186ページ ゴーレムと森。
街の入り口の門の前には長くは無いけど行列ができていた。
少し離れた所で隠密と隠蔽をかけて風魔法で話を聞く。
特に身分証は必要ないみたいだ。
でも入場税は取るんだね。
二、三軒のテントの店が並んでいて持ち物の換金をしてるようだ。
市場になってる所も有ったけどココはそこまで行ってない。
入場税を払うと鑑定の魔道具で鑑定されてそれで身分証を造ってくれるようだ。
なのでココの人たちに合わせてステータスの書き換え。
お店に寄って金貨を砂金の粒に造りかえたものをココの通貨に換金した。
前回の召喚の後でなぜか錬金術が使えるようになってたんだ。
まだレベルは低いんだけどね。
それにしてもオレって攻撃用のスキルがあまり付かないのはなぜなんだろう。
う~ん・・なんだか考えたら負けな気がする。
無事に街に入れたので宿を確保。一休み。
ココの情報を集めるために街を歩き回ってみた。
それほど今まで行ったことのある異世界と変わらない。
ギルドもあった。
神殿は無かった。祠めいたものだけ。
もっと大きな街に行かないと神殿は無いらしい。
身分証はこの街の中だけのモノなのでギルドに登録した。
コレで他の街の入場税は半額だそうだ。
あのテーブルマウンテンの情報があった。
アレはゴーレムなんだそうだ。
地下の水脈から水をくみ上げるのが役目らしい。
まあ、そんなことも知らないのか、近頃の若い者は! って目で
見られちゃったけどね。
転移陣がなんで付いてたのかは分からなかった。
そうしてテーブルマウンテンの異常はまだ気づかれていなかった。
時間の問題だろうけど。
ギルドに登録したので軽い仕事を受けてみた。
採集と下級の魔物の討伐。
登録したのに何もしないなんて怪しいからね。
森はジャングルめいてるけど索敵があるのでみんな簡単。
そしてテーブルマウンテンの異常が街に知れた。
街の住人たちはあわてて引っ越しをはじめた。
森はあのテーブルマウンテンなゴーレムの汲み上げる水で維持されている。
アレが機能しないとなると森は枯れるしかない。
街は森に依存して成立している。
枯れて追い詰められる前に引っ越しということらしい。
あー・・やっぱりオレラって自然破壊しちゃったみたいだね。
どうしたもんだろう。
チャラ男父が神殿のある街に行こうと言い出した。
神さまにコンタクトが取れれば帰れるだろうしゴーレムを
不安定にしちゃったことも謝罪できるだろうと。
この街から逃げ出すようだけど引っ越しの人たちが多いから
オレ達が居なくなっても目立たない。
ギルドの受付のお兄さんにいろいろ聞いて神殿のある街を特定できた。
転移と風魔法を併用して飛んでいくことにした。
街と街の間はほとんど草木が生えていない。
道は有るけど乾燥地帯そのものだ。
砂漠はゴーレムの向こうに広がってるようだ。
ほんの時たまサボテンめいたものを見かけたけど緑はあのゴーレムの
こちら側だけに森としてあるだけのようだ。
神殿のある街は領主の街だった。
お参りは皆で行った。
そうして神さまに叱られた。
あー・・神さまそんなに叱らないでやって下さいよ。
ココの世界の事ってよく知らないんだから。
突然召喚されちゃったんだしね。
山みたいなゴーレムって誰が造ったんですかねえ。
やっぱり神さまですかね。
ともかくコレで神さまとコンタクトがとれました。
これで帰れる・・といいなぁ。




