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仮想儀礼 前編 08年

2020年8/21〜8/22タブレット端末にて執筆し昼前脱稿 新規割込み投稿

急ぎ書き上げたけど上巻で力尽きました 軽く休憩挟んで午後から後編纏めます。

【 信者が30人いれば食っていけるし300人集まればベンツに乗れる生活が待っている……他人に騙された挙げ句、切り捨てられ追い詰められたけど 根はお人好しで生真面目な38歳の作家志望の元官僚と40代の編集者コンビが始めた新興宗教の盛衰(せいすい)を描いた 此処で作品投稿してる人々の心を圧し折り兼ねない 悲惨なオチが待ち受けていると知りながら読み耽ってしまうそんな物語です 主演の桐生役はリーアム・ニーソン 矢口役ならブラッドリー・クーパーが演じてるイメージで読ませて頂きました。 テーマがアレだからアニメやコミカライズは難しいかな? 】


★ちなみにとある国(はんとう)では そんな事思い付いた駄目人間達により創立されたキリスト教とは名ばかりなカルト集団の礼拝施設がチキン屋やコンビニよりも増えたそうな そんな訳でかなり笑えないブラックユーモアとなりました。


日本 サスペンスホラー小説?

英題:The Seisen-Shirpo-Kai Case

聖泉真法会(せいせんしんぽうかい)場合(ケース)

篠田節子(しのだせつこ)

新潮社より上下巻出版 2011年同社より文庫化

雑誌 小説新潮 2004年4月〜2007年5月号 連載

2023年NHK BSプレミアムでドラマ化 2312月〜24年2月/全10話



 令和2年8月後半 武漢コロナによる閉塞状況が続いたまま夏が終わろうとしてますが今日も気温は32度を軽く突破 沖縄だと暑さに耐え切れずスマホやタブレットに不具合出たりいきなり電源強制終了とかバッテリーの消耗が可笑しくなったりするものですが如何お過ごしでしょうか? 此方はクーラー皆無な屋内居ると間違い無く熱中症に掛かりそうだから ワンコと共に家で一番涼しい車庫に避難しこんな文章書き綴ってます。 


読み終えたら欝になり兼ねないラストが待ち構える こんな小説を今回取り上げようと思い立ったのは 以前からネットや雑誌で他罰主義な自己責任論を唱える阿呆や財政健全論者 果てはアメリカ合衆国を筆頭に世界中のありとあらゆる産業を衰退させる元凶となった効率主義や成果重視による安易なリストラ経営(じゃくしゃきりすて)が何を齎したのかを 架空の新興宗教団体の盛衰と其れに振り回された教祖と信者達の彷徨(ほうこう)を通して描いたそんな物語だったから ただ興味深かった或いは恐ろしかっただけでは済ませたく無かったしね ぶっちゃけ怪作過ぎて一緒に借りて来た○ン・ブラ○ンの小説 (敢えて作品名伏せます あたしゃ無責任な一言で敵増やしたくない) が滅茶苦茶つまらなく感じたとだけ書いときますか 


救いは有っても希望は存在しない長い長い物語をなるべく短めに纏めてみたいので前振りと感想はさっさと切り上げ本編へ なるべくシリアス目指しますが途中おフザケ入るのは勘弁を



【 良い小見出しが思い浮かば無いからまずはこんな話を 東西冷戦が終わり平和となった筈のこの世界で 何故に今更、民族対立や全体主義 過激な思想を売りとするイスラム原理主義みたいなモノが流行るのか? とどの詰まり上から下まで何もかもかっちり決められ雁字搦めになった息苦しい所程 カルト団体が生まれやすいとだけ書いときますか どんな世界でも落ちこぼれや自分で自分を守れない人々は存在するし その受け皿となって来たのが宗教なんだと私は思います。 別段神様信じてる訳じゃなく優しい言葉を掛けてくる存在や自分の居場所が無いからこそ此処を離れられない者も居るんです。 】


★もっともかつての赤軍派同様に過激化してしまうのも人の性 自分は救われたから他人もとやらかす辺りかなり迷惑な話です(黒い笑)



 ゲーム化作品の原作者になりませんか? この物語の主人公 元東京都 総務部システム管理課長 鈴木正彦(すずきまさひこ)(ペンネーム 桐生慧海(きりゅうえかい)38歳)の人生を破滅に追い込んだのは悪質な出版社による計画倒産だった。 


