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償いの雪が降る 14年

2020年5/19〜5/21午前中 タブレット端末にて執筆し脱稿 同日お昼投稿

ノリと勢いで書き上げたものの割と最近出版されたミステリーですので怒られたら削除する予定です でも大まかでも内容解らないと購入躊躇する価格なんだよなぁ 読んで判断頂ければ幸いです。 本編でも書いて有りますが消費税による中抜きで暴騰の一途辿る 海外文学の鎖国は犯罪行為そのものだと思います 嘘しか書かない癖に優遇される新聞なんかよりもっと手頃な価格帯で小説を読ませろ 角川文庫の創設者の言葉を引用しつつ投稿しますね。

【 面白い……確かに面白いんだけど海外ハードボイルド小説ならではのやさぐれた感じが全く有りません。 80年代中頃〜90年代の集英社コバルト文庫やアサヒソノラマ文庫の学生向けミステリー 或いは先日物故された野間美由紀せんせの雑誌・花とゆめに掲載されてた読み切りミステリーコミック パズルゲーム☆はいすくーる な雰囲気漂わせてますんで ロス・マクドナルド とか エド・マクベイン な泥の河に漬かった人生なノリを期待すると物凄い肩透かしを喰らいます。 】


★ちなみに51歳の原作者(もとべんごし)が書いた此れ、全米で賞貰う程大評判らしいのですが これが流行るなら山浦弘靖(やまうらひろやす)の星子シリーズとか講談社X文庫のとんでもポリス・シリーズ (林場直子(はやしばなおこ) 著) 英訳しても売れそうな気がします  いや本当に何でこうなったアメリカ文壇 ポリコレ警戒し有るモノを無かった事にされたら気持ち悪いにも程が有る。


原題:THE LIFE WE BURY

私達が葬る (彼の) 人生

アレン・エスケンス 著

アメリカ ミステリー小説?

翻訳版は 2018年 創元推理文庫より出版

■国を跨いだ消費税の中抜きで値段が酷い(-.-)



 2020年5月後半 色々税金支払うついでに久し振りに開いた図書館へ潜り込み 海外ミステリーの流行りは何じゃいなとお試し感覚で読んでみたのですが 中々楽しかったんだけど本当に此れ海外作品なのかと首を傾げた私は時代遅れなんでしょうか? その昔文芸少女やってたクラスメイトから借りた赤川次郎とか山浦弘靖作品がフラッシュバックしましたよ ええ 何せ主人公が40越えの草臥れた私立探偵とか 家庭に不和抱えるやさぐれた元刑事ですら無かった事に戸惑いながら読み耽る事になりました。


まあ本編最大の違和感は紳士的な所轄署刑事や老人介護施設の介護福祉士 果てはド田舎の保安官に至るまでほぼ全員が若者と向き合う事が出来るまともな大人が圧倒的に多い事だと思います 粗忽ガサツがデフォなアメリカで……絶対有り得ん (断言)  黒人のチンピラやヒスパニックのアル中 そしてユダヤ人やインディアンは何処行った? しかも登場人物はこの手の物語には珍しくほぼ全員が白人だぞ (厳密には人種描写はバッサリ削除=恐らくポリコレ対策 エログロ描写も皆無に近い) まあ此れがデビュー作らしいので徐々にやさぐれていくとは思うのですが 後書き読むまで日本向けの書き下ろし作品なのかと勘違いしそうになりますねコレ


アメリカン・ミステリーらしさも多少は残ってるんだけど なんか歪です。


敢えて例えるなら、シーフードスープパスタ頼んだら豚骨ラーメン風の微妙に違う何かが出て来た……麺は確かにパスタだけどスープがまんま "インスタントラーメン(うまかっちゃん)" 美味しいけど提示された値段が高過ぎて割に合わない (ちなみにこの本 文庫本サイズで1180円+消費税 (苦笑)) 昔の創元社推理文庫知ってる人間ならあまりの落差に愕然とするやも知れません。 なお山浦弘靖(やまうらひろやす)せんせ……1938年生まれだし流石に現役引退してるだろうなと此れ書きながら軽く検索したら未だ星子シリーズ筆頭にヴェブサイトで新作発表してると知りぶったまげたわ 


どっかのイマジンブレイカー同様、まだあの娘高校卒業してねーのか(汗)



【 物語の舞台となるミネソタ州オースティンはハワイアンと沖縄県民なら皆んな知ってるホーメル社=SPAMのアメリカ本社&生産工場が有り その経営陣が労働基準法=何それな? 酷い独裁体制を築いているかなり問題だらけな街です。 80年代半ばに経営効率化を理由に従業員給与だけ23%削除⇒工場労働者の賃金目当てで経営成り立ってた地元メーカーの大半が破産 ストライキを起こした労働者が州軍に弾圧された挙げ句 その8割が退職金も無しで解雇となった陰惨な過去が有ります。 今回の武漢コロナで中国投資分が致命的な大損害被ったそうですが またリストラでもやらかすのかな? 】


★主人公の母が何故ああなったのか 真犯人が心に育んだ闇の源泉は? どんな生物であれ食うに困る様になれば色々歪むモノです 本編ではホーメル社がやらかした歴史的な失策を敢えて取り上げたりはしませんが登場人物のバックボーンとして意識して読むと違う印象与えそうですね。


