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ふたつの名前を持つ少年 13年

2020年7/7〜7/8タブレット端末にて執筆し午後脱稿 同日夕方18時投稿

テーマが陰鬱なだけに多分読まれない可能性高いけど開き直って投稿しときます

【 1942年〜1945年 此処に居れば何れ殺される 何としてでも生き残れとワルシャワゲットーから送り出された8歳の男児が出会い体験した人々の善意と悪意を描いたノンフィクション 今現在ANTIFA=アンチ・ファシストを名乗る自称NGOが黒人や貧困層にマスコミを操り世界中で暴力革命や略奪を呼び掛け同調しない人間をリンチしたり家や店を放火する光景見てると ナチスも共産主義も果ては1神教の狂信者達も "自分達に同調しない者は殺してやる" となる辺りアレは看板掛け変えただけの全体主義でしかないのだなとつくづく感じます。 】


★製作携わってるのが19世紀辺りから民族主義拗らせユダヤ人虐殺や国外追放に勤しんだドイツとフランスな辺り突っ込み所満載です。 子や孫も居る老境迎えたスルリックはともかくポーランド人やドイツ人に家族殺された原作者が出て来ないのは大人の事情かな。


原題:LAUF JUNGE LAUF

英題:RUN BOY RUN

逃げろ 坊や 逃げるんだ

ドイツ/フランス合作劇場公開作品

■但し初公開は嫌がらせも兼ねポーランド

2015年 日本劇場公開

原作はポーランド生まれのユダヤ人作家 ウーリー・オブレフ

取材によるノンフィクション小説 "走れ走って逃げろ 2001年"

翻訳版は2015年 岩波少年文庫より出版



 此処沖縄は朝晩の俄雨(にわかあめ)と言うよりスコールに近い其れを除けば日常会話もままならないアブラゼミによる蝉時雨(せみしぐれ)と立ちくらみ起こしかねない太陽光でず〜と汗が止まらず 昔懐かし "たれぱんだ" な状態ですが 100名近い死者行方不明者出した九州のみならず本州も大雨で河川がエラい事になってると聞きかなり心配しております。 なんせこっちにはあんな大きな川なんて無いから濁流見てるだけで寒気がね……兎に角御自愛下さいませ 自然には勝てません。


動画サイトで偶々見てしまった雄大な自然風景を描いた予告編 主人公(しょうねん)の目の前に広がる草原を埋め尽くす様にありとあらゆる車両で南へ向かうソビエト軍機甲師団に圧倒され そもそも此れがノンフィクションでユダヤ人少年の壮絶なサバイバルを描いた物語だとは知らないまま借りて来た映画です。 


DVDには予告編のみならず老境迎えた主人公(スルリック)=本名ヨラム・フリードマン本人も登場するメイキング映像がサービスで入ってますが何故か小説書いたホロコーストの生き残り ウーリー・オブレフ のコメントは入ってません 少なくとも逃げるチャンスが有った そして卑怯者に追い詰められたり殺されそうな危機をすり抜けただけでなく ユダヤ人の子供だと知っても親切にしてくれる大人も居た(スルリック)と違い 同じユダヤ人ですら信用出来ずゲットー⇒収容所送りとなり最終処分される寸前で兄弟共に辛うじて命拾った原作者 とは言えソビエト支配下のポーランドの孤児院で其れなりに地獄見た (戦後ユダヤ人虐殺始めたのはポーランド人 イスラエル追放が始まる1947年まで犠牲者は推定1000〜2000人 女子供に老人は絶好のターゲットでした。) ヨラムが何を考え どうやってイスラエルへの入国を果たしたのかについては謎が残るかな?


