101ページ ブレス。
結局どうなったかと言うと落っこちた。
つまり落とし穴だ。
門を付けた星の引っ込んでる部分に造っといたんだ。
一定以上の重さになると落っこちるようにセット。
大分片付いたよね。
オーガの軍団がコレで全部とは思わないけど時間稼ぎが
オレ達の任務だからこれでオッケーだと思う。
索敵と魔道具の偵察機を使って戦場を確認。
動ける負傷者と雹や雷の攻撃範囲の向こうにいた
連中は撤退するようだね。
あー……撤退というより逃げてるみたいだ。
統制が全然とれてないよ。
ということは統制してたヤツが統制できない状態なのかな。
なので司令部あたりだっただろう場所を調べてみる。
オーガがぞろぞろ転がっていた。
雹くらいじゃあ多分たいしたダメージじゃあなかったはず。
だけど雷は効いたみたいだね。
ほとんどのヤツは死んでるんだけど一体だけまだ生きていた。
気は進まないけどココはトドメを刺しておかないと
復活されたらオーガの軍団が統制を取り戻してしまう。
風魔法で飛んでトドメを刺しに行った。
気が進まなかったことともうほとんど済んだということで
オレは油断してたんだと思う。
瀕死のハズのオーガが飛び起きて切りかかって来たんだ。
付いて来たチビをかばった左手を切り落とされた。
でも右は無事なので持ってた剣で袈裟懸けに切り裂いた。
手ごたえはあった。
でもオーガはそれでも第二撃を放ってくる。
剣で受けようと構えたらオーガが吹っ飛んだ。
右腕と剣、右の肩と顔が半分くらい無くなっていた。
チビがブレスを放ったのだと分かったのはしばらくしてからだった。
チビ……お前なにくわえてるんだよ。
それってオレの手だよな?
喰いたいのか? そーか……
魔力じゃあ足りなくなったのか……
あー、手の一本くらいいいかもな。
おれだって親のスネかじっちゃってるんだから。
……………………。
どうやらパニックを起こしてたらしい。
気が付けばチビに喰われたと思った手はちゃんと付いている。
薬や魔法で復活させたわけでもなさそうだ。
へたり込んでたオレをダチ勇者どもが回収してくれた。
チビは切られたオレの手をくっつけようとしてたらしい。
結局、イケメンがつけてくれたそうだ。
チビ……オレを喰いたいんじゃあなかったのか。
疑ってゴメンよ。
すり寄ってくるチビにはまだ血がついてたけど気にならなかった。
なでてやったら喜んだよ。
そして、問題が持ち上がっていた。
チビがトドメを刺したオーガが人間の姿になってたんだ。
チビくん意外な活躍ですねえ。
でも相手が人間となると大問題。
敵性認定されちゃったらねえ。
勇者さんが早く来てくれないとこじれそうな気がするんですけど。




