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小話集  作者: 深江 碧
11/18

ヨウタとじいちゃん1 (『祖父とヨウタ』、『姉の初恋』より)

ある日、ジョゼ神学校に通うヨウタ(本名はヨルム。祖父はヨウタと呼んでいるため、最早訂正するのが面倒くさい為、ヨウタと名乗っている)は祖父と一緒に修業で山登りに出かけました。

山の麓で、祖父はこんな提案をしました。

祖父「ヨウタ、これも修業じゃ! わしを背負って山の頂上まで登るのじゃ!(本人が楽したいだけ)」

ヨウタ「じいちゃん、この山結構高くて険しいみたいだけど」

祖父「こんなことで音を上げるようでは、まだまだ修行が足りないぞ? 女の子にももてんぞ、ヨウタ」

ヨウタ「……わかったよ。仕方がないなあ」

諦めて祖父を背負う。

ヨウタ「じゃあじいちゃん、しっかりつかまっててね?」

祖父「うむ、頼むぞ、ヨウタ」

祖父を背負って山を登り始めるヨウタ。少しずつ歩くのが早くなり、ついには走り出します。

祖父「う、うむ、ヨウタ。もう少しゆっくり歩いてくれんかのう。振動が大きくて気持ちが悪いのじゃが」

ヨウタ「え? 何? よく聞こえないよ、じいちゃん」

祖父「だ、だから、もう少しゆっくり」

ヨウタ「何だって?」

岩を飛び越え、垂直の崖をよじ登るヨウタ。祖父はヨウタの背中で気持ち悪くなっています。

ヨウタ「ふう、着いたよ。この山は結構険しかったから大変だったけど、いい修行になったね、じいちゃん。じいちゃん?」

山頂の隅で気持ちが悪くなってうずくまっている祖父。一方でヨウタは爽やかな汗をかいています。

それ以来、祖父は山登りの時はヨウタには背負ってもらわず、自分の足で登るようになったそうです。

※ヨウタの場合、×登山 → ○トレイルランニング です。素人は絶対に真似しないで下さい。膝が壊れます。

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