170ページ エネルギー担当。
犯人(? )達は拉致監禁をしようとした訳ではないと言う。
召喚魔法の実験に引っかかって来てしまったのだと。
神さまだと聞いてかえってビックリしてたそうだ。
せいぜいが多少力の強めな精霊だろうと。
神さまの見掛けは7・8歳のエルフだった。
ご本人もプライベート空間で個人的な実験の最中にこんな目にあわれたのだと。
オレがバイトなあの人の所の勇者だってことはどうもご存じだったようだ。
・・何をされてたんですか?
「あー・・召喚とか送還の魔法が苦手なんだよ。
君のトコのバイトな兄さん並とはなかなかいかなくてね。
ちょっと練習なんかしてたんだよ。
それで多分連中の魔法とシンクロしちゃったみたいなんだ。
プライベート空間からだったんでココも一種のプライベートな
空間になってしまったんだよ。
ココに固定されてしまったんで元に戻ることも外部にアクセスすることも
できなくなってしまったんだ。
連中に多少の力を付与して世界の外部からの助力を引き込もうとしたんだがね。
どうも対象が連中には過大だったらしい。
術式が途中でイカレたんだよ。
対象はどうなったかはもう確認できないなぁ。
気の毒なことになってないといいんだが・・。」
ソレって上の方から怒られませんか?
「うん・・多分アノじいさんは怒るだろうね。
タダでさえ忙しいのに仕事を増やしちゃった事になるから。
対象が見つかればなんとか言い訳もできるんだけどね。」
多分、対象ってオレなんだと思うんですけど。
無人島に放りだされた経緯を説明した。
「場所が大幅にズレたけど一応召喚には成功してたんだな。
有り難い。
君にココに固定されたコレを動かすのをなんとか手伝ってほしいんだが。」
オレ・・そんな魔法は使ったことないんですけど。
「なに簡単だよ。使うのは私で君はエネルギー担当だよ。
プライベート空間に居るんでエネルギーの補充が少し滞ってしまってね。」
他にも色々説明されたけどそんな高度な技術説明なんてオレの頭には
理解不能でーす。
ともかく神様の指示通りに魔法陣の作成と魔力の注入をした。
そして神さまはお帰りになられた。
神官さんたちは周りで石像みたいに動かずにいたけどなんとか問題が解決したので
ホッとしたようだった。
犯人(? )たちは魔法の研究をしてただけだったので口止めと多少のお説教と
神殿での奉仕活動で許された。
どうも付与してもらった力はそのままなようだけどそのおかげで
解決したようなものだからイイか。
次期神殿長候補やほかの神官さん達には感謝されたけど神さまがいないと
オレだって元の世界に帰れないんだよ。
まあ、お互い様ってとこだよね。
神殿でお祈りしてバイトなあの人に連絡をお願いした。
「迷惑かけて済まなかったね。
おかげでハマり込んだ袋小路から脱出できた。
次はこんなことにならないように気を付けるよ。
まぁ、あのじいさんのお小言くらいはしょうが無いけどね。」
大枝の管理神さまはやっぱりエルフなんだそうでお小言は
他の種族の神さまよりキツイそうだ。
お気の毒さまデス。
戻ってきたら連休がほとんど終わっていた。
あー・・せっかくの連休だったのに。
家族旅行はオレ抜きだった。
「ゴメン! 。神さまが大丈夫だって言うもんだから。」
オヤジ・・あんまり心配したように見えないゾ!
バイトなあの人は行く先を特定していたらしい。
あの神様も知り合いだそうだ。
もしかしてわざと放置したんですかぁ?
「アレは時々あぁいうドジをかましてくれるんだ。
君が行くことで事態が動いたようで助かったよ。
こっちから勝手な手出しはシニクイんだ。
アレでも管理責任者だからね。
まぁ、ご苦労さん。感謝感謝。
ご褒美はなにか要るかい? 」
イケメンに特訓されない程度の学力が欲しいと言ったら笑われた。
ちゃんと能力はあるんだから使い方次第だと。
ヤレヤレ・・当分イケメンの特訓からは逃れられないらしい。
でも、もうじき修学旅行の本番だ。
今度はプチの時みたいなことは起こらないよな。
そんなに立て続けなんてことは・・。
希望的観測ってヤツは大抵外れるってことに未だに
気付いていないマモルくんなのでした。
エルフにもドジッ子体質がいるとは思いませんでしたねぇ。
それにしてもバイトなあの方はあえての放置だなんてもう確信犯ですね。
手出ししにくくてもマモルくんに連絡位できないんですかね?
なんとか戻って来たマモルくん。
どうやら修学旅行でもなにか起きそうでコワイなぁ。