公務員とゲームシナリオライター 2つの仕事を何とか両立させていた正彦を言葉巧みに追い詰めたのは、担当編集者として現れた矢口誠(やぐちまこと) 提示されたページ数は到底兼業では執筆不可能な分量 そもそも掻き集められた作家のみならず 他社から強引に引き抜かれた編集者にも半年以上給与が振込まれていないと判明したのは経営陣がまんまと行方を眩ませてからの事 散々悩んだ末に執筆活動に専念するため役所を辞め 退職金でオフィスを借りた正彦が真相に気付いたのは全て手遅れとなってから 妻と子供からは三行半を叩き付けられ預金もあと僅か もうすぐ40代を迎える元公務員を雇ってくれる会社などハローワークに通い詰めても何処にも無い


彼等の転機となったのは テレビ画面の向こう側で倒壊する世界貿易センタービル 奇しくもその日は2001年9月11日 新興宗教なら資本金も会社設立に伴うややこしい書類提出や融資の問題等の出費が嵩む事もない テロ事件を利用するなんて不謹慎だと感じたものの 片や設定厨で他人を安心させ扇動するのに手慣れた元中間管理職 片や口車とデザインの才能持ち女性の心を掴むのに長けた元営業職 ノリと勢い……ついでに公安やマスコミに目を付けられない様に決めた教団名は 聖泉真法会(せいせんしんぽうかい) 他にやる事も無いから不眠不休で立ち上げたホームページをプロバイダーに登録した途端 最初に飛び込んで来たのは援助交際に手を出してしまった自称女子高生からの人生相談。


詐欺紛いの商売に手を出して置きながら 基本真面目なオジサン2人による間抜けな口論の末に送り返される相手を尊重した親身なコメント こまめに迷惑メールや罵詈雑言の類いの書き込みを撤去し続け掲示板を読み易くした事で日に数百件の相談を受ける状況となるまで大して時間は掛からなかった 礼拝施設として主人公達が目を付けたのは彼等のヤサとなっている草臥れたマンション1階に有る潰れかけた喫茶店 家主が半年程緊急入院する事になり以前から此処でサークル活動をやっていた常連に厨房を任せたら異様な風体をした薄気味悪い男女グループの溜まり場にもなっていたらしい 


『此処 自殺騒ぎが有った店ですよ。』


隣近所の主婦から有力な証拠を手に入れた矢口の交渉術により 格安料金で部屋交換に成功 2人掛かりで異臭を放つ屋内を徹底的に掃除し何とか寝泊まり出来るスペースを確保 御本尊なんか買う金無いからホームセンターで買って来た石膏粘土と厨房に捨てられていた空のワインボトルで形を作り塗料重ね塗りして古ぼけた仏像は完成 礼拝施設を模した内装は勿論DIYだし絨毯に至っては元粗大ゴミ 教祖に仕立て上げられたのは正彦⇒桐生慧海(きりゅうえかい) 矢口は広報担当兼世話役に就任 2001年12月下旬に聖泉真法会集会所オープン 当初の客はサイトの常連達 だがやがてかつて此処に(たむろ)していたらしい怪しい女性達も姿を現す。 


毎朝9時に集会所を開き夜11時まで営業 職場や学校、家庭に居場所が無い老若男女の嘆きや愚痴を黙って受け止め お茶やコーヒー出したり時に相談に乗り共に祈るだけの簡単なお仕事(笑) 勿論下手なサービス業より過酷でお布施頼りだから実入りも無い時がある。 代議士で有る父親や議員秘書の兄に幼い頃から性的虐待(レイプ)を受けていた女性 徳岡雅子(とくおかまさこ) 虐め相手のグループに命令されて賽銭箱から金を盗もうとして主人公に殴り倒され真摯に怒られた事で目覚めた?高校生 竹内由宇太(たけうちゆうた) ただ毎日家族や夫に対する愚痴を吐き出した事で体調不良を克服した大手テレビ局重役夫人 山本広江(やまもとひろえ)は時折悩める友人を連れて来る様になった。 


集会所開設から3週間 礼拝施設を訪れた客は延べ70名を超え 収入は少しずつ右肩上がり お布施収入は当初数百円の日も有ったがネットでの口コミが広まり半年程度で80万円へ 不倫を切っ掛けに職を辞し大手キリスト教団体に入ったが集金と勧誘ノルマに追われ遂には身体壊した少女 伊藤真美(いとうまみ)等 信者となってくれた常連は20名を越えた 教義も割とゆるゆるだった団体は信者との話し合いによりルールが纒められ 集会所の管理運営やホームページの改善にも参加して貰い教団としての体制を整えてゆく聖泉真法会 既存の大手新興宗教団体の刺客として侵入し、まんまとミイラ取りがミイラになった島森麻子(しまもりあさこ)は所属していた十数人の信者と共に入信儀式に加わる 


