アメリカン・タブロイド 下 95年
2020年6/21〜6/24タブレット端末にて執筆し午後脱稿 同日午後3時投稿
やっぱりイマイチ消化し切れずトホホな文体になりましたが投稿します。
涼しくなってから続編含め再チャレンジ予定。
【 偉大で高潔なアメリカ合衆国大統領 高々独立=建国してから250年にも満たない成り上がり者同士が醜い脚の引っ張り合いしてる弱肉強食な無法地帯にそんなもん有る訳無いわな(-_-) まあそんなノリで日本ですらも未だ広告代理店が創り上げたイメージ戦略に騙されてるお馬鹿ちゃん達が多数存在しますが 実の所ケネディ家は権勢欲に塗れた典型的な上級市民でしか有りません。 虚実織り交ぜたこの物語が描かれた理由は何なのか? 久し振りに読んでそう考える様になりました。 】
★とは言え 歴史が有っても後世に受け継がれて無いから倫理観が皆無だったり権威主義拗らせて人も文化も腐った国ばかりですが……まあ何処も理想には程遠いかな(苦笑) 賢明なる人の邦は未だ道半ばと言えるでしょう あたしゃ先進国と聞くと虫唾が走ります 思い上がりも甚だしい。
☆"マリリン・モンロー" の変死に纏わる謎やソビエトがキューバに持ち込もうとした核のエピソードをカットした理由が未だ理解出来ません。 此れから手を付けるのだけれど続編で判明するのかね?
2020年6月後半 物語を分かり易く整理してみせる映画やアニメに比べ、原作者の個性が露骨に しかも間に翻訳者を挟まないとそもそも読む気にすらならない海外文学 特に滅茶苦茶多いにも程が有る登場人物達が色と欲に塗れコロコロと立ち位置が入れ替わる小説にかなり苦戦する事になりました。 そもそもこの物語の登場人物 特にピート.ケンパー.ウォードの3人がケネディ家 特に大統領まで登り詰めた ジョンFケネディ に抱いた殺意って明らかに逆恨みでしか無いんだよね(苦笑) 寧ろ後半戦のメインは誰かさんの密告で親子程歳の離れたヘレン (ちなみに前妻の娘の同級生) 結婚前提でお付き合いしてた幸せ生活を台無しにされマトモな再就職先が見付からず御年48歳であれ程嫌い抜いたマフィア専属弁護士に転身したウォードの豹変振りだったかと 呼気するかの様に人を殺してたピートやケンパーが最後には呑まれる程の悪意ってどんだけ闇落ちしたんだか
その明快爽やかな言動とは裏腹に下半身に節操が無く優柔不断で無責任な ジョンFケネディ 父親が裏で何をやってどう政治資金を集めて来たのか疑いもせず 小学生レベルの正義感を振り翳し事態を刻々と悪化させてゆく ロバート"ボビー"ケネディ アメリカ合衆国を扱った歴史教科書では不思議な事に度々都合良く省略されるピッグス湾事件に集約される愚かで稚拙にも程が有る、カストロ政権転覆計画 (ちなみに続編に続くらしい……後キューバ危機は本編省略) とかまあかなりゴチャゴチャした内容なんだけどこんな風に政財界のみならずマフィアや中途半端に推し進めた黒人に対する公民権運動 (なお南米や先住民は後回しにしたため本当に揉めた) の後遺症が今の民主党支配地域で起きている暴動や略奪行為に繋がるのかもと思わせる描写がね フィクションとは言えシャレにならん。
何にせよJFK暗殺事件に纏わる当時の秘密文書が閲覧可能となる2039年まで後僅か19年 実際明らかにされたら意外としょうもない真実だったりするのかも知れません。 てな訳でゴチャゴチャしまくりな後半戦に突入します。 なるべく整理し私なりの解釈やってますが理解出来なかったら御免なさい。
■第3部:ピッグス湾 1961年2月〜11月
ウォード・J・リテルがマフィア幹部ジュールズ・シフリンの邸宅を襲撃し手に入れたモノは暗号だらけのチームスター年金基金の帳簿 解読の末浮かび上がって来たのはケネディ兄弟の父ジョセフ・P・ケネディ・シニアと組合長ジミー・ホッファの爛れた関係 JFKを大統領に弟ボビーを司法長官に押し上げた選挙資金はマフィアと結託し運用していた裏金だった。 FBIに共産主義者との関係をでっち上げられた挙げ句、退職金も無しで放り出され 娘に見捨てられヘレンにも去られたウォードは帳簿の存在を匂わし辛うじて命を拾ったもののどん底状態
