128ページ 帰宅。
ココの神さまから穴の修復も済んだので帰還させるとお告げが来た。
どーもココの人たちは召喚で世界に穴が開いてしまうとは知らなかったらしい。
まあ、コレで気軽な召喚は無くなるだろう。
王さまに挨拶して王子のことを色々報告した。
親なのだから心配しているのもわかるからね。
王さまは〔勇者特訓〕の礼をしたいと言われた。
でも、彼がちゃんと勇者ができるかどうかは彼次第だ。
礼はいらないから彼を励ましてやってほしいと伝えた。
そういう励ましとか他の人の言葉を素直に受け入れるかどうかは
気になるところだけどね。
勇者の彼女はオレ達とは別の世界からの召喚だったけど帰還させてもらえた。
帰り際に手足の復活の礼を言ってほほ笑んで帰って行った。
侯爵夫人は修道院に入れられたらしい。
旦那さんの侯爵は色々言いたいこともあったようだけど王さまが説得したようだ。
ココの世界には離婚は無いらしいが抜け道めいたものはちゃんとあって
どちらかが神殿や修道院の一員になると婚姻関係は解消ということになるそうだ。
モチロン一定期間はそこで修行と奉仕をすることになる。
彼女が出て来られるかどうかまでは聞かなかった。
自分の意志では出て来られそうもないけどね。
王子は自分のことを嘆いてはいるようだけど彼女のことは一言も言わなかった。
意地なのか配慮なのかは分からなかったけど・・
どっちにしても、もうこれ以上してやれることも無かった。
あとはもう自分達でやってもらうしかない。
ともかく無事に帰還できた。
3人娘の護衛気分だったらしいドラゴンのチビもなんだかホッとした雰囲気だ。
帰宅したら家には誰も居なかった。
オヤジは出張の予定じゃあない。
テーブルに書置きが一枚。
産院の名前と場所と電話番号。
そして「産気付いた。」と一行。
まだ予定日には2カ月はあったはずなのに!
王子は自分が勇者の彼女にしたことをどこまで反省してるんですかね。
まあ、報いがこれからずっと来ることになったようですから
お気の毒といえばお気の毒。
彼女に押し付けた勇者の責任をこれから背負っていかなければいけません。
まあ・・ガンバレ・・としか言えませんね。




