インドクリスタル 後編 14年
2020年7/22〜7/23タブレット端末にて執筆し午後脱稿 即日投稿
オチの纏め方がイマイチなんで気が向いたら後日直します にしてもセミがトーンダウンするぐらい暑い 只今気温32度湿度70%近く 溶けそうです(笑)
【 人買いに皮肉にも "薔薇" と名付けられた少女は主人公藤岡に保護?されるまでの16〜17年間 どんな人生歩んだのか 此処で敢えてストーリーとは別に列記しないと何故彼女は何もかも滅ぼそうとするのか多分理解出来ないかも知れません とは言えそんな体験想像も付かない人生歩んで来たボンクラ物書きに其れを相手に伝える事が出来るのか あらすじ本編に組み入れると物凄く文字食うから まずはあくまでも客観的に此処に列記し書き残して置きます。 】
★まあアフリカ/中東/南米なんかじゃ珍しくも無い話だし そもそもこの物語はフィクションですが親に売られた貧困層の少女に待ち受ける陰鬱な未来や テロリスト達に人間爆弾に仕立て上げられる子供達の話はリアルタイムで繰り返されている現実です 日本オワタと叫んでるアホには理解出来ないでしょうが海外の其れは悲惨としか書けないのだよ。
ロサが人買いに売られ生き神様になった経緯については前編で簡単に記したから其れ以降の彼女の証言と第三者の傍証から始めよう 先住民の下層階級から宗派も見た目言葉も異なる先住民が暮らすクーディ村で権力者にとって都合の良い傀儡=生き神様に祭り上げられた彼女が味わったのは 泣く事も笑う事も許されず毎日決められた餌とスケジュール 風呂やトイレに着換えすらも自分では出来ない生活 文字の読み方は教えて貰えず祝詞を始めありとあらゆる言葉は口伝で暗記させられ 間違えれば苛烈なDVが待っている中、ロサが手に入れた能力は相手の本質を見抜き隙間に入り込む手腕 だが憎悪の末に能力を開花させ "本物の生き神様" となった彼女に恐怖を抱いた司祭達はロサを放逐
人買いを通し再び実家に送り返された彼女は家畜小屋で裸で生活 時折夫の目を盗み食料差し入れる母により餓死だけは免れたものの 家事も畑や家畜の世話も何1つ教えられなかった彼女は糞尿に塗れ文字通りブタや山羊以下 そんなある日武装した男達=イスラム原理主義者に拉致され (とは言え村人も両親も動かない辺り察して下さい。) ロサは彼等のキャンプでイスラムの徹底的な洗脳教育を受ける やがて他の少女達と共に神の花嫁に選ばれた彼女は異教徒を殺し天国へ向かうために爆弾を括り付けられた
ちょっと痛い思いをするだけで何も考えず楽になれる 地元の名士チョードリー家の披露宴に潜り込んだ彼女は命令通り起爆スイッチを押した 重症を負い生死の堺を彷徨ったロサは命を助けてくれた老婦人の義理の息子宅に見習いメイドとして預けられるが 嗜虐趣味を掻き立てられた当の息子にレイプされ傷物に その後街の職人の後妻として縁切りされる途中、またしても逃走中のイスラムゲリラに遭遇し口封じされそうになるが老婦人が助けてくれた。
たが亡くなった彼女の弟=チョードリーは典型的な屑そのもの 彼にしてみれば得体の知れない疫病神を引き取ってやったんだ 殺されたり捨てられるよりマシな生活与えてるのに何故傅かない 彼女にとってこの世界は憎んでも飽きたらない地獄そのもの だから何もかも破壊する道を選ぶ だけど彼女の為に様々な生きる術を与えてくれた藤岡だけは何故か距離を保ち決して内面には踏み込んで来ない 心地の良い距離感 だから彼女は主人公だけは奈落の底へ突き落とさなかった。
■第2章 アンダー・ザ・テーブル
ロサ=スレッシュ・サワラディと言う新しい名前 (但し長いしややこしくなるから本編ではロサのまま進めます) を与えられた少女が狭間通信科学インド・デリー支店の正社員見習いとなってから数ヶ月後
藤岡は日本式のビジネスルールに拘る義父に急かさせる形で再びインド・クントゥーニ地方を訪れる 3月のインドは選挙の季節 其れは競合相手候補やその支援者に対する買収や脅迫 暗殺に爆弾テロ、果ては営利目的も兼ねた拉致監禁の季節でも有った。 そもそも前回のお忍び視察で何故爆弾使った待ち伏せ攻撃が未遂とは言えある程度成立したのか どうもチョードリーの周りには彼の動向を外部に伝える密告者が居る可能性が極めて高い 辺境の街に現れる様になった自称外国人観光客や得体の知れないフリージャーナリストに国連NGO団体を警戒する地方警察官部隊の検問 クントゥーニ地方の地権者を名乗りチョードリーに敵対するカメシュワールの1族とその私兵達
