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インコは戻ってきたか 01年

2020年8/7〜8/9深夜 タブレット端末にて執筆し脱稿 割り込み投稿

【 周辺諸国の都合やイデオロギーとやらによりにより奪い奪われ 島民皆殺し⇒異民族の強制移住が繰り返された 見た目だけは風光明媚なギリシャvsトルコ系住民が其々島の統一と異民族排除を主張して譲らない観光地キプロス島 (ギリシャ系住民とロシア系が占める共和国とトルコ人が占める国連非公認国家北キプロス・トルコ共和国に分かれてます。) 狭い世界が全てだったアラフォー・ヒロインが体験する人生の転機とは? "ダンまち" みたいな真っ当な物語読んでると偶に上から目線で頓珍漢なポリシーを押し付けたり 腐った目をしたドブの様な臭いがするどうしようもない屑が野垂れ死ぬ物語が読みたくなる ミサカ・ワーストみたいな人向け 後半は面白くなるんだけど前半はストレスフル 】


★PV累計28万件突破記念ですが ジェイムズ・エルロイ作品みたいに色々陰謀ネタだらけだし 単なる自己満足ですから割り込み投稿。


☆此れ書いてる最中に時事ネタになりましたが2020年8/4 レバノンの港湾地区を木っ端微塵にした硝酸アンモニウムの荷主は ニュースによるとキプロスに拠点置いてたロシアの武器商人だったそうです。 火薬製造や毒ガスにも使える危険物はモザンビークから何処へ流れる予定だったのやら?


日本 多分アドベンチャー小説

篠田節子(しのだせつこ)

集英社 出版 2004年集英社文庫化

小説すばる 2000〜2001年連載作品



 他人にやたら攻撃的で視野の狭い仕事人間 ホラー映画なら最高のタイミングで惨殺されて視聴者をスッキリさせてくれそうな嫌なオバサン=平林響子(ひらばやしきょうこ)と 平和で安全な社会に違和感を感じ、軽い気持ちで海外へ飛び出してみたものの何処の世界でも "お客さん扱いされ" 気が付いたら恋愛結婚した筈の妻や娘からも距離を置かれた駄目なオジサン=檜山正幸(ひやままさゆき)が 男親と女親の相容れない視点 政治に目を向けて仕事なおざりにする奴と家族に嫌われ同僚に蔑ろにされても仕事人間として生きてきた立場の違い等 色々対立深めながら民族&宗教紛争の最前線キプロス島で今も煽り役替えながら続く陰惨な殺し合いに巻き込まれてゆく物語。 


とは言え泣いて喚いて罵り捲くるのは傍から見てると心底惨めな主人公(ヒロイン)だけ 端から住む世界が違うと相手にせず聞き耳すら立てないカメラマンのオジサンは勝手に動いて勝手に死ぬ 彼と現地の人々の死は何の意味も無かった 要点纏めてみたら、映画どころかドラマにするにも全く華が無いそんな物語なのですが 読んでる間はその世界に迷い込み散々振り回されてるから 前半の主人公(オバサン)による理不尽な八つ当たり場面すら我慢し読み進めればそこそこ楽しめるそんな作品でした。 ネットの書評閲覧してみると軍事基地で守られてるハワイやグアム果ては沖縄の方がマシだと抜かすお馬鹿ちゃんが居たりして思わず失笑しますが似たようなモンです 当事者くたばってるのに今更ぶり返してどうするよ。


広島・長崎の原爆被害者慰霊式典. 沖縄戦慰霊祭. 太平洋戦争戦没者慰霊式典でアベ辞めろーと頓珍漢な騒ぎやらかす自称日本市民とやらを除けば、民族主義や宗教使った憎悪の刷り込みによる復讐の連鎖と無縁で生きてゆけるからこそ そんな考えや生き方をくだらないと切り捨てる事が出来るのですからね 平和呆け? 海外の事情知らない引き籠もり? 当事者でも無い第三者が余所の問題解決したらその国で長年無意味に殺し合ってきた奴等は何の為に生きているのかねと私は返します。 


人は他人に扇動されたり憎悪に操られる限り賢明な人(ホモ・サピエンス)には成れません WFPが幾ら食糧支援しようが国連軍が派遣されても餓死や戦争に疫病、環境破壊が終わらないのは当り前の事 警告しても手を伸ばしても救えない者は存在します 私は24時間テレビみたいな弱者を見世物にする連中に言われるがまま身銭切り 見ず知らずな遠いアフリカの難民助けるぐらいなら目の前で救いたいと思った相手 捨て猫や犬 そして可愛いい女の子を助けた方がよっぽど正しい事だと思うんですがね ではあらすじへ、原作そのまま整理してもアレなんでちょっと趣向を変えました。



