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廃院のミカエル 10年

2020年7/24〜7/25タブレット端末にて執筆し午後脱稿 午後3時投稿

【 硬蜜(こうみつ) 或いは 皇蜜(こうみつ) と呼ばれる常温でバターの様に固形化する幻の蜂蜜の捜索と 知恵の神或いは悪魔と恐れられた幻の天才が描き残した聖像(イコン)を巡る謎解き イタリア同様、宗教施設見学を目当てにした観光ツアーと野放しになった馬鹿のせいで本来の文化や人々の自尊心等々、生きるのに大切なモノを何もかも滅ばされたギリシャのど田舎を舞台に とある修道院と村を滅ぼした疫病騒ぎに巻き込まれたのは 家族や会社に捨てられたプライベートもボッチ臭漂う3人の日本人男女と1匹の野良犬 いっその事ブラックユーモアに仕立て上げればそこそこ楽しめた筈ですが ノリは火曜サスペンス劇場風味の海外ロケ版になりました。 】


★ホラー物の定番とは言え 自らの行動でわざわざ不幸招き寄せておきながら "不幸だ〜(=_=)" と泣き喚くアホウな登場人物ばかり出てきますから 思わず本物の不幸を味あわせたくなるのは世の常ですよね そんな話です。


日本 多分サスペンス小説

但し自爆野郎或いは女郎しか出てきません

英題:ARCHANGEL MICHAEL OF THE RUINS

篠田節子(しのだせつこ)

小説すばる 2008年10月〜2009年8月 掲載

集英社 出版

2013年 文庫化



 本来ならその昔、一斉を風靡した "笑う犬の冒険の小須田部長シリーズ" のように、多少自業自得とは言えストーカー行為バラされた不倫上司の逆恨みとか 会社の不祥事を握り潰したい経営陣主導によるモラハラにしても此れは洒落にならんとなる命がけのサバイバルを生き延びたヒロインが 国に逃げ戻り生活再建する資本金すら残ってない土壇場の状況下 まんま "オズの魔法使い" を彷彿とさせる御同輩の負け犬+本物の駄犬引き連れ 物価激安な筈の中共ですら1瓶の価格が滅茶苦茶な幻の蜂蜜 正体不明の天才絵師にして修行僧がギリシャのど田舎に描き逃げした幻の名画=聖像(イコン)を巡るミステリー 果ては 只でさえも老人ばかりで滅びの道まっしぐらな限界集落や家畜や水鳥を殺し尽くす "武漢コロナ" そのものを彷彿させる謎の病を巡るパニックに巻き込まれるドタバタサスペンスになる筈が 


お供2人 嫁どころか相手の血族全員がメンヘラで新興宗教に嵌った地雷案件だった為に 絵画修復師の経歴やら実績やらを滅茶苦茶にされたオッサン=吉園(よしぞの) 過去にどんなトラウマ事案が有ったのかはっきりしないけど なにもかも死んだギリシャ人の旦那に依存して来たヒドイン=綾子(あやこ)の真っ暗闇にも程が有り捲りな挫折とメンヘラ行為の詳細 果てはこんなど田舎で信仰では無く "神の権威" に縋り、引き籠もり清貧生活送る信者どころか自分すら救えない外国人修行僧(クソぼうず)の泣き言を延々と読む破目になり思わず誰彼関係無しに海兵隊式に罵り蹴り飛ばすブートキャンプ開催したくなるそんな物語になってしまいました。 


まあ普通にホラー小説だったら此れは此れでOKだったんだけど 雑誌連載だからクリフハンガー方式で展開繋げないといけないし1冊に纏めるとチグハグな印象与えるのは仕方無いかな? ばら撒かれた伏線がクライマックスで漸く繋がる時、思わず感動すら感じる時も有れば何だこんなモンかと失望に似た感情を抱く事もある 展開が両極端で正直らしくない作品です 最後は何とか綺麗に纏まったものの途中までは読んでて眠気が酷かった。



【 抜け目の無さと押しの強さ 食品輸入会社で12年に渡り営業職を続けて来た主人公=美貴(みき)の人生は詰んでいる 気が付けば女独り30代 不倫関係清算しようとしたら逆恨みとパワハラでレバノンへ島流し⇒内戦に巻き込まれた末にあれやこれや有って今じゃ実質無職 手持ちの財産とそれまでのキャリアで培った人脈を活用し起死回生の逆転を狙い訪れたのは11月のギリシャ=アルバニア国境地帯 そんな彼女が探しているのは硬蜜と呼ばれる幻の蜂蜜 本来の原産国が環境汚染とモラルハザードで尚更入手困難となっている以上 生産者や流通ラインを押さえれば独立創業も夢じゃない 】