廃墟と化した宗教施設が遺されたジャングルに潜伏し 異民族の侵略や宗教弾圧を逃れ続けた隠れ里=コーディ村にもカメシュワールの魔の手が及んでおり 妻子をレイプする形でロケスを拷問、僅かな情報を手に入れ強気の態度を崩さない次期党首との交渉はモノ別れに終わる。
村を独り闊歩する自称観光客を名乗るイギリス人の質問を躱しつつ村を離れた直後、警察官に変装した謎の武装集団によりチョードリーと2人の護衛が誘拐された 最悪の事態を想定した彼の配慮で使用人の扮装で口を挟まず交渉現場に立ち会った主人公と運転手は解放され 事態を告げるため別荘へ向かうが地元警察は賄賂次第で簡単に裏切るから信用出来ない
誘拐は此処じゃ日常茶飯事 金さえ払えば人質は必ず解放される筈
別荘に駆け付けたチョードリー最後の肉親となった三男はそう呟くが 糖尿病の発作を起こした彼は遺体となって送り返される。
誘拐&殺人事件を引き起こしたのは謎のイギリス人=先住民の自立支援を続けているインド国営NGOサンガ・リサーチの調査員 ジョン・ドナヒュー と現地スタッフだと判明 村人達に容赦無い暴力を振るい女性達をレイプするカメシュワール家と敵対する彼等はクントゥーニが有るこの州の議員再選を狙う政治家 バゲル や地元警察を味方に付け 勘違いからチョードリーを誘拐 彼が糖尿病とは知らず事故で死なせてしまったらしい このままでは治安当局の介入と欲に目が眩んだ愚か者達により村は滅ぼされ大事な商売は振り出しに戻ってしまう この地独自の言語を話せない藤岡は交渉を続ける為に必須な "信用出来る通訳" を求め1時帰国 (交渉金準備) の後、再びインドへと舞い戻った 徳永に事情を説明し支店の通訳を借りようとするが揉め事にか関わる事を恐れた現地スタッフは軒並み尻込み
通訳の才能を持ち危険な仕事に志願してくれたのは、アメリカ留学を控えていたロサだけだった 約束を破る形になるが彼女を疫病神と恐れる者は "最早誰1人この世に居ない" クントゥーニに舞い戻った2人は有象無象の陰謀を叩き潰す。 カメシュワール家とイスラム原理主義勢力のバックアップを受けながら何食わぬ顔でサンガ・リサーチやコーディ村に暮らす人々の味方面していたバゲル議員への脅迫 (長くなるから詳しくは本編どうぞ) 粗暴なカメシュワールの次期党首の本質を見抜き 生き神様時代に培ったハッタリ?と記憶力で心を折るロサの活躍 本当の目的は断じて白状しないがフェアトレードに拘る主人公の交渉術により コーディ村に暮らす村人達は余計な中抜き無しで水晶を集められる事業に参加する事になる。
だがその過程で元人間爆弾=テロリストの過去が暴かれたロサのアメリカ入国は不可能となる。 主人公はドナヒューと交渉、コーディ村への資金援助 チョードリー誘拐の事実を公表しない事を条件に 彼女のオーストラリア短期留学を認めさせる こうして物語は大団円で終幕を迎えるかに見えたがカメシュワールは未だ利権独占を諦めてなど居ない 物語は混迷の度合いを深めてゆく。
■第3章 スラム
採算なんて機械でトン単位で掘り出しても割に合わない水晶原石の手掘り採掘事業は 原石の目利きが出来る異才を持つロケスの協力 利権を狙う地権者の中抜きを避け銀行振込等による政府介入の隙を見せない主人公による村長&採掘者への直接買付け&現金支払いにより軌道に乗りつつ有る フェアトレードの条件を厳守する主人公により数年がかりで利益を生み出した其れは 雨期に水没せず泥濘に塗れない道路と橋 丈夫でコンクリートと南京錠や鉄扉で守られた水晶保管庫のみならず村そのものに多大な利益を齎した。 高精度のマザークリスタルから生み出された水晶振動子の国内&海外特許取得は難航を極め其れなりに歳を重ねた藤岡は徐々に現場買付けを後進達に任せる様になる 徐々に品質が落ち出した原石 本社工場に大損害を齎した静岡を震源地とした地震による大震災
ロサが留学しているオーストラリアでは 次々と送り込まれるインド系留学生に敵対心を抱いた現地大学生や 相変わらず白豪主義から抜け出せない愚か者達による暴動や暴力事件が多発しているらしい 主人公が再びクントゥーニを訪れたのは震災から7ヶ月後 10月を迎えた街の風景はインフラ整備により激変している 道路が泥濘により通行止めになる事もなく予想より早く現地に到着した主人公はロケスから村人達が次々と原因不明の咳や肺炎に悩まされていると聞き粉体吸引による労働災害を疑うが彼等の症状は明らかに其れを逸脱している。