【 宝物を見せてあげる……鳥籠から出てきたのは少年の親友イスメットから託された1羽の大きな灰色のインコだった。トルコ側とギリシャ側 2つの民族に別れ互いに憎み合う様けしかけられる島の人々 貧しい壁の向こうから兵士達の目を掻い潜り、この村で働いていたトルコ人の少年を密告し逮捕させたのは彼の母親だったらしい 捕らえられたイスメットが何処でどうしているのかは誰も知らない 僕たちは本当はみんなキプロス人なんだ 周りの国の人達が民族や宗教を利用して僕たちに戦争をさせるんだ。 籠から抜け出し肩に攀じ登ったインコはカメラのシャッターに驚いたのか空へと舞い上がる 前にも逃げたけど必ず帰ってくるよ そう言い張る少年は果たして紛争を生き延びる事が出来たのだろうか? 】


★小説出版からほぼ20年 キプロス周辺はイスラム原理主義との戦いが続くシリアやイラク 豊富な海底油田や水産資源に目を付けた中共勢力の侵略 未だ大ギリシャ連邦或いはオスマン帝国の復活を諦めない有象無象による暗闘が続いてます。



 元戦場カメラマン 檜山正幸(ひやままさゆき)の遺作展が開かれたのは 何も知らない大手マスコミによりキプロス島をめぐる陰謀を告発し命を落とした悲劇の英雄として彼が祭り上げられて1年 大手スポンサー撤退により規模を縮小せざるを得なくなった女性誌サン・クレールのリニュアル準備が漸く終わった初夏の季節。 初対面から僅か6日間、互いに相容れない気持ちを抱きながらもリゾート・アイランドの美しい情景撮影とやっつけ記事の提出で終わる筈だった海外取材 国境地帯で起きた武装ギリシャ人デモ隊とトルコ駐留軍治安部隊の戦闘に巻き込まれ 結果的に瀕死の彼を同僚として看取る事になった私=平林響子(ひらばやしきょうこ)の弔事と寄稿文は写真展に掲示され 後日出版される事になっている檜山の写真集に転載される事になっている。 



バブル崩壊〜出版不況時代に多くの同僚が退社し、気が付いたら10歳年上のキャリアウーマン=菅森(すがもり)編集長の補佐役の様な立場に居る主人公(きょうこ) 若い頃はその容姿から編集部のナウシカ呼ばわりされていた彼女も既にアラフォー 海外取材は若手に任せ、会社員の夫と小学校に通う1人息子の世話を義母に頼り 専ら国内旅行取材やタイアップ契約結んだ旅行会社と航空会社との細かな打ち合わせがメインとなっていた響子が海外取材に出張る形となったのは様々な不幸な偶然が重なった結果。

 

2000年代初頭 東南アジアやハワイ・グアムのリゾート施設なんかは、国内の仕事干された日本人従業員やインストラクターが出稼ぎに出てて下手な国内リゾートよりもサービスが徹底しリピート客も多かったりするのですが 逆にヨーロッパやイタリアにギリシャはボッタクリや観光客への嫌がらせが多発 どんどんリピーターが消えていった時代 飛行機に荷物預けても途中で行方不明なんて事態はザラ 途中合流する筈だった現地に慣れたイケメン=宗道靖(カメラマン)は急病でダウン 変わりに現れたカメラマン=檜山正幸は極端な方向オンチでまとな会話が成立しない冴えないオッサン 中国人呼ばわりし屋内レストラン入店を断るホテルマン 英語が使えない観光センター 漸く借りれたレンタカーはクーラーが壊れてるしガイドを買って出た檜山の話は陰鬱なモノばかり まあ中盤以降辺りまで地味に主人公のヒステリックな振る舞いにイライラ来る描写続きますからバッサリカットしますが 


物語がきな臭い雰囲気を漂わせ始めたのは 風光明媚な場所には明らかに場違いなロシア人が男達ばかり乗ったマイクロバスでウロウロしている光景を目撃してから フレンチやイタリアン料理ばかりのホテルと違い、街中のレストランはロシア料理を出す店ばかり キプロスやギリシャ本国出身の修道士や修道女に司祭達は此処10年あまりで居なくなったり小さな教区へ引越していったと住民は話す 何時の間にかジョージアやウクライナ出身の修道士に入れ替わったギリシャ正教教会を出入りする不審なトラックやライトバン 荷台に積まれているのはリフォームの為の建材や敷地内で収穫が始まったばかりのワイン用の葡萄だと司祭は話すが 何故か其処から香るのは嗅ぎなれない油の様な臭い 島に乗り込んで来たギリシャ人右派政治家によるトルコ人排除を呼び掛ける扇動活動。


