148ページ 聖水の威力。
昔から小さかった。
未熟児で病弱で早生まれ。
病弱はなんとか親の努力もあって克服できたけど
いまだに小学生に見られてしまう。
イケメンのように高校生に見られてるヤツが羨ましい。
劣等感は今更どうしようもないからほっぽって置いた。
引きこもり気分の時にアメ玉のようにコロコロと舐めまわして
楽しんでいたんだ・・一人でね。
無駄にドでかいガシャドクロを見たらなんだか腹が立って
ぶち倒したくなってしまった。
なので、ヒザを砕く。
あー・・劣等感が多大に影響しちゃってるよなぁ。
もう片方のヒザはダチ勇者どもが潰した。
デカすぎるからまあ倒そうとするのは当然だよね。
回復魔法を掛けまくったけどデカすぎるので
たいして効かない。
動きは悪くなったけど。
聖水の効果が大きく感じたので留学生や転校生に大きな水球を造らせた。
イケメン神官のお祈りで水球を聖水にしてもらう。
オレ、ダチども、チャラ男が牽制して置いて頭から
聖水を浴びせてやった。
普通サイズのスケルトンの集合体だったらしい。バラケたよ。
バラケて人の姿をほんの一時見せたあと空気に溶けるように消えてしまった。
これは成仏したことになるんだろうか?
神官たちに状況を報告した。
もっとも神殿の塔から見ては居たようだけど。
お試しのつもりだったんだけど討伐が済んでしまった。
勝手な召喚の危険性とスケルトンの対処法をレクチャーした。
スケルトンの過去がこの国の兵士たちだったことはかなり
神官さんたちにショックだったようだ。
アンデッドにならないようにキチンと儀式と供養が行われたはずだと言う。
どこかで不手際が起こったのかもしれない。
でも一体や二体じゃあなく集団で押し寄せて来たんだから
誰かがその不手際につけ込んだのかもしれないね。
ともかく究明はココの人たちの仕事だと思う。
イケメンは反省しきりだった。
聖属性の魔法がもっと使えれば討伐が簡単だったはずだと。
ゲームにもターンアンデットとかサンクチャリィとか
有ったよね。
イケメンは最近魔法より薬の研究の方に入れ込んでたからね。
おかげで助かってる場面も多々あるからそこまで自分を責めなくてもイイと思う。
オレ達勇者も聖属性魔法は使えるけど使う場面がほとんど無かったから
練習がたりなかったよ。
反省が必要なのはイケメンだけじゃあないってことだね。
ココの神さまにお祈りして帰還を手配してもらった。
神さまは召喚をワビて下さって原因の究明も助力して下さるという。
まあ、神さまがついてるなら安心だね。
ちなみにココの神さまはどう見ても近所のオバサンって雰囲気の方だった。
変な意味じゃあないよ。
ごく普通の人間に見えるってことだよ。
原因が分かったらバイトなあの人経由で教えて下さるそうだ。
まあ、勝手な召喚が減ってくれればそれでイイことにしよう。
転校生は少し落ち込んでいた。
自分が役に立ったという実感が湧かないそうだ。
あー・・でも彼への回復魔法が攻略法の解明のキッカケだったからねぇ。
そこまでへこまなくてもいいと思うんだけど。
「今回がダメでも次回に頑張ればいい。」
留学生は励ましている。
ハハハ・・そんなにしょっちゅう召喚されてたらたまんないよ・・
ええ・・実感です。
なんだか妙なコンビができちゃった気もしたけどなんとか帰還した。
3人娘に根ほり葉ほり聞きまくられた。
あー・・そんなに行きたかったのかね?
ガイコツの相手なんてオレはもうヤなんだけどねぇ。
チームリーダーめいてきたねぇ、マモルくん。
浮世絵のガシャドクロは気に入ってます。
操ってるのが女性なのが面白いしね。
まあ、悪役には違いないんだけど。
それでも、ドラ〇エの「腐った死体」なんかに比べたら
ずっと清潔感があるよね、ガイコツって。
骨だけだからもうアレ以上は腐りようがないし。(笑。)
昔テレビで見た映画の<アルゴ探検隊の大冒険>に出てた
スケルトンの兵士は竜の牙から魔法で造られた代物でした。
コレはどうやらちゃんと人間のガイコツですね。
故国に帰りたかったのかもしれません。
神官さん達・・ちゃんと調べてあげてねぇ。




