53ページ おこさまゆうしゃくん。
勇者は三日後にやってきた。
チビッこいヤツだった。
オレよりちっちゃい。
なので普通に質問してみた。
なんさいですかぁ?
はぁ?六六さいぃー!?
なんでこんな子に勇者やらせてんだよ! アホども!
あー、チートで最初から強かった。
召喚目的の強力な魔物も一発だったと。
「おうちにかえりたい……」
うんうんそうだよねえ。
「かえしてくれないからおこっちゃった。
おうちにかえったらおかあさんにしかられるけど……かえりたい」
あー、お前ら帰し方知らないんだろ?
そーだろ?!
しぶしぶ認めやがった!
あ! 無理な要求ってコレなんだな!
オレらが勇者の味方をしたら首輪を発動させようとしたけど
そんなのはもうとっくに無効化してるんだよ!
騎士やら兵士やらゾロゾロかかってきたけどオレらにそんなので
歯が立つ訳もない。
ダチ勇者どもが指示もしないのに全員ボコッてくれた。
まあ、チャラ男と女の子たちは唖然としてたけどね。
やっちゃうぞ! クーデター!
そう脅したら王さま以下素直になってくれた。
うん、素直が一番だね。
ゆうしゃくんと一緒に魔物の討伐に行った連中が居てそいつらが
いろいろ世話してくれてたらしい。
六歳じゃあねぇ……
オレたちは多分ゲンコツ女子が勇者さんかバイトなあの人に
連絡してくれてるだろうからある意味待ってればいいだけなんだけど。
え? 待ってればいいだけなのにチャラ男や女の子たちの
特訓してたのはなぜかって?
ココの連中を放置もできないから情報収集と油断させるためだよ。
勝手な召喚を繰り返しちゃってるんだぜ。
バイトなあの人に言わせれば危険そのものなんだ。
おこさまゆうしゃくんを帰してやりたいけどココの神さまが
なんとかしてくれるとは限らないしなあ。
ともかく神殿はあるのか聞いてみたが誰も知らないという。
神殿もないのか……
神さま居るのかね? ココの世界って。
「神殿が無いなら造っちゃったらどうだろう」とイケメン神官が言うので
(あ! 神官だったよ! コイツは神官!)
今まで行ったことのある神殿の様子を参考に王城の一角に神殿(仮)を設置した。
イケメンは神官の仕事は知らないんだけど土漠の神殿とかでやってた
それらしい儀式を教えてみんなでお祈り。
この国の連中も強制参加!
勿論、王さまも!
神さまはいたらしい。
ミイラみたいなばあちゃんだ。
そう思ったら怒られた。
前に別の大陸に来た勇者にもそう思われて凹んだそうだ。
あれ?
エリクサーをあげませんでした? その勇者に。
あー、ココに来てたのか勇者さん。
アレはさすがです。
凄い効き目で驚きました。とほめた。
機嫌は一発で治ったようだ。
エリクサーは勝手な召喚のお詫びだったらしい。
オレ達の召喚は感知できたけどゆうしゃくんのほうは
本人がちっちゃすぎたこともあって感知もれだったらしい。
なんか別の理由も有るっぽい気もしたけどお年寄りはイジメちゃダメだよね。
まあ、今はおこさまゆうしゃくんをなんとかしてほしいと
平にお願いすることにする。
「そういうのは苦手なんでバイトなあの人に手伝わせたいけどいいかな?」
と宣う。
あー、イイと思いますよ。
やっぱりあの人ってそういうこと慣れてそうですもんね。
ということで、おこさまゆうしゃくんは帰還決定。
神さまとの会話はお祈りしてた連中には全部筒抜けだった。
神さまがホントにいたので神殿(仮)はそのまま存続だそうだ。
ココの神様によるとやっぱりちょっと時間がかかるらしい。
なので皆でおこさまゆうしゃくんと遊ぶことにした。
ゆうしゃくんの世話をしてくれた連中も招待して異世界観光。
費用は王さま持ち。
イイよね、これくらいの役得があっても。
バイトなあの人が笑顔でゲンコツくれましたぁ。
うん……結構イタイです。
イケメンくん神官なのに神官の仕事を知らないんだねえ。
まあ、どこかの神殿に属してる訳じゃあないしね。
ゲンコツ女子はちゃんと勇者さんとバイトなあの人に
連絡入れてます。
でもココも実は前回と同じで別の枝なんです。
時間がかかっちゃうのは仕方ないですね。
でも休暇の残りもあと少し。
新学期までに戻れるとイイねぇ、マモルくん。




