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小話集  作者: 深江 碧
12/18

ヨウタとじいちゃん2 (『祖父とヨウタ』、『姉の初恋』より)

 ある日、ジョゼ神学校に通うヨウタ(本名はヨルム(以下略))は、祖父に修業のために大岩を割ってみるように言われました。

 祖父「わしがヨウタくらいの頃は、こんな大岩簡単に割れたぞ?(大嘘)」

 ヨウタ「うわ~、立派な岩だね、じいちゃん。じいちゃんは若い頃はこんな大岩を割ってたんだ。すごいなあ」

 二人の前には、ゆうに数メートルの高さはある大岩が目の前にあります。

 祖父「まあ、ヨウタに最初からこんな大岩を割るのは難しいじゃろうから、これくらいの大きさの岩が妥当じゃな。」

 大岩のそばには人の背丈くらいの岩があります。祖父はそれを指差して言います。

 ヨウタ「難しそうだけど、これも修業だからね。じいちゃん、俺やってみるよ!」

 祖父「うむうむ、頑張ってみるといい。ただし、最初から出来なくても落ち込むことは無いぞ。人は失敗しながら大きくなる……(うんぬん)」

 ヨウタ(確か少し前に、学校の法術の授業で肉体強化の術を習ったから、それを応用すれば俺にも出来るかも…)

 人の背丈の岩に近寄り、ヨウタは拳を握りしめます。法術の術式を組み立て、気合いと共に一撃を繰り出します。

 ヨウタ「てやっ!」

 岩がその一撃が当たった瞬間ひびが入り、音を立てて真っ二つになります。唖然とする祖父、喜ぶヨウタ。

 ヨウタ「やったよ、じいちゃん! 俺にも大岩を割ることが出来たよ!」

 祖父は目を丸くしていたが、わざとらしく咳払いをする。

 祖父「そ、そうじゃな。わしほどではないが、ヨウタもなかなかのものじゃな!」

 ヨウタ「そうだね、おれもまだまだじいちゃんには敵わないな。これからもがんばって修業を積むよ」

 祖父「うむ、頑張れよ、ヨウタ」

 その後、家に帰ったヨウタが庭先で丸太に向かって鍛錬をしていると、母親がやって来ます。

 母親「おじいちゃん、岩に手をぶつけてくじいたそうよ。おじいちゃんももう年なんだから、あまり無理はしないで欲しいと、ヨルムからも言ってくれないかしら?」

 ヨウタ「わかった。後でじいちゃんに無理しないように言っとくよ」

 母親「頼むわね、ヨルム」

 母親が去った後も、ヨウタは庭先で鍛錬を続けます。

 ヨウタ(おれも若い頃のじいちゃんのように、法術の力を借りずに大岩が砕けるようになりたいな。そのためには、もっと修業を積まないとな)

 後で祖父の様子を見に行こうと思いつつ、今日も今日とて修業に励むヨウタでした。


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