1962年 共産主義政権下のポーランドから海外脱出はかなり難しいと思うのよ。



【 良い作品なのかも知れませんが下手に感情移入すると相当辛い物語になりますので 割り切って自然風景を楽しむ娯楽作品として鑑賞するのが無難だと書いときます どうも原作の毒気入った場面 特に宗教思想の違いから来る憎悪の描写⇒実際の所ナチス・ドイツのSS隊員以上にユダヤ人を嫌悪し虐殺に加担したり土地や財産奪ったのは他のヨーロッパ諸国同様に現地ポーランド人だった事実が 敢えて客観的に描かれてるんだよなぁ。 ではさっさとあらすじ入りますね 不真面目で皮肉混じりなのは仕様ですのでご容赦を。 】


★私が抱くユダヤ人のイメージは黒髪に黒目がちな瞳 その程度で正直ポーランド人やドイツ人の区別も付きません そんな奴が書いたあらすじですので適当に読み飛ばして頂ければ幸いです。


☆本当はロシア軍⇒ソビエト連邦国軍としなければいけませんが 英語でもポーランド語でも彼等は今も昔もロシアンズですので字幕表記に準じます。



 其れは1942年〜1943年の冬の出来事 木の虚にシェルターを作り辛うじて寒さを繋ぐ少年の名はユレク・スタニャク 近隣の山小屋から暖かそうな外套を奪い取った少年(ユレク)はその持ち主らしいポーランド人男性に棒で滅多打ちにされながらも再び森へ逃げ込む 通報を受け現れたドイツ軍或いは自警団のトラック 半ば凍り付いた湿地帯を駆け抜け何とか犬を連れた追手を巻いたものの元々禄な食料も無い彼はパルチザンに入った夫と2人の息子の帰りを待ち続けるマグダ・ヤンチェックが暮らす農家の前で行き倒れた。


マグダに救助され眠り続けるユレク 彼が森で暮らす事になったのは今から半年程前の事 名前とゲットーから逃げて来たこと以外、前後の記憶を半ば失ったユレクは同じ様に家族と逸れ 子供達だけで集団生活をおこなうアルブム率いる7人のグループと遭遇 略奪の際ドジを踏み逃げ遅れたシュレメの後任としてメンバーに加わった。 捕まればその場で殴り殺されるか報奨金目当てにドイツ軍に売り渡され収容所送り アルブムにヨサレやイツェック グループ唯一の女の子ソフィアから鶏や魚の捌き方やポーランド人から身を守るための鉄則 倒木や落ち葉を使ったシェルターの作り方を学ぶ主人公(ユレク) 森には民兵(パルチザン)が潜んでいるからドイツ軍は滅多に来ない だけど銃を持つ彼等にしてみればユダヤ人も敵なんだ だから決して身分を明かすな


数ヶ月後 パルチザンとドイツ軍の戦闘に巻き込まれ崖下に転落したユレクは仲間と逸れ 二度と彼等に再会する事は無かった。



3日後、漸く意識を取り戻した主人公(ユレク)は彼を気に入ったマグダから ユダヤ人では無くポーランド人孤児に成り切る為の術を叩き込まれる。 事情を知る村人達に姿を見られたら報奨金目当てに密告される可能性も有る いざと言う時に拵えといた地下室への入り方 カトリック教徒としてのさり気ない日常の挨拶や料理のマナー 聖書の1説を暗記し割礼の其れは事故で手術した跡だと誤魔化し決して他人に下半身を見られるな 久し振りに屋根の下で飢えや凍死の心配をせずに眠れる だが少しだけ記憶を取り戻したユレクはゲットーから脱出した時に母や3人の兄姉(きょうだい)を置き去りにせざるを得なかった罪を思い出し魘される日々が続いた 


