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105ページ 人魚な神さま。

 神殿に行こうと思ったんだけどちょっと港を見物中。

船は帆船だった。

オレ達の世界の港にも引退した練習用だったという帆船が港に展示係留されてたけど

アレより小さいね。


アレは全長が百メートルくらいあったけどコッチのは

五十メートルあるんだろうか?

しかしどれもこれも壊れてると言うか傷だらけだ。

海に魔物でも出るのかな? 

海に向かって索敵してみたけど大物は見当たらない。


船大工さん達がせっせと修理中。

ご苦労様です、頑張ってください。


ココは風待ちとか風除けのための港なようだ。

半島の先端に近い大きな入り江になっている。

神殿は町はずれの岬の丘の上だという。


街の周りは壁だったけどアレはどうやら魔獣除けだね。

海から船で侵略されたらひとたまりも無い気がした。


丘の上の神殿は綺麗だった。

力強いというよりは女性的な印象。

もちろん予想通り眺めはよかった。


街で仕入れた供物とお賽銭というか寄付をお供えしてお祈り。

見慣れたと言ったら変だけど例の白い部屋にいた。

神さまは人魚だったよ、人魚姫。


この世界の管理神さまではなくてこの辺り一帯を守っている土地神さまだそうだ。

海なのに土地神ってなんか変な気もするけどまあエリアを守ってるから

同じなんだろうね。


召喚はこの人魚姫な神さまだったそうだ。

管理神には許可されず勝手にやっちゃったらしい。

あー……ソレって怒られません? 


………………。


なんか聞いちゃイケナイことだったようだ。


どうもそういうコトをした経験はなかったそうで途中で召喚陣を維持できずに

はじけてしまったと。


だから……土下座なんてどこで習ったんですか? 


まあ、死にかけた気分ですけど死んでないからいいです。

ところで勇者を召喚した理由って? 


あー……海の魔物ね。

でも海には何も居ないみたいでしたけど。


満月の満潮の時だけ出てきてる。

う~ん、次っていつですか? 


3日後? 

また随分切羽詰まってますねえ。

どんな感じのヤツですか? 


は? 岩? 。

岩が船をこわしたと? 。

ゴーレムとかとは違うみたいだけど……

一体なんなんだ? 

 アンデルセンの人魚姫は究極の片思いですよねえ。

彼女は思いを伝えられないままでした。

しゃべれなくても文字が書ければ簡単だったかもとは

思うんですけどね。


フラレ男だったというアンデルセンさんのせいで

恋が実らなかった結末なんだそうなので可哀そうですよね。


でもまあ、「恋の至極は忍恋と見立て申し候。」(葉隠れ)

ですから究極にまで行けた幸せなひとなのかもしれません。

あ! 人じゃなくて人魚でした。

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