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エンゼル・ハート 87年

2020年6/2〜6/7タブレット端末にて執筆し深夜脱稿 緊急投稿

本当は6/6に間に合わせる積りでしたが……暑さに負けた(涙)

【 1950年代のニューヨーク 黒人街(ハーレム)に広がるカルト宗教とニューオリンズのブードゥー文化 ハードボイルドな探偵物語にオカルト要素を添えて 目玉は当時ジョン・ローンと並んで日本の腐女子 (アニメ雑誌?ファンロードでも特集組まれイラストでシールがオマケに付いてた(笑)) にもファンの多い ミッキー・ローク ヒモや女衒が似合うタレ目野郎でしたが、私のお勧めは日本語吹替え版で尚更凄み増したロバート・デ・ニーロです。 蛇を連想させる独特な茹で卵の剥き方と食べ方が目茶苦茶格好良いけど 物凄く気持ち悪い(¯―¯٥) 人を選ぶスタイルだと書いときます お笑い芸人が演ったらサイトどころか本人が燃やされかねん。 】


★2008年のニュースとなったテレビシリーズでのリメイク企画がどうなったのか気になります 原作は未読ですが怪しい黒人カルトとかブードゥーの儀式やってるジャマイカ系の描写がアウトなのかも知れません。


☆津嘉山正種の声は最凶でしたが デニーロのあのヒゲだけはイケて無かった。 


原題:ANGEL HEART

御使いの心臓

アメリカ劇場公開作品

同年 日本劇場公開

原作:ウィリアム・ヒョーツバーグ

"堕ちる天使 FALLING ANGEL 1978年"

翻訳版は1981年早川書房より 映画化に合わせ87年タイトル変更

現在は廃版



 2020年6月上旬 此れ書き始めたのは深夜の時間帯ですが気温27℃で湿度93% 網戸の向こう側は羽アリ(シロアリ)と蚊がいっぱい飛んでまして 蚊取り線香付け扇風機回しても汗がボタボタ流れ落ちます こんな時はホラーに限ります。 この作品見ようと思い立ったのは "ラン・オールナイト 15年" 見てる最中、不意に "ジョニー・ハンサム 89年 " 見たくなり立ち寄ったもののDVD化されておらず  偶々目に付いたのが同じくミッキー・ロークが主演し話題作となった此れでした。 確かゴールデン洋画劇場でテレビ放映演ってた筈ですが母と妹のお目当てが 世界不思議発見 だったから後半部分しか見ておらず何がどう恐ろしいのか理解出来無かったためそれきりでして 連載やってなかったら二度と見なかった可能性も有り得ます。


原作は "悪魔の教典(バイブル)" と呼ばれ、キリスト教系保守団体から廃版請願まで起こされた問題作 とある理由(きんしんそうかんなど)で映画化が決まったものの10年以上脚本で揉め続け 撮影が始まった頃には既に当初のキャスティングを全て変更しないと成り立たない状況下、後半の舞台を敢えて東海岸南部のニューオリンズに変更する事で何とか物語を纏める事に成功した作品。 時代設定50年代にしたのは新興宗教ブームで様々な宗派が既存団体とトラブルを起こし ブードゥー教儀式が恐れられ黒人差別が禁忌とされていない頃だからこそ成立する物語だったから。 ちなみに連載小説雑誌(パルプマガジン)が衰退し読み切り小説(ペーパーバック)がメインとなり私立探偵物(ハードボイルド)が低迷期を迎えた時代でも有ります。 原作で描写された廃線となった地下鉄駅や黒人街で深夜行なわれる陰惨な儀式とか 絵的に怖そうなシーンが色々有るからテレビシリーズでリメイクして欲しいのだけど ポリコレで騒ぐ阿呆が多そうですね。