未だ春は遠いがマグダの家の周りにも密告屋がウロウロし始めた 盗むのでは無く孤児だと嘘を付いてでも農家に取り入り働いて食事を手に入れなさい 殆どの男が徴兵されたりパルチザンになっているポーランドなら小作人の仕事にあぶれる可能性は低い だけど長居はしない事 何処の村にも密告者は多いのだ 村を離れ散々な目に会いながらも漸く農家で下働きの住み込み仕事を手に入れた主人公 冬の最中親身に面倒を見ていたブタは春先に潰され軒下に吊るされ肉になる もしユダヤ人だとバレたら僕もそうなるかも知れない だがユレクの正体に薄々気付いていても知らない振りをする親方 人種なんざ関係有るかと働き者の主人公を気に入った2人の息子は実の弟の様に彼に接し ブタの内臓を使ったボールでサッカーのやり方を教えてくれたし 恐らく誰かに飼われていたらしい大怪我した犬もアゾールと名付けられ家族に加わる


 1943年の夏 野良試合に負けた腹いせに虐めっ子に下半身を剥かれ正体がバレた主人公は親方家族の手引きで村から脱出し再び森へ だが今回は食料も持たされたしユレクを心配し付いて来たアゾールも一緒だし大丈夫  だが銃を手に入れ英雄気取りのパルチザンに撃たれ主人公(ユレク)を守りアゾールは死んだ 僅かばかりのパンとチーズのお詫びと共に親友(アゾール)を埋葬したユレクは心折れた所を通りがかりの若い農民夫婦に保護されるが彼等の正体はユダヤ人狩り 地区を管理するアインザッツグルッペン (非ドイツ人や海外在住ドイツ人を集めたSS民兵組織 指揮官クラスのみドイツ人で仕事はユダヤ人やパルチザン狩り) の駐屯地に連行され 居丈高なSS将校にお前は嘘付きだと殴られてもユダヤ人で有る事を否定する主人公は 何故かその将校に心意気を買われ 隙を突いて逃げ出し沼地に追い詰められたもののわざと見逃して貰えた。


43年秋 収穫作業で賑わう街に辿り着いたユレクは小作人のパヘウに見付かり彼の紹介でドイツ系ポーランド人の女主人ヘルマンの元に身を寄せる 驚いた事に彼女の愛人はあの時のSS将校だったが主人公を気に入った彼は見て見ぬふり だが忙しい日々を過ごす中脱穀機に手を挟まれたユレクは右手を骨折 パヘウに抱かれヘルマン夫人とSS将校の運転するトラックで緊急病棟に担ぎ込まれた主人公だったが 留守を預かるナチズムに心酔する若い担当当直医は将校や看護婦達の懇願を無視し治療を拒否。 


翌週初老の医師が病棟に戻り廊下に放置されたユレクを発見した時には何もかも手遅れだった。 破傷風菌に犯され瀕死の主人公は辛うじて命を拾ったものの右手は肘から下を切断 嘆き悲しむ彼の心を支えたのはヘルマン夫人やパヘウにSS将校 そして彼を救った医師と看護婦に入院患者達 リハビリを続けるユレクを党本部に密告した若い担当医により将校は失脚し 病棟にはアインザッツグルッペンの兵士達が雪崩れ込むが 老医師を始めとする多くの看護婦や入院患者 そして病棟に駆け付けたパヘウの手引きで逮捕を免れユレクは再びマグダが暮らす村へ だが其処に現れた民兵達により村は焼かれ廃墟と化した 申し訳無いけどもうあなたを守れない 北へ逃げ何とかロシア軍の占領地域に逃げ込みなさい 片腕の無い主人公はあちらこちらで冷たくあしらわれ時には殴り倒されるもマグダから教えられたノウハウを駆使し糊口を凌ぐ



 1944年8月 森で寝泊まりを続けるユレクを叩き起こしたのは近くの草原を駆ける無数の車両とT34戦車 ロシア軍がやって来た。 喜びを顕に草原に立ち尽くす主人公に声を掛けたのは同じ思いで進撃を見に来た少女アリーナ 彼女の口利きでロシア系ポーランド人のコヴァルスキー家が経営する農場で職を手に入れたユレクは仲間達に認められる程の働き者となった。 ワルシャワ市街ではパルチザンとドイツ軍&SSポーランド人民兵による壮絶な殺し合いが始まり農場からも立ち昇る煙と轟音が響き渡るがロシア軍は何故か草原に待機したまま動かない 何故攻撃始めないの?とユレクを連れ度々差し入れを届けるアリーナの質問を必死にいなす軍人達(黒い笑) ワルシャワは文字通り廃墟と化し犠牲者は推定15万〜20万 其れ以外に少なくとも70万以上もの人々が難民と化し各地で野垂れ死んだ。


