130ページ 赤ちゃんな勇者。
リビングにはオフクロとばぁちゃんが居た。
多分消えた所を見られただろう。
言い訳しようがないけどまあそれは帰ってからだね。
弟は召喚陣のど真ん中。おれはその脇に降りた。
うん・・無事だな。泣いてるけど。
これだとミルクだね。
陣の周りの連中は何か言ってるけど無視!
弟を抱き上げてアイテムボックスから出したミルクを飲ませる。
アイテムボックスの中は時間が止まってるようで
作り置きでも冷めないし傷まないしで有り難い。
満足したようなので縦抱きにして背中を撫でてゲップをさせる。
コレをさせないとゲップが出た時に折角飲んだミルクを
一緒に吹き出しちゃうんだよ。
消化しかけてヨーグルトみたいになっててもね。
「ケフッ。」
あー・・ご苦労さん。
ちょっと抱いてたらオシッコしちゃったよのサイン。
なぜかシャックリするんだよ、この子。
ヤレヤレ・・まあ、飲んだら出るよね。
オシメを替えてたら後ろからコッソリ近づいて首輪を嵌めようとしたから
魔力で拘束してやった。
ちょっと待っててネ。弟のオシメが優先だよ~ん。
さて、おしまい。せっかくの首輪だから嵌めてあげよう。
鑑定で解析したら血の一滴で主を設定するのになってたので早速設定。
外野が何か言ってるけどモチロン無視!
さて・・と思ったらなんとココの神さまが登場!
ななな・・・なんでこんな所に?!
ニコニコといつもの笑顔で魔族の神さまがソコに居た。
「あー・・代替わりというか人事異動というかまあココの管理を任されることに
ほんの3日程前からなってね。
君を召喚させたりしてないよ。モチロン弟君もね。
君トコのアレはからかうと面白いんだがお返しがマジでキツかったりするからね。
人事異動直後は避けたかったんだがこんな事態なんでねぇ。
実力者が現れてくれたのは有り難いんだよ。
迷惑だとは分かってるんだが善処してほしい。
よろしく頼むよ、従者くん。」
そう言うと現れた時と同じように唐突に消えてしまった。
はあ・・従者か・・主人も居ないのに・・
あ! ・・弟!
弟のステータスを確認したら〔勇者〕だった・・
なんにもできない赤ちゃんな勇者か・・
しゃーない、従者な兄ちゃんがなんとかしよう!
さっさと帰らないとオフクロとばぁちゃんがどうなるか分からないもんなぁ。
う~ん、やっぱり従者なんだねえ、マモルくん。
プププ、弟が主人だなんてのは作者も予定外。
まあ、みんなにかしずかれているってのは王さまと同じかもね、赤ちゃん。
おこさまゆうしゃくんは天才だったからちゃんと召喚目的を達成してましたが
赤ちゃんじゃあ絶対無理だよねえ。
やっぱりお兄ちゃんに頑張ってもらいますかね。