それにしても今回は苦戦しました。 流石に摂氏30度越え+湿度90%オーバーじゃ頭が働かない マスクなんざ付けた日にゃ暑さで倒れます。



【 第二次世界大戦後 私立探偵が請け負う仕事は山程有った。 失踪人探しに出征中にやらかした浮気の証拠探しや工場閉鎖で臨時採用した事務員の紐の有無 (当時はマフィアの全盛期 戦争のドサクサでアカやナチも合衆国に紛れ込んでます。) 誰も彼もが生きた英雄(ジー・アイ・ジョー)に成れた訳じゃ無い。 後方勤務だけで只ひたすら無為な時間の中、アル中で身を持ち崩した奴も居れば過酷な最前線で心を病んだ奴も其れなりに多かった だからこそ記憶が曖昧なこの物語の主人公 ハリー・エンゼル は自身のアイデンティティに疑念を抱く事が無かったのだろう 時折記憶が欠落するのは忙しかったから……勿論そんな訳は無かった。 】


★日本と異なりアメリカの探偵業はライセンス製だから警察署や市役所訪れ住民基本台帳や失踪者届け閲覧出来る⇒本来なら半日掛からず調査は終わる筈でした。


☆男の子向けの兵隊人形=GIジョー誕生は1960年 大卒初任給8400円の時代当時1600円もする玩具で 日本で此れ持ってる奴は人生勝ち組だったそうです。 後年コストダウンした国産型が後に変身サイボーグ⇒ミクロマン⇒その魂受け継いだガンプラとなる訳ですが本編とは無関係だから割愛します。



 1955年1月3日未明 深夜人気の絶えたハーレムの裏通り "生きながら心臓を刳り出され貪り食われた末に事切れた黒人男性" を看取ったのは痩せ衰えた1匹の野良犬と誰かの飼い猫。 キリスト教系カルト団体の熱狂的な信者だった被害者は、猟奇殺人犯を追い続ける捜査当局のマスコミ対策により "銃で自身の頭を吹き飛ばした事にされた" のだが勿論そんな筈は無い とかく彼は運が悪かったのだと言えるだろう アレは再び誰かと入れ替わろうとしていた。 団体が容疑者として目を付けたのは自称私立探偵を名乗る女衒(せげん)じみた白人男性 何にせよ魂の取立人 "ルイ・サイファ" が現れるまでも無く其れの二重生活は破綻を迎えようとしている。


『行方不明のミュージシャン お気に入りの玩具(ジョニー・フェイバリット) を探して欲しい。』


糊口(ここう)を凌ぐため此処ブルックリンで私立探偵を続ける "主人公=ハリー・エンゼル" に人探しの仕事を依頼して来たのは、セレブ御用達のマーモントッシュ法律事務所に務める主任弁護士 ワインサップ・ハーマン 当初電話帳で最初に目に付いた探偵事務所として適当に選ばれたのかと内心不満気味だった主人公を心底怯えさせたのは 怪し気な教団関係者が屯し自殺者が出たばかりの血生臭いハーレムのアパートに仮の宿を取る本当の依頼人 ルイ・サイファ と名乗る年齢不詳の外国人。 新進気鋭のジャズシンガーとして活躍していたジョニー・フェイバリット=本名リーブリングの後援者(スポンサー)だったと言うサイファとワインサップによると 1943年徴兵され慰問ミュージシャンとして北アフリカに向かったジョニーは不運にも戦闘に巻き込まれ 植物人間となり祖国へ送還 砲撃でボロボロにされた顔は度重なる整形手術で何とか元に戻ったものの記憶を失っている可能性も高いらしい。 


表沙汰には出来ない理由から10年以上に渡り 法律事務所を通し入院治療費を払い続けたサイファが偶々合衆国を訪れる機会を経て 久し振りに彼を見舞おうと弁護士と共にハーベスト記念病院を訪れたのだが 突如豹変した担当医によりけんもほろろに追い出されたのだと言う 調査内容はジョニーの生死確認 休業中もレコードの売却利益等其れなりに有るものの もし行方不明或いは死んでいたら法律上様々な弊害が有り得るのだと依頼人は語る。 表舞台に出る事をなるべく避け警察沙汰にもしたくない 多少の荒事にも対応可能な貴方なら成果を挙げられるのでは 日当135(ドル)の破格な報酬でその気になれば短期間で終われる仕事。 


