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小話集  作者: 深江 碧
4/18

料理下(『フォレスさんとセイナさん』より)

セイナさん(でも、折角フォルさんが料理を褒めてくれたんだから、わたしに出来ることは何かしたいと思うのだけれど…)

 おつまみのポテトサラダを作りつつ、考え中。

セイナさん(そうだわ。わたしが食べなくても、フォルさんに料理の味を見てもらえばいいんだわ)

     「フォルさん、さっきの話だけど。もしフォルさんも料理教室に一緒に来てくれるんだったら、やってもいいと思っているのだけれど」

フォルさん「(枝豆を食べつつ)そうか。それなら今度あっちに行くときに、皆と相談してみよう」


 後日、魔界で料理教室を開くことになりました。

 集まった魔族の人たちの前で、セイナさんが料理を作って見せます。

セイナさん「このように、最初は分量を量って、料理の本の通りに作ると失敗が少ないでしょう」


 女魔族A「出来ました(黄色い得体の知れない物体)」

 女魔族B「先生、どうでしょう?(緑の溶けた何か)」

 女魔族C「本の通りに作りました(赤と黒のぶつぶつ)」


セイナさん(うっ、予想以上ですか…。でも大丈夫。ここにはどんな毒も受け付けない、フォルさんがいますから)

     「フォルさん。ここはフォルさんが代表して、皆さんの料理を味見してもらえませんか?」

フォレスさん「わかった。これを味見すればいいんだな?」

 それぞれの料理をスプーンですくい、口に運ぶ。

フォレスさん「ふむ」

セインさん「ど、どうですか? フォルさん(た、食べて大丈夫ですか?)」

フォレスさん「(淡々と)これはトリカブト(毒)、こちらはケシ(麻薬)、こちらにはヒ素(有毒物質)が多く含まれているな。しかし肝心の味は、どろっとして、ぬめっとして、渋くて、甘辛い、痺れるような味だと言えばいいのだろうか? ううむ、わからないな。セイナ、ここは君が味見をしてくれないか?(悪気なし)」

セイナさん「……今日これっきりで、料理教室の先生を辞めさせていただきます…(涙)」


 こうして魔界においしい料理を広めるという料理教室は失敗に終わりました。

 その後、セイナさんはフォレスさんの図書館で『胃腸を強くする方法』『毒に負けない丈夫な体を作る!』という本を読んで勉強しているということです。


 おしまい

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