★硬蜜 : 中華人民共和国 雲南省の希少植物 ヤハシからしか採取出来ない幻の蜂蜜 詳しくはグーグル等で検索どうぞ 私も1度……しかも耳かきの先っぽ程度しか食べた経験御座いません 正直美味いかどうか分からんかった。



 生き馬の目を抜く様な業界で稼いだ12年のキャリアを台無しにしたのは、妻子有る4つ年上の上司とやらかしてしまった不倫関係。 愛欲に溺れた彼女(みき)が我に返ったのは30半ばになってから 穏便に別れる積りが相手の男がストーカー化してしまった為ににっちもさっちも行かず 証拠揃えて上層部に直談判 不祥事を隠蔽したい人事部と顧問弁護士を挟んだ長い長い話し合いにより何とか事態は収拾出来たものの ユーロ誕生で只でさえも極端な食材値上がりにより会社の経営は右肩下がり なまじ意地を張り早期退職を断った美貴が逆恨みの末に左遷されたのはレバノンの駐在事務所。 


面倒な礼儀作法の多い中東で何とかビジネスチャンスを掴んだ矢先に駐在事務所が現地法人国有化 トドメに内乱勃発で上司や同僚に置き去りにされたものの辛うじてベイルートからキプロスへ生還 だが気が付いたら会社は円満退職した事になっており お情けで支社から未払いだった給料を現地価格で貰う生活を続けていた美貴が目を付けたのは 支社でギリシャ語通訳兼翻訳係を業務委託されていた寡婦=キプロソプロス・綾子(あやこ)が仕事先で偶々手に入れお土産に持ち込んだ硬蜜(こうみつ)だった。 


間抜けな事に甘い物が嫌いで希少食材の知識が皆無な支社の元同僚達を出し抜く事に成功した彼女は渋る綾子に懇願 亡くなった夫の実家に戻る途中、数日だけ通訳として協力して貰う形で巻き込み ギリシャ北部・ピンドス山脈国立公園近くの地方都市に滞在し瓶のラベルに記された修道院の手掛かりを探す。 湖の側で偶然出くわしノコノコ付いて来る姿があまりに惨めだったから御飯分けたら懐かれた不細工な雑種犬ソクラテス とある理由で渡航しギリシャを放浪中、洞窟に住む隠修士から聞かされた恐ろしい聖像(イコン)の話を聞かされ 興味本位で此処を訪れたものの余所者や貧乏な観光客を露骨に忌避する地元民に閉口していた絵画修復師 吉園(よしぞの)もメンバーに加わり3人と1匹で始まった寒村探訪はオカルトめいた展開を見せ始める。


 11月を迎え観光客の途絶えた山岳地帯では数年前から異変が起きていた 寒い季節に老人が……特にこの辺りに矢鱈多い僧院で蜂蜜や僅かな穀物を糧に厳しい隠遁生活を送るギリシャ正教の修道士達がまともな医者どころか救急車も乗り入れ不可能な環境下、風邪や肺炎でバタバタ倒れ亡くなるのは珍しい話でも無いのだがその人数が激増 それどころか放牧されている山羊や牛に羊に蜜蜂 果てはこの季節湖周辺に集まる渡り鳥や野性の鹿までもが大量死していたのだ 家畜無しで冬は越せないと放棄された村と修道院 まともな整備されていない落石だらけのガタゴト道と深い霧 余りに数が多いから処理が間に合わずあちらこちらに転がる動物達の死骸と腐敗臭 時折血や内臓塗れになりながら其れを調べている防護服姿の男女達

 

廃棄されて久しい修道院で何かを閉じ込めた様な箱に魅せられた綾子は其れを持ち帰り決して手放そうとはせず 深夜亡き夫の名前を呼びながら悪魔付きの様なメンヘラ行為と錯乱症状を繰り返す様になり 医者を異様に嫌う彼女に懇願され修道士による悪魔祓いが行われた。 彼女が倒れたら英語しか話せない自分達は詰む 割とオカルト好きな美貴が掻き集めた魔除けの類いに露骨なまでに嫌悪感を顕にする吉園  元々古い絵画の修復に生き甲斐を見出し宗教美術は好きだが唯一神を信仰する権威主義と男尊女卑な思想に忌避感を抱いていた彼のオカルト嫌悪を決定付けたのは、元々情緒不安定気味な妻と義父母がのめり込んだ新興宗教 協議離婚が成立した直後に自殺未遂を起こし緊急入院した元妻 事情を知らぬまま理不尽にも彼を責める無責任な人々により吉園は休職に追い込まれたのだと言う