裏取りするため、肉体関係を持つ女性新聞記者を通しジョニー・フェイバリットの履歴資料集めながら始まった非合法な情報集め 身分を偽り国の調査員を騙って病院を訪れたハリーを出迎えたのは割とお人好しな看護婦の姿 他愛もない遣り取りから判明したのは12年前の43年12月にジョニーが此処から転院している事実 だがカルテに書き込まれた所見と担当医のサインは当時存在しない筈のボールペンで書き込まれている (43年ハンガリーで発明されたボールペンがアメリカに普及したのは45年以降 それまでは万年筆が主流で安価なタイプが普及したのは50年代入ってから。) 此れは入院患者を使った詐欺行為の可能性が高い ジョニーの担当医ファウラーは麻薬中毒 何故患者誘拐を手伝ったのか? 


手掛かりを探すため拷問紛いの脅迫を行っていた筈の主人公はふと我に返るとダイナーでコーヒーを飲んでいた 慌てて住居に舞い戻るが医師は両目を銃で撃ち抜かれ死んでいる。 証拠隠滅を図りブルックリンへ逃げ戻る主人公は翌朝カフェで茹で卵だけを蛇の様に食すサイファへ状況報告 


『ナメクジの歩いた跡を見た事が有るかね アレは何処までも痕跡を残すから君なら見付けられる筈だよ ハリー君。』


何とかこの仕事から手を引こうと画策するが逆に言い包められ追加料金貰って捜査を続ける事に 調査始めて度々襲い掛かるフラッシュバックと記憶の欠落 破格の報酬手土産に新聞記者とエロな1戦交えつつ判明する尋ね人を巡る様々な噂や女の影 黒魔術に傾倒した女子大生 マーガレット・クルーズマーク とゴールイン直前破断となった過去 黒人で呪術を営んでいたらしい エヴァンジェリン・プラウドフードという愛人も居たらしい ジョニーが暮らしていた場所はあの血と脳漿だらけになっていたアパートの1室だが隠し部屋には得体の知れない祭壇が


『ジョニー 正気に戻りなさい。』 


教団を影で纏めているらしいフード姿の少女らしき者に声を掛けられ近寄った瞬間 2人組の黒人男性に襲い掛かかられ這う這うの体で退散 かつてジョニーと苦楽を共にしたバンド仲間の情報を何とか掴みルイジアナへ 燦々と降り注ぐ太陽と何処にでも居る天敵=ニワトリに閉口しながら占い師を営むマーガレットや急死したエヴァンジェリンの17歳の娘 "エピファニー" と彼女の息子に出会うも、ジョニーの行方を尋ねると皆口を噤み手掛かりは掴めない 突破口となりそうな元バンド仲間のトゥーツ・スウェートにも接近するが彼等ジャマイカ系アメリカ人が崇拝するブードゥー教団からは公式にジョニーには関わるなとの命令も出ているらしい 深夜老人(トゥーツ)の後を尾行した主人公は浜辺で繰り広げられる生贄の儀式を目撃 切り落とされたニワトリの血を浴びる事でトリップし服をはだけさせ卑猥に踊る少女(エピファニー)に動揺した彼は遂に一線を踏み越えた。


老人(トゥーツ)を拷問し判明したルイジアナ・白人至上主義者の間で広まる悪魔を崇拝するカルト教団の存在 またしても繰り返すフラッシュバックと血塗れとなったスーツで陶酔している自分を映し出す鏡 飛び起きた主人公を取り押さえたのは昨夜開放した筈のトゥーツを酷たらしく解体した犯人を探す2人の刑事 特に肥満体型のスターン刑事は探偵を名乗りアチコチを嗅ぎ回る主人公に深い嫌悪感を隠さない。 教祖としてカルト組織を仕切るのは(マーガレット)に教団の巫女を任せる地元の名士イーサン・クルーズマーク マーガレットが何者かに心臓を抉り取られ殺された事を切っ掛けに教祖の雇った暴漢に襲われ血塗れとなる主人公(ハリー) 少女(エピファニー)の本当の父親はジョニーだった 俺が誰かを嗅ぎ回すだけで証人が次々と死んでゆく 主人公の報告を聞くためだけに態々(わざわざ)ルイジアナまでやって来たサイファが重い口を開き語るジョニーの悍ましい人格描写 主人公が追い掛けるジョニーとは本当に記憶を無くしただけのミュージシャンなのか?


