天使の囀り 98年
2020年6/14〜6/16タブレット端末にて執筆し脱稿 臨時投稿
ストーリーかなり端折りました 細かい手直しは後日行なう予定です。
それにしても今年は格別に暑い(T_T) なんか湿度が高いせいかマメにシャワー浴びてます。
2022年12/7追記:イエローストーン国立公園で狼の研究してる機関が12/2に発表しましたが狼の脳に潜り込み攻撃性や無謀さを操り増大させるトキリプラズマ原虫なる寄生虫が見付かりました どうも犬やら猫にも取り付くタイプらしくどうやら人間も………………時に人間の想像力は凄ましいモノが有るもんだ つまりひぐらしのなく頃にの雛見沢症候群も有り得る話な訳やね
【 文庫版出た当時はあの "黒い家" 書いた作者の悪趣味極まるグロ小説としか印象に残って無かったのですが 久し振りに読み返してみると無知無能と怠惰が引き起こした薬害エイズ問題や地球温暖化問題で思い詰めた末に人類推挙(要するに弱い個体の口減らし)に邁進する自称世界の救世主とか詰め込んだテーマの多さや撒き散らされた伏線があまりに多過ぎてちょっとややこしいかなとそんな印象受けました。 "遊星からの物体X" を彷彿させる寄生虫による身体のグロ場面とか多過ぎる登場人物整理したら海外ドラマシリーズで使えそうな気がします。 】
★但し日本国内では映像化は不可能かな 宗教思想や終末期医療と安楽死の強制問題とか口煩い馬鹿が製作の妨げになるかと懸念致します。
☆最近またしてもテレビで根拠無き不安感煽る温暖化……どうやれば良いのか本当にそうなのか根拠を示せない癖に地球が大変だと政府広報ポイッCM流されてもねぇ。 そんなに出生率低下させたり経済活動破壊したいのかね民放連は?
日本 ホラーノベル小説
囀り=さえずり と読みます
貴志祐介 著
角川書店
文庫版は2000年 角川ホラー文庫にて出版
2020年 6月半ば 気温32度湿度81%越えの炎天下 投稿通算600話目となる (但し後日差し込み投稿予定してるから暫定的だけど⇒やっぱりズレました(苦笑)) 題材を何にするか悩みましたが久し振りに再読したこんな物語を取り上げてみようかと思います。 時代は折しも世紀末 オカルトマニアはアンゴルモアの大王が〜とかガヴリエルによる推挙を報せるラッパが鳴り響くと騒いでた頃 日本国内は右肩上がりとなった消費税増税と円高容認する阿呆共による官製不況のど真ん中 どいつもこいつも不景気な面晒してたあの時代 海を越えた海外は何処もかしこも地球温暖化による世界の終わりを訴える詐欺師によるカルトじみた集会が様々なテロや嫌がらせを行っていた頃 角川系列は全力でホラーノベルを推していました。
何故聖書に登場する天使は猛禽類を彷彿させる翼が有るのか? 日本の神社に奉納される注連縄は何がモチーフになっているのか ついでに海外で医療施設を表す紋章 棒に絡み付く蛇=アスクレピオスの杖の意味とは?から始まり ジャングルに潜む寄生虫=線虫の秘密や汚染された血液製剤輸入が切っ掛けで明らかになった薬害エイズを始めとする問題の本質と落し穴。 終末期医療に携わる医師や看護師が抱える無力感と安楽死問題 何もかも雁字搦めの世界に生き辛さを感じあからさまなカルト宗教に引き込まれる今時の人々 (但し20世紀末当時の世代) 果ては武漢コロナで漸く恐ろしさが見えて来た実験動物の輸出入 自らの意思で病原体や寄生虫の運び屋となり無差別殺傷に勤しむサイコパスの存在リスク等々 本当に色々詰め込んでと言うか混ぜるな危険の域まで達した物語ですので読む人を選びます。