直接買付け日本へ送った筈の原石のすり替え事案 運搬を請け負った担当者との連絡途絶を受け再びインドへトンボ返りした主人公を出迎えたのは見違える程に成長し褐色美女となったロサ 4年振りの再会と近況報告により発覚するサンガ・リサーチ内の路線対立による留学事業撤退 目先の儲けに目が眩んだコーディ村の住民達の裏切り行為 カメシュワール家の変わり者で下層階級の嫁と流民が多く住むスラムで暮らしテレビの販売で生計立てるラージェンドラからの警告…………先住民を信用するな彼等は私達と同じ人間なんだ。
此処の水晶は良くない 掘り出す人に 持ち出す人に 持っている者に きっと良くない事が起きる
ドナヒューと共に現れ主人公に警告するロサ だが裏切りに激昂する藤岡は耳を傾けない 日本の工場では偶々見学者が持ち込んでいたガイガーカウンターの針が振り切れる事件が起きた 元凶はコーディ村から持ち込まれた水晶 ロケスだけでなく採掘に関わった全ての人々に蔓延する明らかな放射線障害とその死 真相に辿り着いたラージェンドラによる主人公の本当の目的がぶち撒られ 水晶振動子の利権を狙い動き出す有象無象が動き政府命令で水晶採掘は中止に追い込まれる。
私を受け入れてくれる世界は何処にも無かった 私はバケモノなんだ インドから離れるべきだそう訴える主人公に逆らい オーストラリアで絶望を味わったロサがスラム街の寡婦達と始めた住民運動。 馬脚を顕にしたラージェンドラ達によるロサの拉致監禁 だが誰も魔女と恐れられる彼女を傷付ける事が出来ず 裸でジャングルの湿地帯に置き去りにされた彼女は数週間後 迷彩服にブーツを履いた姿でスラム街への生還を果たす 利権争いの中心人物となり政府のマークも入り中々インドへ戻れない主人公 国内では老境を迎え引退を考える義父の後継ぎとして多忙な日々に振り回され無為に時は流れてゆく。
■第4章 光彩
合弁会社コドゥクリスタルの経営は新たな交渉相手ラージェンドラとの契約によりカメシュワール達地権者の介入は無しとなった 集められたスタッフはインドのカースト制度や血縁主義を排除したクントゥーニの人々 元々スラムだった新しい村に井戸や手押しポンプを供給し民意を掌握したのは合法的な侵略を開始した共産主義者と手を結んだバゲル議員。
久し振りにインドを訪問 現地視察に訪れた主人公は採掘現場が未だ放射線対策をおこなわず集められた有象無象の貧困層を使った作業員の使い捨て 大小の施設建設で死傷者が出た事実を報告しないラージェンドラに激昂するが 聞く耳を持たない彼の態度 旧スラムで寡婦達の味方を続け主人公にも憎しみの眼差しを向けるロサとの再会に戸惑いを隠せない こんな形で採掘を続ければ間違いなく破綻が訪れる 藤岡が抱いた懸念が現実のモノとなったのは程無くの事である。
見せたいモノが有る ラージェンドラが主導した村人への性的暴行の証拠写真 ロサを拉致し犯そうとしたがハッタリに怯え裸で捨てられた体験談 中国で育てられた共産系武装集団のリーダー・ゴパルにより保護されジャングルから奇跡の生還を果たした彼女は主人公だけを安全な場所へ誘導 そして大虐殺が始まった 採掘現場で働く鉱夫達やスラム街を掌握したゲリラ=ナクサライトの武装蜂起は 憎悪を募らせた民衆の制御に失敗 工場のみならずラージェンドラとその家族 カメシュワールを始めとする地権者達を血祭りにあげる 組織のリーダーを身体使って懐柔し何もかも滅ぼしたロサは処刑が決まった主人公を敢えて逃がし姿を眩ませる。 結局ナクサライトは状況を知り急行した政府軍により虐殺に加担した村人やスラム街の流民共々殲滅された。
そして2年の月日が流れ去る
山峡ドルジェは様々な技術革新により天然水晶を殆ど使わない人工による高品質な水晶振動子の開発に成功 コストは跳ね上がるが望む原石の供給は最早不可能 ならば今有る在庫を引き伸ばしながら完全に人工で生成された水晶振動子の開発を目指すしか無い 生還以降中々会う機会が無かった徳永が郵送して来たのは政府弾圧を生き延び南米で共産主義ゲリラを続けるゴパルが綴ったクントゥーニ事件の裏側を明らかにする告発本。 詳しい描写は申し訳無いけど原作楽しんで貰うとして自分以外にもロサに人生を迷わされた間抜けが居たのか その事実は何の慰めににもならなかった。 憎しみに操られ絶えず道を間違え続けた彼女 老境を迎え漸く判明した消息 相変わらず人生を間違え続ける彼女に手を差し伸べようと長い手紙を書き記す主人公 君の物語は未だ始まってもいないんだよ……………………………そんなちっぽけな世界で絶望している暇は無いし 歳を重ね経験を積めば価値観も変わるんだ。
天然水晶を巡る少しばかり陰惨で血生臭い物語はこうして幕を閉じた。
本編とは無関係な時事ネタですが大阪からノコノコやって来たコロナ患者が逃げやがった(怒) ふざんけんなGOTOキャンペーン