イーサンに目を付けられ子供を友人に預け避難して来た黒人少女(エピファニー)と激情に駆られるかの様にまぐわう 彼女を抱く間も絶えず降り注ぐ豪雨は何時しか血に代わっている 翌朝マーガレットの殺害容疑が掛かり裸同然で事情聴取に応じる主人公 ワインサップ弁護士の名前を出す事で何とか刑事達をやり込めたハリーを愕然とさせたのは何時も鼻歌で歌っていたのと同じメロディを風呂場で口ずさむエピファニーの姿 其れは彼女の父ジョニーが作詞作曲した持ち歌だった。 俺は何時……いや一体何処でこの歌を聴いたんだ まるで誰かに取り押さえられ心臓を抉り取られた気持ちを味わった主人公はあれから尚も付き纏い続けるイーサンの部下を叩きのめし遂に彼の身柄を抑えた。 まあこの辺りの展開やそもそも誰が何の目的で記憶を失ったジョニー・フェイバリットを病院から誘拐し何故43年12月31日のタイムズスクエアへ連れ出したのかについては本編の謎解きシーンを見て下さいと省略します。 実はそんなに重要な所でも有りません(苦笑)


ジョニー・フェイバリットは契約者でした 死後自身の魂を生贄に捧げる条件で悪魔を呼び出す事に成功した彼の願いはミュージシャンとして大成する事 "だが誰よりも強欲で醜悪だったジョニーは身代わりとなる人物を生きながら解体しまだ動いている心臓を喰らう儀式を行う事で身体を入れ替え悪魔を出し抜こうと企みます。" イーサンとマーガレットやエヴァンジェリンと共に誘拐し儀式の生贄となった兵士の名は…………その答えを聞いた主人公は胃の中のモノを軒並み吐き出し錯乱状態に 気が付いた時にはイーサンは煮え滾ったスープの出汁に変わり果てていました。 警察に封印されたマーガレット殺害現場に隠されていた遺灰入れに入っていた認識票に刻まれた生贄(ぎせいしゃ)の名前は ハリー・エンゼル 全ての記憶を取り戻した主人公を煽り立てるルイ・サイファの正体はルシファー 


間違った儀式で2つの人格を取り込んだ主人公はある時はジョニーまたある時はハリーに戻りながら互いに自身の身体の主導権を手に入れるため殺戮行脚を続けて来たのだと呟く彼も主人公にしか見えず会話も成立しない幻 ワインサップ弁護士も不幸な事故に見舞われとうの昔に死んでいると金色の眼を輝かせ語るルシファーを既に主人公は認識していない 彼を恐れさせたのはフラッシュバックで思い出す犠牲者達の断末魔と最後に映されたのは泣き叫ぶ黒人少女(エピファニー)の首を絞める自身の姿。 豪雨が降り注ぐルイジアナの街並みホテルに戻った主人公を出迎えたのは股間を銃で撃ち抜かれモノと化した自分の娘と彼を逮捕すべく現れた2人の刑事 預けられていた筈の孫⇒いや近親相姦の末に誕生したジョニーの息子は金色の眼を見開き母を殺したバケモノを告発する。


『お前が殺した人々の責任は取って貰うぞ』


スターン刑事の言葉に『報いは地獄で受けます。』と答える主人公


暗闇に墜ちる主人公らしき人物を載せたエレベーターは軋み音を響かせながら何処までも地の底へ


『ハリー 正気に戻りなさい。』 そう呟くフード姿の人物は果たして誰だったのか明らかにされないまま物語は終わる。



本当の目玉はベットシーンで雨の代わりにぶち撒けられた本物の牛の血10トン分だったそうですが 今ならCGで済んだ演出だしあまり映像的に映えません(笑)

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