皮肉にもウォードの転機となったのは、Wスパイとしてケネディ家に潜り込む事に成功したケンパー・ボイドに紹介された 出生証明の不備を口実に国外退去を命じられたマフィア=カルロス・マルチェロのアメリカ再入国を弁護士として支援する仕事だった。 因縁浅からぬピート・ボンデュラントとの共同作業 殺されたFBIの同僚を窃盗犯に仕立て上げコピーが終わった年金基金帳簿の大半 (但しケネディ関連の14ページを除く) をマルチェロに引き渡す事でマフィア専属の弁護士として再出発を果たすウォード 年金基金の融資先は上院議員9名 下院議員140名 複数のノーベル賞受賞者にCIA長官や多くのマフィア幹部達 そして融資を返済出来ず殺処分された67名の犠牲者達 全員捜査がサボタージュされ未だ未解決 最大の出資者は勿論ジョセフ・P・ケネディ・シニア 彼の復讐は此処から始まる。
ピート・ボンデュラントはマフィア仕事の傍らCIAやキューバマフィアと共に始めた革命ゴッコにのめり込み解放軍の教官兼キューバ沿岸部へのテロ攻撃に参加。 だが4月17日に始まった1500名のキューバ解放軍上陸&カストロ政権打倒作戦はお粗末な展開を迎える。 マイアミに潜伏するカストロ派住民の密告 スポンサーの1人マルチェロの国外追放に纏わるドタバタ アイゼンハワー前大統領から計画を引き継いだものの航空支援に躊躇し 海兵隊派遣支援を断ったケネディ大統領のヘタレ振りに振り回され後にピッグス湾事件と称されるキューバ侵攻作戦は惨めな結末を迎えた。 挙げ句の果てにケンパーの仕事に関わりタブロイド紙に飛ばし記事を載せた事が切っ掛けとなり ピートが不在の時に上手く取り入ったモルモン教徒達の傀儡となったハワード・ヒューズから解雇されてしまう。
ケンパー・ボイドは司法長官の命を受け黒人団体が始めた公民権運動の支援を続ける傍らCIAやFBIから依頼されKKK (白人による黒人弾圧結社) を使った公民権運動の妨害工作を行う汚れ仕事を実行。 だが二律背反なその行動は徐々にケンパーの心を歪ませて行った 大統領と共にヘロインを打ち欲望のままに自身の娘ぐらいの女子大生を抱いたり 馬鹿げたパーティに参加し大統領と司法長官に群がるセレブ達と交流を続けても心に開いた空虚な穴は塞がらない ピッグス湾事件の際はカストロ派の麻薬密売人が黒人達にばら撒いているヘロインに毒物を混入させアメリカ政府のキューバ侵略を後押しする作戦に参加するも不本意なトラブルに巻き込まれ不法移民が屯するスラムで始まった銃撃戦に巻き込まれた。 結局スラム住民に奪われた毒物入りのヘロインで死んだのは間抜けなキューバ人が数人 重症を負ったケンパーは病院に担ぎ込まれる。
■第4部:ヘロイン 1961年12月〜1963年9月
マフィア顧問弁護士ウォード・J・リテルは司法長官に復讐の手を伸ばし始める ジミー・ホッファからの相談依頼を口実にピートや情報屋レニー・サンズ 果てはフーバーFBI長官を抱き込み始めたのは相変わらず下半身に節操が無いケネディ大統領に対するセックススキャンダルを捏造した強請り。 囮役としてスカウトされたのは以前私立探偵に依頼されとある同性愛者のスキャンダルでっち上げに協力した歌手兼ダンサー バーブ・リンスコット 妹をレイプし証拠不十分やアリバイ偽装で告訴すらされなかった4人の屑の内、警官になった1人を除く3名を殺してくれたタレント崩れのヤク中と結婚 離婚後も筋を通した元夫の生活を支え未だ治療中の妹のためにストリップ紛いのステージに立つ彼女に惚れたピートは紆余曲折の末彼女と半ば夫婦の様な関係となってゆく
偽りの睦事盗聴で判明したのは 母親違いの妹ローラ・ヒューズを裏切りケネディ家に取り入ったケンパーをゴミ虫呼ばわりする大統領と司法長官の偽り無き悪意 ボビーの命令で始めた公民権運動にのめり込みつつもCIAから頼まれたKKKの武装化&黒人襲撃を支援するケンパーは麻薬に耽溺する様になり破滅の瀬戸際に有った。
未だカストロ暗殺を諦め無いケンパーと共に解放軍組織の取り纏めを続ける ピート・ボンデュラントが最近気にしているのは キューバ侵攻に出資した3人のドンの内 サントス・トラフィカンテ(フロリダ組織)とサム・ジアンカーナ(シカゴ組織)の態度豹変 暗殺者選抜の際に浮かんだ疑念から判明したのは2人がカストロと接触し大量のヘロインを安価に分けて貰う事を条件に政権打倒工作から手を引いた事実。 裏切りを手引きした元カジノ経営者を拷問し真相を掴んだピートとケンパーそしてネストール・チャスコ(解放軍組織幹部)の3人は取引現場を襲撃 200ポンドのヘロインを強奪するついでに双方のメンバー15名を殺戮 その後デルソルを処刑し証拠隠滅
だが無為無策のみならずマフィアの裏切りに悩み アメリカそのものに失望したネストールは数名の部下達と共にマイアミを離れキューバへ潜入 少数勢力でのカストロ暗殺に起死回生を賭ける。
