167ページ 火魔法使い。
ココでは護衛のために雇い主が馬を借りてくれる。
馬は目的の街にある貸馬の店に帰せばいいんだそうだ。
便利だね。
オレはチビなので馬車に乗せてもらう。
普通の馬だと大き過ぎるからね。
騎乗のスキルを持ってるんだけどなぁ。
以前こういう隊商の護衛の仕事をした時は賄いはキレイなお姉さん達だったけど、
今回はオッサンだった。
結構ドジで鍋とかひっくり返したりしてる。
見かねて手伝ったりしちゃったよ。
まあ、食事は美味しい方がいいからね。
魔物は何度か襲って来たけど護衛さん達は優秀だった。
オレの索敵で早目に発見しちゃってるので対応も早い。
でも魔術師さんがね・・火魔法を逸らせちゃったんだ。
オッサンも乗ってた賄いの食料とか乗せてた馬車をね。
馬はなんとか無事。車体も土台部分は無事だけど食料と水の樽はイカレた。
オッサンの火傷は回復魔法で治した。
あー・・驚かないでよ。
できるんだからしょうが無いでしょ。
土魔法で水樽の代わりの容器を作成。
モチロン水は水魔法。
水魔法で造る水はあまり美味しくないけどこの際仕方ないね。
ミネラル分の含有率で水の味はかなり変わる。
好みもあるけどね。
食料がほとんど無くなったけどオレのアイテムボックスには結構入っている。
雇い主の商人さんに話して提供することにした。
やっぱりお腹がすいたら仕事はできないもんね。
このコースは村とか街が途中にほとんど無いそうだ。
そういう処で多少仕入れたけどやっぱり多少でしかない。
旅を続けながら周りを索敵して狩りをすることになった。
護衛のリーダーさんの指示で他の護衛さんも当然参加。
魔術師さんは一番頑張ってくれた。
自分のミスで皆に迷惑をかけたと気にしてたんだね。
魔法の話を二人でして得意な魔法を教えてもらった。
火魔法が得意なのにソレでミスしたので落ち込んでいた。
でも乱戦になったらミスがでることも有る。
イメージと集中を明確に保ち続けるのは疲れることだしね。
ソコはやっぱり修練を続けるしかない。
オレは色々な属性が使える。
でも、やっぱり特化した人には敵わない面がどうしてもある。
威力では負けなくても精度で負けたりする。
要するに器用貧乏だ。
なんでもできても専門家には負ける。
まあソレでも常に最高峰の威力が必要って訳でもないから
オレ程度でも役には立つ訳だ。
それなりに高いレベルがカバーしてくれる面もあるしね。
そんな話を魔術師さんとした。
歳が大分上のはずの魔術師さんはなんとか落ち込みから立ち直ってくれた。
火魔法の展開とか彼の秘密のはずの技まで教えてくれた。
やっぱり経験豊富なベテランだったんだね。
領主の街まであと二日というところで賊が出た。
以前の護衛でもやっぱり街に近いところで出たことがある。
リーダーさんによるとまるきりの山の中よりもかえって
街に近いところで出ることは多いんだそうだ。
人は人の多いところが好きなのかもしれない。
紛れて居たいと言う願望もあるかもしれない。
なにより人の多いところは便利だもんね。
どこで出てもオレの索敵からは並のヤツは逃げられない。
集団全部を隠せるほどの隠蔽や隠密を使えるヤツは少ないと思う。
ということで賊どもは軽く撃破。
リーダーさんが親玉を片付けたら残りはムチャクチャな勢いで逃げて行った。
全部捕まえるのは騎士さん達の仕事だろう。
通報はしたけどね。
領主の街に無事に着いたら雇い主さんが食料代の他にもボーナスを出してくれた。
なので護衛のみんなで分けることにした。
要らないと言われたけど(なぜか皆そう言うね。)次回もまた助けて下さいと
お願いして受け取ってもらった。
食料代でボーナスを水増ししといたのは内緒だ。
さて、ココの神殿や図書館にはなにか情報はあるだろうか?
お留守の神さまが戻られてるといいなぁ・・と思うマモルくんなのでした。
なんでもできちゃう万能タイプなマモルくん。
専門家には敵わないと自覚してます。
それでも彼はレベルが高いので専門家もタジタジな実力です。
専門家には敬意を持ってるのでガキでできすぎるヤツなのに
あまり嫌われたりしないみたいですね。
まあ、チビだってことも関係してるのかなぁ。
無意識のうちにそういう処を利用してるみたいにも見えますよね。
プププ・・意識的だったらヤなヤツだとは思いますけどね。