まあ何故ワルシャワ蜂起をロシア軍が黙殺したかについてはウイキペディア等で当時の補給体制や政治状況 前年43年4〜5月におこなわれユダヤ系住民推定59000名が酷たらしく見殺しにされたワルシャワ・ゲットー蜂起を参照下さい 敢えてそうしたのだよ。 流石にロシア系ポーランド人は略奪や虐殺の対象外 作業の合間にアリーナに水遊びに連れていかれたり其れをコヴァルスキー夫妻が温かく見守ったりとゲットー脱出以来初めて体験する穏やかで幸せな日々 1945年春にポーランドはロシア軍により解放された(苦笑) 農場では困難な時代を生き延びた若い小作人達の結婚ラッシュ 教会通いで地元神父と友誼を深め片手のみで器用にロープにぶら下がり祝福の鐘を鳴らす主人公


だが小作人の1人は薄々ユレクの正体を見抜いていた 農場は相変わらず平和なものの国の約半分=東部をソビエト・ベラルーシ領に併合された新生ポーランド共和国は混沌の極みに有った 絶滅収容所から解放されたものの今更故郷に戻れない囚人達 果ては裏切り者への報復殺戮が始まったベラルーシやウクライナに見切りを付け東欧諸国に押し寄せたユダヤの人々 特にポーランドには20万を越えるユダヤ系難民が押し寄せ ナチス占領期のドサクサに紛れ土地や資産を奪い取ったポーランド人達との抗争が始まっている。 今更同胞面して農場に現れたユダヤ人孤児保護センター職員フレンケルンに正体バラされ思わず顔面殴り倒した主人公だったが 半ば強引に車に乗せられ、その途中で戦前暮らしていた懐かし故郷ブォニエへ向かう道を発見 立ち寄る事に

   

パン職人の父と針子の仕事に勤しむ母 5人の兄や姉と幸せな日々を過ごした生まれ故郷ブォニエは戦火を逃れ多くの人々が行き交う街だった。 仲良しだった駄菓子屋の店主エヴァ・スタニャクとの再会により全ての記憶を取り戻した主人公 (ユレク)の本名はヨラム・フリードマン 民兵から逃げ回る途中偶然再会した父親はヨラムに偽名を与え 自ら囮となり射殺される形でヨラム⇒ユレクに生き残るチャンスを与えた 錯乱し泣き喚くヨラムを抱き締めるエヴァと立ち竦むフレンケル 記憶を取り戻したヨラムはユダヤ人として生きる道を選び孤児院へ向かう事になる。


そして物語は70年後 海辺で孫達のサッカーコーチを務める隻腕の老人ユレク=ヨラムの姿を映し出す 両親と3人の兄姉は失ったものの長姉ファイゲはロシアに嫁いでおり戦火を免れ30年後イスラエルで再会 1962年にポーランドを脱出しイスラエルの市民権を手に入れた主人公は同じく亡命者のソーニャと結婚 男女2人の子と孫6名  姉が生んだ親族達に囲まれる人生を送る。 2001年に出版された体験談の映画化により感謝すべき恩人も恨みをぶつける相手も何もかも居なくなった元祖国へ娘に介助されながら訪れたヨラムが何を感じたのかはメイキング映像で推し量るより他に無い。





にしても九州や本州襲った大雨早く止んで欲しいものです 野菜が高いと家計が尚更苦しいし ガンプラ買えません(……おい)

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