151ページ 役人。
役人の態度はでかかった。
でも背丈は低かった。あ・・関係ないかな。
「異邦人が集団で滞在するなんて怪しい。
拘束の上で取り調べさせてもらう。一同で牢屋行だ! 」
まあ・・無謀だねえ。
お供の騎士たちがさっきからこの部屋に入れなくなってるの気づいてないんだね。
丁重にお断りさせていただくことにした。
明日には神殿に参拝して神様にお願いして帰還を手配する。
騒がないでいただければ何事もなくココから出て行きます。
我々は単なる迷子ですからお構いなく。
あー・・怒ってるよ。
騎士になんとかしろと叫んでるけど部屋に入れもしないから
どうにもできないんだよね。
逃げ出そうにも出られないから窓から出ようとしたよ。
お行儀の悪い人だなぁ。
ココは3階なんだけど・・
あ! 落ちた!
魔力のヒモをからめて宙ぶらりん。
まあ、地面に激突するのを防いであげたんだけどなかなかの根性だねえ。
まだ怒り狂ってるよ。死にかけたってのに。
そっと降ろしてやったのに罵りまくって逃げちゃった。
残ってた騎士を部屋に入れて尋問してみる。
どうもこの国は戦争が終わったばかりでまだすこし過敏になってるんだそうだ。
ゾロゾロと異邦人が現れれば通報されても無理ないか。
騒ぎを起こさないように目立たないようにと思ったけどやっぱり目立ってたんだね。
一応、騒ぎを起こすつもりは無かったと騎士たちに言う。
神殿で神託が頂けたらココからは出ていく予定だとも。
騎士たちによるとあの役人はこういう騒ぎをしょっちゅう起こしてるんだそうで
皆から迷惑がられてるらしい。
まあ、真面目過ぎて空回りしてるのかもね。
結局上司の役人がやって来て事情聴取を宿でされることになった。
異世界人だということには驚いていたがどうも初めてではなかったらしく
外国人と同じ扱いということになった。
ココの国の法律を破らない限りは基本放置、
なので怪しいというだけで拘束、尋問しようとした最初の役人は
勇み足ということだ。ザマぁ。
ハハハ・・叱られてください。
「迷惑かもしれないが一応気にする奴もいるので監視役を置かせてもらいたい。
まあ、君たちの警護でもある。必要は無さそうだがね。」
さすがに上役さんはそれなりの方だったようで
落としどころも分かっていたようだ。
申し出は謹んでお受けすることにした。
騒ぎを起こしたい訳じゃあないからね。
数人の騎士と兵士が残って警護してくれることになった。
お仕事を増やしちゃってスミマセンね。
これで皆も安眠できる・・と思ったら神殿から使者が来た。
・・・明日には参拝させてもらう予定なんですけどねぇ。
本人たちは目立たないようにしたつもりでも目立ってたんですねえ。
まあ、無理もない。
案外とこの宿の主人なんかには一発でバレてたかも。
指名手配されてなくても違和感は当然感じたでしょうし。
役人の次は神殿からの使者ですね。
こっちのほうが厄介な気がします。
どうしたもんかね?マモルくん。




