44ページ 行方不明者。
人の国の旧都は落ち着いた街だ。
もともとはココが王都だったそうで王宮もある。
現在は王太后さまがお住まいだそうだ。
王宮は引退した王族の隠居所になってる。
元が王都なのでココに実家や屋敷のある貴族も多い。
ということで宰相さんちからディナーのご招待。
オマケなオレも屋敷見物のつもりで付いて行った。
招待主はなんと四・五歳のガキ……もとい坊ちゃん。
子供のくせになんだかオヤジっぽいと思ったら彼は転生者で
宰相さんの左腕と勇者さんと聖女さんの魔力でできてるんだそうだ。
良くわからない説明だったけど勇者さん夫妻には分かってるみたいだった。
あとで聞いてみよう。
四・五歳に見えてもまだココに来て一年も経ってないと言う。
商業ギルドの商人さん達の話からもしかしたら
同じ世界の人かもしれないと招待してみたんだそうだ。
しかも開口一番「あれ? Y商事の営業さん?」と宣った。
オヤジと同じで勇者さんのお得意さんだったらしい。
とある山の展望台から落っこちたと言う。
下を覗いたら人みたいなモノが見えたので。
結局、神様に案内されてココへ転生したそうだ。
アクシデントで妙な転生だったと言ってたけど。
でも、勇者さんは彼は旅行に行ったまま行方不明だという。
あー、遺体がみつかってないんだね。
彼は転生してるのでココの住人になっている。
元の世界にはおいそれと帰してもらえないだろう。
いろんな規則が神さまたちにもあるらしい。
死んでることをなんとか家族に知らせてもらえないかと
勇者さんは相談されていた。
魔石に魔法で録画して夢でみさせることができるそうなので夢枕に立った
と言う設定でやってみようということになっていた。
行方不明はつらい。
死んだと分かれば諦めることもできるけど生きているかもしれないという希望って
なかなか捨てられないよね。
鎧武者さんは土地神ながら一応神さまなので一時的な里帰りは問題ないそうだ。
年に一度だけらしいしね。
オレ達一行はココの管理神さんともっと上の神様の許可をもらってるそうで
問題無いと言う。
もっと上の神様ってどんな方なんだろう?
そんなことを思いながら抱き枕さまにイイ夢をおねがいした。
持って来たんだよ……悪い?
明日はもう元の世界に帰るので油断してたんだろうか?
異世界からなら召喚されないと思ってたのは確かだね。
でも、召喚主もいない砂漠のど真ん中って
どうしたもんだろう。
オヤジは
「うっかり召喚されても勇者さん達が連れ戻してくれる」
と断言してくれたけど……
ともかく日陰に隠れてないとミイラに一直線だね。
土魔法が使えて良かったとホッとするマモルくんなのでした。
マモルくん、自分が行方不明だってこと
分かってないみたいですね。
しょっちゅう召喚されてるので
ハハハ、行方不明になりまくりなんだけど。
さて、保護者な勇者さん、早目に見つけないと
マモルくんが干物になっちゃうよぉ。