とは言え主人公の抱える本当の闇 何故彼女はそんな仕事に付いたのかとか関係持つ男の趣味がかなり可笑しいとか色々突っ込み所が満載ですがその辺りはグロシーンに耐性出来て下手に感情移入せずに客観的に物語楽しむ様になってから漸く見えて来ますので 書かれていない描写やキャラクター設定を色々考えて見て楽しむのも一興かなと ではなるべく手短に時事ネタや薀蓄関係はサラッとスルーしてストーリーを纏めてみますかね。 ついでに書いときますが "ひぐらしのなく頃に" は此れのパクリでも何でも有りません 安易に上から目線で批判するのは人として恥ずかしい限りです。
【 北島早苗が終末期医療の仕事に携わる様になった原点は10代前半の多感な頃 新進気鋭の小説家 高梨光宏のデビュー作に魅入られた事。 ナイーブな路線を諦め恋愛小説のシリーズを大ヒットさせた彼と対面したのはバブル崩壊間近な華やかな頃 株式投資に失敗し再び小説で再起を図る高梨とそんな関係となったのは彼女が20歳を過ぎてからの事になるのだが 原点回帰を狙った新作は中々売れず 追い詰められた彼が望みを掛けたのはとある大手新聞社がスポンサーを務めるネイチャー雑誌の探検レポート 其れは惨劇の始まりとなってしまう。 】
97年1月24日 物語はネイチャー雑誌バーズ・アイの企画でアマゾンの先住民カミナワ族の伝承調査に訪れた探検隊の記録係となった元人気小説家 高梨光宏より 恋人北島早苗に送られた電子メールの列記から始まる。 重度の死恐怖症により新作が書けなくなった元小説家が滞在記録と共に綴るのは、1癖も2癖も有りそうな探索メンバーの肖像。 救世主コンプレックスを拗らせ出世コースを外れた蜷川武史教授 自身の容貌に忌避感を抱く類人猿研究者 森豊助手 地衣類や苔の専門家でそこそこ成功しているものの猫類全般が苦手な赤松靖助教授 とある理由からかなり子煩悩な女性カメラマン白井真紀 不可抗力で遭難しカミナワ族から禁足地とされていた中洲に迷い込んだ探検隊は食糧不足で追い詰められた末に異様な姿をした猿を殺し食べた事で悪魔付きとされ態度を豹変させた先住民に追い立てられる形となり僅か3ヶ月半で緊急帰国を余儀なくされる。
97年4月半ば 薬害エイズ患者が最後の時を過ごすホスピスで先輩 土井美智子医師と共に虚しい戦いを続ける精神科医 北島早苗医師の前に現れた高梨はまるで別人の様になっていた 明るく朗らかで食欲のみならず性欲すら旺盛になった恋人は時折頭の中で鳴り響くという "天使の囀り" に振り回され精神を破綻させた末に主人公の務める病棟から大量の睡眠薬を盗み出し致死量を摂取 其れでも死ぬ事が出来ずマンションに駆け付けた早苗の前で飛び降り自殺。 最初の息子を突然死で失い娘に異常な迄に愛情を注ぐ白井真紀は6歳となった彼女を電車の前に投げ付け粉砕し自身も轢死 数週間後、行方を眩ませていた赤松助教授は見るのも駄目な筈のサファリパークで飢えた虎の群れに飛び込み顔面を失う等瀕死の重症⇒結局意識が戻らないまま亡くなった。
彼等は何故恐れるモノを使い命を断ったのか 司法解剖の結果判明したのは彼等3人の脳内に入り込み繁殖を続けていた不気味な線虫のコロニー。 要らぬパニックや遺族に降り掛かる誹謗中傷を恐れた厚生省や解剖医の判断で隠蔽された其れは寄生相手の脳に麻薬の様な成分を挿入する事で多幸感を抱かせつつ全身を食い尽くし繁殖する悍ましい生態を持っていた。 本来は猿に寄生し鷲等の猛禽類に喰われる事で卵を撒き散らす其れの最初の外部からの犠牲者となったのは日本からの調査チームが訪れる前 カミナワ族の居留地で隠者と呼ばれる突然変異体の猿の研究を行っていたアメリカの類人猿研究者=カプラン夫妻 偶々猿から線虫を感染させられた妻ジョーンの変異を目の当たりにした夫ロバートは感染した猿達や妻と共にガソリンを被り自らを焼き尽くしたらしい。