硬蜜の話はどうなったと呆れる読者を余所に始まる この地に海外の農業技術と修道院に様々なエピソードを題材にした聖像(イコン)を齎した悪魔的な修道士の謀殺未遂を切っ掛けに始まった呪いの伝承 亡き夫の喪にふくす為、終生モノトーンの服しか着ないと決めた綾子が 何故ギリシャ正教に盲信するのかという原因の説明 そもそもこの地方だけで発生している発症したら忽ち死んでしまう肺炎の原因は何なのか キリスト教独特の価値観=女子供や老人等、弱い者が死ぬのは当たり前 そもそも病気は神が与えた試練で有り信仰により大抵の病は克服出来る筈だと言い放つ医者が語る精神論


ちなみに武漢コロナが特亜地域にインド、アメリカやヨーロッパ、果ては中東やアフリカで猛威振るう理由でも有る。 多様性を否定し同調圧力やイデオロギーに染まった国程、パンデミックは止まらない (黒い笑)  


果ては何もかもこの地に余計なモノを持ち込んだ外国人を騙る悪魔が原因なんだと泣き喚く修道士達の 思わずグーで殴り倒したくなる無為なオカルト談義を延々と書き綴ってもお客様が無意味に疲れるだけだから 信仰や宗教価値観に敬意を抱きつつ物語を進める原作者の意向に添わないかも知れないが 敢えて糞巫山戯た形でネタバレをぶち撒けると 疫病の原因は信仰への依存とアフリカ⇒インド⇒アフガニスタン⇒オーストラリアの荒野へと自分探しの放浪生活の末にこの国に不法入国し、隠修士を気取るニュージーランド人マカリオス修道士が保菌者となりこの地へ持ち込んだカビが原因だった。 


原因となるカビを(マカリオス)が何処で拾ったかは不明だが、各地に存在する簡易宿泊施設や踏み入れた大自然に撒き散らされた其れは 各地で家畜や野性動物、果ては根無し草な貧乏旅行者(バックパッカー)の命を容赦無く奪い続けていたのだ 白人は文明社会の申し子だからと強気な態度と余計な荷物を持ち歩かず 弁護士に訴えると泣き喚けば何処の検疫も大体顔パスで通してくれるトホホな検疫体制が招いた人災としか書き様が無い。 日本と違い神の前では魂偽るなと馬鹿げた規律を課す修道院では風呂や身嗜みの類ですら清貧と信仰の妨げとなる  元々外の世界から目を背け "私達は下賤な存在では無く神に推挙されるエリートだと" そんな感じで生きて来て耐性菌すら持たない信仰者達が敢え無く病に掛かり命落すのは必然の理でしかない。


なお、吉園が追っていた肝心要の聖像(イコン)については 秋葉原系のエロマンガレビューや18禁ゲーム紹介する雑誌等で有る程度耐性付けてる連中にしてみれば失笑必至なオチとなるので敢えて具体的には此処には記さない 世俗の様々な欲望や誘惑を振り払い神の御元で功徳を積み重ね 天使を目指すのがギリシャ正教やカトリックの修道士らしいが暗殺までされかかった無名の天才が残した絵は彼等が罵り否定する欲望の愉しさや美しさを描いたモノだった。 但し古典的な平面画像で描かれたこんなモノに悪魔的だと否定し忌避する輩は 某反日のオピニオンリーダー○氏のような多分童貞のまま今に至るか境界性人格障害を患った類とその崇拝者ぐらいのモノだろう まあ高々2次元でエロだ卑猥だと騒ぐ権威主義の精神疾患疑うポリコレ馬鹿は悲しい事に何処の世界にも何時の時代にも存在する。


悪魔付きを思わせる症状を引き起こした綾子の其れは 無理心中を図り結果的に夫を殺した罪悪感から来るモノだった アメリカやヨーロッパ以上の厳格なキリスト教&民族主義社会の上流階級で育ち挫折を知らなかった夫の出家宣言 実際の所その大半=圧倒的多数は厳しい戒律に耐えられず敢え無く挫折し長くとも数年程度で還俗し元のさやに収まるモノなのだが気弱な夫をそもそも信用すらしていない彼女は早まっただけなのだ。 事件解決に辺り主人公が目撃した説明に困る幻覚や幻聴は果たして何だったのか………その気になれば納得出来る説明も出来るのだが 何もかも明らかにするのは野暮と言えるだろう。


密入国者でしか無い自分に養蜂のノウハウを教え込んでくれた修道士達の恩に報いるため 硬蜜を作る特殊なカビに耐性を持つ蜜蜂を再びピンドスへ 駄目犬ソクラテスが懐いたマカリオスに借りを作った美貴は 硬蜜を武器に再び情け無用なビジネスへ乗り出す決意を固めた。 壊滅した修道院を復活させるには何はともあれお金は大事 販路は世界中に存在する。


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