165ページ イカタコ酒。
ココの世界ではアレはクラーケンではないそうだ。
名前は〔スパクオークス〕。
な・・なんか微妙な命名だなぁ。
烏賊がスクイードで蛸がオクトパス。
混ぜただけに聞こえるんですけど。
アレの足は食べないそうだ。噛みきれないので。
なのでアルコール度数の高い酒に漬けて薬酒にすると言う。
船長はウキウキ顔でさっそく作成中。
積み荷の酒に漬けこんでいた。
荷主に怒られないのかと思ったら荷主は乗客で了解済みだそうだ。
・・・すばやいことで。
スパクオークスは産卵を岸辺でするのでその時に攻撃すると
足を切り離して逃げると言う。
その足を薬酒にするんだそうだ。
回復薬としては上物で結構高いらしい。
船はアチコチ壊れたけどソレを直すくらいは軽いくらいの儲けになるという。
次の日に港に着くことができた。
船長はオレが足を切り落としたからと足の代金を払ってくれたけど半分だけ
受け取ることにした。
船員さん達だって戦ったし怖い思いもしたからね。
〔みんなで一杯〕の代金にでもして下さい。
「お前のおかげで迷子から脱出できた。
スパクオークスに船を壊されずに済んだ。
船員達のケガも治してもらったし流されたヤツまで拾ってもらった。
オマケにあの足のオカゲで被害も補填できる。
礼としては足りないと思うんだが・・。」
迷子だったのはコッチも同じですよ。
船が壊れて困るのはオレも同じでしたしあの足はオレじゃあ活用もできません。
まあ、お互い様ってことにしましょう。
金が手に入ったので乗船料を払った。
要らないと言われたけど彼らは船で仕事をしている。
払えないならともかく払えるからね。
お仕事にはちゃんと対価があってしかるべきだろう。
それにオレって密航者みたいなもんだったし。
船員さん達に挨拶して船を下りた。
この港町には神殿があるそうなのでそこでお祈りして神さまにご助力願おう。
ということで神殿に行ってみた。
でも、信者も神官も熱心にお祈りしてるのにどうにもココが神域な感じがしない。
お祈りしても神さまの反応も無い。
神さま・・お出かけでもされてるんだろうか。
まさか・・神さまの居ない世界・・なんてことは無いよね、無いよね。
まさかの神さま不在に困惑中のマモルくんなのでした。
あー・・お留守? ・・
元々居ないなんてことは無いと思うけどねぇ。
どうしたもんですかね。
手がかりも無いしなぁ。
マモルくんでなくても困っちゃうよね。




