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166ページ 平和な街。

 神は死んだ・・んなわきゃ無い・・無いはずだ。

お留守・・は有り得るな。

バカンス行ってた方もいたし魔族の神さまは里帰りなんかしてたもんな。


ともかくココの神殿でお祈りしてても無駄だろう。

さて・・どーしたものか・・。


しばらくこの世界に滞在することになりそうだ。

召喚主が誰かも分からないし神さまも居ない。

召喚の目的も分からない。

う~んやっぱりこの世界の情報を集めるところからか。

ギルド・・あるのかね? 


宿を決めてから港街を歩き回ってみる。

人魚の神さまの居たあの街より二倍くらい大きい。

それを除けばまあ、似たような街だね。

・・ギルドもちゃんとあったよ。


登録は十二歳からだそうだ。

オレは十三だけどやっぱり十三には見てもらえなかった。

ところがあの船の乗客の一人が依頼に来てて歳を知らないのに

十三だと証言してくれた。

オレは船では歳までは言ってなかったんだけど。


どうもあの時のスパクオークス(クラーケン)との戦闘を覗いてたらしい。

ということでココでの一発目のお仕事は彼の依頼を受けることに。

この地方の中心都市な領主の街までの貨物輸送の護衛。


もっとも、オマケで付いて行く別の荷馬車とかもいるそうだ。

単独の旅より大きな集団のほうが賊も手が出しにくい。

後から付いてくるオマケが襲われている間にメインは逃げるという

ズルイといえばズルイ手でもある。


どっちも承知の上なのでドコからも文句は出ないそうだ。


領主の街には大きな神殿や庶民も入れる図書館もあると言う。

この港街手に入らなかった情報もあるかもしれない。


この世界は概ね平和だそうだ。

戦争は20年も前だし魔物や魔獣もいるけれど大きな被害は出ていないらしい。


危機的な状況は何処にも無いのにオレは召喚された。

一体どういう事なんだろう? 

あの島には誰も居なかった。

魔族も人間もエルフもドワーフも獣人も居なかった。

この街には全部居る。

もめてる様子も無いし、あからさまな差別も見かけない。


ホントに平和だよ。

まあ、街の外はどうだか分からないんだけどね。

領主の街まで十日くらいだそうだ。

それまでにバイトなあの人や師匠が見つけてくれるといいなぁ・・

と思うマモルくんなのでした。

 神さまはご不在でも世界は平和なんだね。


マモルくんやっぱり手がかりが無くて困ってますねぇ。

普通は切羽詰まって勇者を召喚するんだけど全然そんな雰囲気が

しないみたいだね。


いったい誰が召喚したのかもわからないなんてどうしたもんでしょう。

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