表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小話集  作者: 深江 碧
3/18

料理上(『フォレスさんとセイナさん』より)

 ある日の夕食、フォレスさん(夫、魔族の外交官、あらゆる毒を無効化する鋼鉄の胃袋を持つ)がお酒を飲みつつ、セイナさん(妻、保育士、空間術を使うけど普通の人間、毒を食べれば普通に死にます)の手料理を食べていました。

フォレスさん「この枝豆はすばらしいな。煮て塩をかけただけなのに、こんなにおいしくなるなんて。セイナは料理の天才だな(感動)」

セイナさん「そんな大げさですね。枝豆を茹でただけの簡単な料理ですよ。はい、鶏の唐揚げが出来ましたよ?(褒められてうれしい)」

にゃんたま(野良ケットシー)「やったにゃ~。唐揚げにゃ~」

カルーア(捨てケルベロス)「我々は猫舌なので、冷めてからいただきましょう」

セイナさん「こら、駄目よ。にゃんたまとカルーアはこっち(煮干しと肉をそれぞれ与える)」

フォレスさん「うむ、唐揚げもうまい。こんなに料理が上手ければ、魔界に来て広くこの料理を広めてもらいたいくらいだ。魔界は鉱物資源には恵まれているが、食料が少なく、香辛料も乏しい。あちらはこちらに比べて料理も発展していないからな…」

セイナさん「魔界で料理を広める?」


 (以下想像)

 女魔族A「セイナ先生の料理は素敵ですね」

 女魔族B「私もセイナ先生みたいに料理上手になりたいです」

 女魔族C「どうしたらセイナ先生みたいになれますか?」


セイナさん(魔界で料理教室を開くのも悪くないかもしれないな…)


 女魔族A「セイナ先生、料理が出来ました(青色の謎の物体)」

 女魔族B「味見をしてもらえませんか?(異臭を放つ紫の物体)」

 女魔族C「私の渾身の作です(蛍光色の食べ物と呼べない何か)」


セイナさん(…やっぱり無理かもしれない。わたし、フォレスさんみたいに毒を無効化できないし。食べたら普通に死ぬし、料理を魔界に広める前に、毒で倒れそう…)


セイナさん「ごめんなさい、フォルさん。やっぱり魔界で料理を広めるのは、わたしには荷が重いみたい…」

フォレスさん「(唐揚げを食べつつ)? そうか、それは残念だな」

 夫、フォレスさんのように鋼鉄の胃袋があればいいのだろうが、それはそれで人間離れしているからやっぱりいいや、と思うセイナさんでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