたパーティリーダーさんへのお礼を頼んだ。
友達と別れるってのは結構ツライことだと思えた。
帰還ポイントはアノ体育館だった。
外に出て時間がほとんどたっていないのに気が付いた。
「なんだ、今頃気づいたんだ。
アノ体育館の中での時間は外とは違うんだよ。
どれくらいまで伸びてるのか分からないけ三三時間いても外は五分だったからね。
中に居なかった二週間ほどはカウントされてないみたいだよ。
ビックリ体育館だよね。」
イケメンは驚いた風もなくサラッと解説してくれた。
もう、何でも有りとは思ってたけど、スゴイね勇者さん。
体育館は増築された。
イケメンが持って帰って来たエリクサーの原料用のアノ薬草のために
温室が造られたのだ。
勇者さんの魔力とイケメン神官のお祈りで今日もすくすく育っている。
まだ、花は咲いていないけどね。
あー、勇者さんだけの力じゃあないです。
バイトなあの方がイタズラしてます。
なんせ神さまなんでこの世界の中なら
かなりなことがオッケーなんです。
世界自体に大きな影響さえなければ……ね。