犠牲者を解剖し異常に気付いた医師達の委託を受ける形で "ブラジル脳線虫" と名付けられた怪物を培養し実験動物に投与した依田健二教授 同僚白井の異常な自殺に疑念を抱き単独で連続自殺を追っていた新聞記者 福地満 恋人の自殺に纏わる執拗な事情聴取に怒りを抱いた事を切っ掛けに独自の伝手を使い彼等の行方を追っていた主人公の調査と交流を通し明らかになる線虫の恐ろしい正体。 だが寄生虫に取り憑かれながらも精神錯乱を起こす事がなく自身の外観のコンプレックスを文字通り脳内麻薬で克服した森豊助手 頭がハッピーとなり此れを神が自身に齎した祝福だと思い込んだ蜷川武史教授は再びブラジルへ渡航し忌まわしきジャングルへ 当時の厚生省の通達で中々検疫される事が無い (……まあ直ぐに殺されるから問題にならないと) 実験動物の名目で寄生された猿達を入手した彼等は "地球の子供たち" というSNSサイトを設立。
自身の考える未来の日本に不必要な負け犬を間引く為 言葉巧みなカウンセリング紛いの宗教団体を設立し彼等に其れを食べさせた。
犠牲者となったのは少なく見積もっても50人以上の老若男女 幼少期に母親から精神的なDVを執拗に受け続けた事が原因で対人恐怖症&蜘蛛恐怖症となった荻野真一=サオリスト 板金工場での事故を契機に神経症を患った畦神友樹=ファントム プロの囲碁棋士を目指しながらもプレッシャーに弱く肝心な所でミスを冒し続け精神を病んだ滝沢優子等々 度々報道に流される様になった不可解な死亡事故や病棟に持ち込まれる自殺案件の背後に浮かぶ蜷川と森の暗躍に辿り着いた主人公達は彼等を止めようと動くが何もかも手遅れとなる。
犠牲者の追跡調査から漸く判明した "地球の子供たち" の集会場となっている元保養施設に辿り着いた依田と早苗が目の当たりにした其れは 敢えて此処では詳細は書きません。 寄生虫の苗床となり手足を退化させた30個程の元人間だったモノは大半が死滅していたが荻野だけは何とか受け答えが可能だった。 頼む……殺してくれ 線虫の避難場所と化した浴室に並ぶ最早喋る事も不可能な数体毎自動車の廃棄ガスでトドメを刺し 大量の塩素とアルコール果ては持ち込んだ灯油で建物毎燃やし尽くしたものの自らも深い心の闇を抱えた依田は既に感染しており純粋な好意から早苗にも寄生虫を植え付けようとして失敗 マンションから逃げ出す彼女を見送った依田は墜落し地面に叩き付けられた。
独り生き残った早苗に迫る警察当局の包囲網 薬害エイズにより苦しみながら死んでゆく患者達の為に敢えて線虫から抽出した安楽死薬を手に入れた彼女が行ったのは最早人で有る事すら不可能となった彼等を死の寸前幸せな幻を見せる注射 5人の患者を看取った主人公がその後どうなったかは定かでは無い。
2020年7/4追記:ANNニュースにて 小説の影響で悍ましいとか怖いイメージ付いた "線虫" ですが早期の癌細胞発見 (しかも血液ではなく尿検査) に使えると判明し、検査費用の値下げ&大量検査の効率アップに役立つそうです。 やっぱり蛇(昔は線虫や蛭もヘビ呼ばわりされてた)はガイアの眷属なのかも?