未だ繰り返されるトルコ側国境侵犯者への銃撃事件や逮捕拘束も有り 徐々に分断の記憶や殺された家族の無念を晴らしたいと憎悪を顕にし始める住民達。 最後の一押しとなったのはカタツムリを捕まえるため暖衝地帯に潜り込んだ少年が射殺されたと言うニュース 彼の母親や親族を名乗る老人達の怒りの声に答えるかの様に始まった抗議デモ行進 だが偶然目撃したロシアンマフィア幹部の教会訪問に疑念を抱いた檜山の巻き添えになる形で取材を始めた2人が辿り着いた真相は意外なモノだった 確かに少年は射殺されていたのだが彼が撃たれた原因はその手に抱えられた東欧製の自動小銃だったのだ 暴力的なデモ隊とキプロス警察の衝突を避けながら雑誌の取材を続ける主人公達はちょっとした手違いから国境を越えてしまい デモ隊を取材に来た大手海外マスコミの記者達と共にホテルへ軟禁。 


時折カメラ抱えて独り姿を眩ます等、怪しげな行動のみならずビルマ.アフガニスタン.イラクにも撮影に行ったのに従軍カメラマンを全否定する檜山とは本当は何者なのか? まあ真相明らかになると何じゃそりゃとなる駄目人間振りとか小説帯に記載されたあからさまに嘘臭いロマンスがどうこうとかの描写は……正直言うとかなり面倒くさいし世知辛いので原作読んでねと書いときます。 色々有って様々な携行火器を大量に隠し持っていたギリシャ人デモ隊は遂に民兵の姿を顕にし トルコ軍国境警備隊やキプロス警察に刃を向けるのですがまともな射撃訓練もやってない素人集団は実戦経験も積んでいるトルコ側やキプロス警察の敵では無い 国境警備隊に護衛され空港へ脱出を計る2人はちょっとした手違いで住民が逃げ出したアパートに孤立 助けを求め危険を覚悟の上で外に飛び出した檜山は民兵が誤射した迫撃砲弾の餌食。


暴徒を煽った死の商人達の決定的な証拠を押さえたフィルムは 惨めに事切れた檜山から頼まれた約束を果たすため 前日ホテルで共に不便で不快な夜を過ごしたAP通信の特派員ブライアン・ボーディンに託された。 安全な場所でキプロス警察の公式発表を参考に記事を書き綴る 日本の大手マスコミの新聞記者や特派員の接触から残された撮影フィルムを必死に守り 報道聞いて慌てて電話掛けてきた職場の上司や同僚 夫や義母の心配や頓珍漢にも程が有る励ましをいなしつつ 国連軍に保護される形でロンドンへ脱出 日本へ戻って来れたのは其れから20時間も後の事。 檜山から託されたカメラとフィルムケースは雑誌用に撮影し分けられた物を除き 彼の家族の元へ送る もし直接、檜山の妻や娘に合えば余計な事を口にしキマズイ思いをするかも知れないから全て宅配便に頼み込む。


あの騒乱による犠牲者は南北双方で100名を越えた。 主な犠牲者は双方の一般市民が中心で外国人の死者は檜山正幸のみ ロシアマフィアの構成員達と共に暴徒に武器を配り武装蜂起を呼び掛けた極右組織フィリキ・エテリアの代表クリストス・モストラスはデモ隊制圧直後に忽然と姿を眩ませたらしい 恐らくロシアかアゼルバイジャンに潜伏しているのではと報道される 結局キプロス島の観光スポットを紹介する雑誌企画はお流れとなり 程なく檜山の死はマスコミ各社で報道される アギオスステファノス修道院の書庫から押収されたのは大量の武器弾薬とプラスチック爆弾 キプロス人の修道院長とロシア系修道士や修練士等9名の聖職者がテロリストとして逮捕されたと言う



平林響子(ひらばやしきょうこ)が招待状を手に檜山正幸(ひやままさゆき)の遺作展を訪れたのは事件から1年後 まだまだ残暑が厳しい季節。 世田谷のギャラリーに展示されているのは彼が白黒フィルムで撮影した遺跡や1974年の内乱で放棄されたトルコ人集落の跡地を撮影したプライベート写真や 結局雑誌に掲載される事の無かった美しい風景や料理に土産物屋の装飾品等 そして6日間の旅で知り合った市井(しせい)の人々の穏やかなポートレート やがて展示された写真はあの事件を捕らえた悲惨な光景が並べられる。 彼女が寄せた弔事と寄稿文は出口近くに展示された1枚のポートレートと共に並べられている 撮影を終えてリキュールグラスを片手にただ夢を見ているかの様な幸福な表情を浮かべるその写真は見た事が無い彼女自身の顔 


カメラの向こうに垣間見える檜山の笑顔が見えた様な気がして響子は何時までも其処に立ち尽くすのだった。




取り敢えずダンまちは外伝や映画辺りまで纏めて掲載進めて 息抜き兼ねて書いた映画や小説の紹介は割り込み投稿で進めます。 


2020年8/28追記:先日のレバノン爆発事故のみならず香港や中国本土から逃げ出す中国人大富豪達の為に国籍売るキプロス……ただでさえも危険地帯に囲まれてるのに大丈夫かな?

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