決して他の宗派を否定せず逆らわない なまじ信仰心を持たないが故の 2人の対応が功を奏し次々と信者は増える。  


高校卒業し東京に出てから3年半もの間 IT企業重役の性奴隷(ペット)としてホテルの1室に飼われていた 南野サヤカ(恐らく偽名) と兄との肉体関係を未だ精算出来ずに居る 徳岡雅子 雅子の紹介で加わった坂倉木綿子(さかくらゆうこ)は年齢不詳な外見と淫靡な存在感が仇となり周囲の女性達に虐められ度々自殺を繰り返した過去を持つ ちなみに此処まで読んだお客様なら大概察しが付いてると思いますがテナントが安くなった元凶はこの(ひと)です 


彼女達は出家を希望し教団名義で借りたアパートで共同生活送りながら自活の道を探す事に だが、よりにもよってサヤカと木綿子の就職先が風俗紛いのモノだった事から後々トラブルを招き寄せる 居場所が無く教団を頼る人々とカウンセリングにより救われたと信じる信者同志の対立 祈りの中で奇跡を体験したらしい由宇太(こうこうせい)は教団と距離を置く様になる 南野サヤカが島森麻子の息子=妻子有る信者とやらかした心中未遂が原因で 激昂した麻子は派閥仲間38名を引き連れ教団を脱退 


再び貧乏生活が始まるかと覚悟決めた2人の前に現れた惣菜会社社長 森田源一郎(もりたげんいちろう)  相談 (インチキ霊能者による金銭強要対策) に乗った事で始まる教団の躍進 由宇太(じゃくしゃ)を生贄としたクラスメイトによる執拗な虐めが遠因となった集会所への放火未遂を切っ掛けに由宇太は姿を眩ませた。 狂牛病騒ぎを切っ掛けに判明したライバル会社の食品偽装騒ぎによる倒産 安全な食材需要増によるインドネシアへの海外工場建設 


ライバルの凋落を喜ぶのでは無く彼等に手を差し伸べ味方にしなさい 


主人公等のアドバイスで心を救われ経営難のみならず家族関係も良好となった森田社長の計らいで教団は新たな礼拝施設を手に入れ 主人公達は信者だけでなく商工会等、企業経営者の集まりにも呼ばれる様になり海外出張に駆り出されるなど多忙な日々を送る 出張先のインドネシアで聞いた京都の密教系宗教団体による信者リンチ殺人事件 帰りの飛行機の中で偶々誰かが置き忘れた雑誌に掲載されていた記事に映る容疑者の1人 逃走中に仲間割れとなり独り山中で凍死した少年は竹内由宇太だった 虐めに耐えられず家の金を持ち出し新興宗教に逃げ場を求めた元信者の惨めな最後 


もしからしたら彼を救えたかも知れないのに俺達は何をやっている 同じ時間を過ごした信者達と共に集まり祈りを捧げる主人公達。 教団が再び躍進を始めた事で脱会した信者達も少しずつ戻って来るようになった2002年秋 信者の数は2000人を超える 寄進される形で増える仏像(本物)に仏具 絶えず襲いかかる罪悪感から集会所で寝泊りし贅沢を控えストイックな食生活により益々神がかった雰囲気を醸し出すようになった主人公達 土地や財産、多額の寄進によりベンツ程度なら数台は買える収入となったが 生真面目で小市民な主人公達が購入したのは 寝泊りや大勢での移動が可能な大型車両 


森田社長の紹介で教団に加わった総務課長の増谷(ますたに)は高野山大学卒業していた事から広報担当に就任する ホームページからのリクエストに応える形で製作した自己啓発をテーマにしたビデオや本尊を模した小さな仏像も売れ始め 雑誌の取材にビジネス本の出版 コメンテイターとして臨時に抜擢されたテレビ出演も何とか無難に熟す 印税収入だけでも軽く7000万円を超えた。 節税対策として宗教法人登録を成功させなければいけない時に限って次々と現れる困った人々 自身もかつては同じだった主人公達は安易に其れを見捨てる事が出来ないでいる 福井県出身の野党議員が立ち上げたNPO法人が持ち込んで来た海外病院建設への資金協力依頼 (殆ど詐欺) 阪急支部を建設するなら土地と資産を寄付したいと持ち掛けて来た金満老人 祖父江(そふえ)との会合とその愛人 斎賀澄江(さいがすみえ)の爛れた関係に抱いた嫌悪感 偶々2年振りに再会し見違える様に明るくなった元妻と子供達のエピソード    


2003年 もう良いよ 此れ以上の教団拡大は俺達の手に余る そう考える様になった主人公達の前に現れたのは極め付けの人間の屑だった。


★ちょっと頭冷やす為 後やっぱり5000文字前後では収まりそうにないから前後編に分けます 今回は此処まで。



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