ケネディ家の本意を知らされ錯乱状態となったケンパーの暴走によりスキャンダルのでっち上げは失敗に終わる レニー・サンズは大統領の盗聴テープを奪い自殺した事にされ 裏切り者として取り押さえられたケンパーに引導を渡したのはFBI捜査官と共にモーテルに乗り込んだ司法長官 色々有って多忙な日々を送るウォードにフーバー長官から持ち込まれたのは因縁浅からぬハワード・ヒューズの法律顧問への就任要請 そして重石となっていたケネディ家頭首=ジョセフ退場によりマフィアの各勢力/多ナタを振るわれたCIA/見捨てられたキューバ解放軍/フーバー排除に勤しむボビーを嫌悪するFBI/会長が告訴されたチームスター労働組合等々の各勢力によるケネディ家排除への動きが始まった。
■第5部:契約 1963年9月〜そして真実の瞬間=11月22日
★真実の瞬間=スペイン闘牛におけるトドメの瞬間 但し討たれるのは闘牛士の場合も有り その場合、牛は生涯を全うする権利が与えられる。
ケネディ大統領はキューバ危機の際、ソビエトのフルシチョフ書記長と密約を結んだ キューバへの核兵器持ち込みを取り止める代わりにカストロ暗殺阻止に協力 其れは弟であるボビー=ロバート・F・ケネディ司法長官への裏切りとも言えるだろう。 兎にも角にもピッグス湾事件により求心力を低下させた民主党政権は二期目の再選を目指した融和路線に舵を切り始めた そんな最中失意を抱えキューバから強制送還されたネストール・チャスコとその部下達 彼等を拷問しヘロイン強奪の真犯人の正体を掴んだサントス・トラフィカンテ(フロリダマフィア)によりケンパー・ボイドとピート・ボンデュラントは取り押さえられた。
ハワード・ヒューズからまんまと巻き上げた25万ドルを投じカルロス・マルチェロ(メキシコ湾岸〜テキサス・ニューオリンズ・ルイジアナを纏めるマフィア)と共に司法長官排除と大統領暗殺計画を企むウォード・J・リテルの仲介も有り即座の処刑は見送られたもののピートとケンパーの身柄はマイアミを訪れるジョン・F・ケネディ大統領暗殺計画に組み込まれた。 未だカストロ暗殺を諦めていないケンパーが匿う6人の狙撃手の中から暗殺者として選ばれたのはキューバで多数の強姦殺人を繰り返していたらしいファン・カステネル 他チームからも派遣されるらしい狙撃手も含め実行犯として仕立て上げられ移送中に口封じされる事が決まったのはKKKの過激派でケンパー子飼のダグラス・フランク・ロックハート
だが、あからさまにケネディ大統領に殺意を抱く元キューバ解放軍支持派の暴走 此処数ヶ月連続している娼婦の連続殺人 何者かがやらかした黒人教会への爆弾テロによりJFKのマイアミ遊説は中止に追い込まれた。 ファン・カステネルはダラスでの大統領暗殺に携わるCIAに引き抜かれ 様済みとなったロックハート(実は教会爆破した犯人)はケンパーにより処刑される 多分何方かが或いは2人共にマフィアに口封じされるのだろう ピートはバーブと結婚しいざという時のために貯金を彼女に託す。 だが暗殺作戦の準備が進むダラスからファン・カステネルが姿を眩ませた ファンを追うケンパーとピートに知らされた連続娼婦殺しの正体はファン だが2人がホテルに突入した事で娼婦を殺し損ねたファンは逆にナイフで喉笛を切り裂かれていた 2人の内最早役に立たない方を処分しろ ピートの婚姻を知ったウォードが銃を向けたのはケンパー・ボイド 兄に見捨てられた司法長官は元協力者ウォード・J・リテルが持ち込んだ様々な証拠を突き付けられ此れから起こる惨劇に口を噤む事でケネディ家の名誉を守る道を選ぶ。
そして1963年11月22日 運命の日が訪れる その日その時ウォードが訪れたのは資金援助をしてくれたハワード・ヒューズの病床 命を拾ったピートが訪れたのはピッグス湾事件に関わった戦友の1人で末期癌で余命幾許も無いハシー・リスキンドCIAエージェント 其々特等席で観覧する最大の見世物。
★オマケ:史実において フルシチョフ書記長は勿論約束を守りませんでした。 キューバに据え付けられた核ミサイルが撤去されたのはボビーが暗殺されフーバー長官が老齢により亡くなって以後となります。 その事実が公表されたのはゴルバチョフ書記長が就任してから 二期目当選のために合衆国そのものを売り渡そうとした彼は暗殺された事で悲劇のリーダーとなった訳です
2021年8/31追記:30日にNHK/BSで再放送してた映像の世紀ではケネディの実績としてキューバ危機⇒核ミサイル撤去(勿論フルシチョフの嘘)が修整されずそのまま流れててドン引きしました。 昔のドキュメントだから訂正出来なかったのか 直すのが面倒くさいのか何方だろう?




