164ページ クラーケン? 。
あまり大きくない島だ。
以前師匠と行った魔王様とのリゾートアイランドは火山島だったけど
ココはどう見てもサンゴ礁の島だね。
ほとんど真っ平らでココヤシみたいな木が生えている。
魔物がいないわけじゃあないけどどうみてもザコだね。
島の周りにも索敵をかけたけどこういう処って同じなのかな?
ほとんど何もいない。
できる限り遠くまで索敵をかけた。
いた! いましたよ! 船だ!
水平線までは普通は4.5キロくらいらしい。
高い建物からならもっと遠くまで見えるそうだ。
高さ20メートルなら15・6キロくらいイケルと言う。
まあオレの索敵はもっとイケる。
もっともソレでもギリギリだったけど。
転移で飛んで上空から見下ろしてみた。帆船だね。
100メートルくらいの全長。50人くらい乗ってるね。
どこまで行くかは分からないけど乗せてってもらうことにした。
隠蔽と隠密はもう掛けてある。
マストのテッペンに見張り用のスペースあったけど誰も居ないのでソコで一休み。
居眠りしちゃって見つかっちゃいましたぁ。
ハハハ・・密航者一号でぇ~す。
くっそう! 寝てても隠蔽と隠密が解けないようにしとくべきだった。
尋問は船長さん。
どうやら退屈してたらしい。
オレが異世界人だと言ったら大笑いしてくれた。
おとぎ話じゃああるまいしと。
ココの人は魔法は初級くらいが普通らしい。
盛大に使える人は国に仕えているそうだ。
そう言われたのでちょっと風魔法を実演。
船長さんの帽子を飛ばした。室内だったけど。
それでなんとか信用されたらしい。
ココへ呼び出したヤツとかも分からないので困ってる。
なんとか陸まで連れてってほしい、と訴えた。
船長さんは困った顔をした。
この船は迷子だという。
船団だったのだけれど突然の嵐で他の船と逸れたのだと。
島影の一つでもあれば形で現在位置が分かるはずなのだけれど
3日もなにも見えない。
半分くらいヤケになってると言う。
どうやらこの世界は天測航法は使ってないようだ。
海が島だらけなので島さえ見えれば位置の確認は簡単らしい。
あー、オレ最初は島に居たんだけど。
真っ平らでこんな感じの木が生えてて全体がこんな形で・・
どうやら知ってるらしい。
さっきの風の魔法で飛んで来たことにした。
この船を見つけた時の距離はコレくらいだったけど寝ちゃったんで
船がどれくらい進んだか分からない。
でも見張り当番の交代時間だったそうでさほどの時間じゃあなかったようだ。
現在位置の把握ができたようで船長さん以下元気が出たみたいだね。
オレは船長さんの部屋に居候ということになった。
ココからなら四日くらいで港に着けるという。
ありがたや。
海は広くて好きだけどやっぱり人は陸の生物だからね。
計算だと明日あたりには港に着けそうだと言うのに魔物が出た。
クラーケンだと思ったね。
イカなのかタコなのかは判別できなかったよ。
足はいっぱいだったけどね。
船を壊されそうだったので極大のウィンドカッターで足を切り飛ばした。
そうしていろんな魔法を打ちまくったんだけど結局電撃魔法が効いてくれた。
でも、死ななかったね。
あきらめて離れて行ってくれたので一安心。
ケガした人もいたけどなんとか死者は出なかった。
船からおっこちた人たちも回収。
モチロン回復魔法を掛けたよ。
船医さんもケガしちゃってたから。
甲板にアイツの長い足が一本残ってた。
う~ん・・コレって喰えるのかね?
どうやらココは魔法使いは貴重な世界みたいですね。
なのに魔物は出る。おっきなヤツが。
キビシイねぇ。
さて、どうみてもガキなくせに海の大物な魔物を追っ払ったマモルくん。
船長さん・・コイツはイイ悪いにかかわらず要注意人物ですよー。
お気を付けてー。