☆なお沖縄ホーメルは全て現地(ここ)で加工生産⇒消費してます 本社に切り捨てられてから地元銀行と提携してますのでアメリカには年6000万円程のロイヤリティ払って半独立状態 代償として日本市場での小売販売が出来ない等の弊害が有りますが、まあポークに限った話でも無いですがね。



 無関係な第三者が興味本位で仕立て上げた真実が必ずしも正しいとは限らない。 狭い世界から抜け出したいとひたすら足掻き続けていた ジョー・ダルバート の人生の転機となったのは、DVや酒乱等 様々な問題行動を繰り返す毒親(ははおや)キャシー・ネルソンと境界性パーソナリティ障害を持つ父親の違う高校生の弟 ジェレミー・ネイラー から逃げる様に家を離れ 複数のバイトを掛け持ちし学費と生活費を確保しながらミネソタ大学に進学 一般教養課程を学び始めた21歳の夏の終わり 30年前に強姦殺人と放火の罪で有罪となった元兵士との出会いと別れから。 


身近な年長者の伝記をレポートに書けと言われても祖父は此の世に居らず 預金口座から金を盗みギャンブルで使い込む等 主人公の大学進学を2年以上妨害し 産んだ子供を額面無制限のATMか気晴らしに殴る所有物だと勘違いしている母親(クズ)に関わるのは死んでも嫌だし名前すら分からない生死すら不明の父親なんて調べる気にもなれない ならば身寄りの無い老人達を預かる介護施設に直談判し課題に協力してくれそうな人物は居ませんか? 行き当たりばったりとも言える飛び込み営業の末、唯一記憶も受け答えもはっきりしている人物は1人だけ居ると介護福祉士ジャネットに紹介されたのは三ヶ月前刑務所から移送された末期癌患者= カール・アイヴァソン だった。


タイミング悪く母親が酔っ払い運転と警官への暴行で逮捕勾留され 面倒を見る者が誰も居なくなった弟=ジェレミーを引き取る事になったり 自閉症気味な弟を通して警戒心の強い隣の部屋の女子大生 ライラ・ナッシュ との交流が始まったりと……肝心要のカールと話すまで様々な紆余曲折やうんざりする様な事態に巻き込まれたものの 何とか面談に漕ぎ付けた主人公を驚かせたのはとても60代とは思えない程老け込んだ男の姿 多分年を跨ぐ事なく死ぬだろう そう思わせる彼はとても残酷な殺人を行なった怪物には見えなかった。


『私には過去を話す機会が幾らでも有った……』


ベトナム帰還兵(こどもころし)で働きもせず家からも出ない怪しい男 被害者が書き残した日記から容疑者として逮捕され、信じられないぐらい短期間の裁判で有罪が確定した彼に何もかも話せと 逮捕直後から金儲け目的のフリーライター(カポーティもどき)が押し掛けた だがもし自分が何もかも語るなら相手がどんな人物なのか理解してから話したい 裁判も終わってしまった以上、決定的な証拠にはならないだろうが此れは法的には臨終の供述なんだ 私は誰かに本当の事を語ってから死にたいのだと……車椅子を囲む様に並ぶ酸素ボンベや計測器具 全身を苛む痛みを堪え震えながら話す彼は記憶をはっきりさせるため鎮静剤をギリギリまで投与せず話続ける。


ライラはとある理由から少女をレイプし殺した犯罪者(カール)に嫌悪感を抱きながらも主人公(ジョー)の手助けとなるアドバイスを行い 刑務所も病院も嫌だだと泣き喚く(キャシー)は泣き脅しで主人公の学費を奪い取る 二度目の面会で偶然出会ったのは 事件から30年経った今もカールの無実を確信し再審を訴える義足の元兵士 ヴァージル・グレイ 裁判記録を保管する主任公設弁護人 バーゼル・コリンズ が故人となったジョン・ピーターソン弁護士共々、被告(カール)小児性愛者(ペドフェリア)だと信じた証拠は被害者 クリスタル・ハーゲン⇒クリス が書き残した妄想混じりの偏見に満ちた日記からでしか無く 実は状況証拠だけで物的証拠は何処にも無かったこの裁判は被告が司法取引に応じて詳しい殺害動機を告白さえすれば無期懲役にはならなかった筈だと聞かされ主人公は事件そのものに興味を抱き始める。


物語は酒と男性からのセクハラに深刻なトラウマを抱え今も苦しみ続ける ライラ・ナッシュ の過去と向き合い恋人と言うより家族として交流の始まる過程 カールやヴァージルとの交流とアドバイスにより主人公が抱え続けていた弟ジェレミーへの引け目と祖父ビルの死因に纏わる罪の意識からの解放 子供の人生を何処までも貶める母親との決別までの過程と同時進行で カール・アイヴァソンが抱え続けた心の闇と本当の罪は何だったのかという謎解きな物語です。 ストーリー色々端折りますが結局のところカールは少女に性的欲求を抱いておらずクリスを殺した犯人でも有りませんでした。



 アメリカの正義を信じ徴兵に応じた若者=カールが南ベトナム目の当たりにしたのは 傀儡政権とその支援を続けるアメリカ軍を1人でも多く殺そうと昼夜を問わず襲い掛かるベトコンや北ベトナムの正規兵達 自分が迷ったり敵を殺さなければ仲間や送り込まれたばかりの新米兵士達が死んでゆく過酷な世界 心を病み少女を犯し殺す上官ギッブス軍曹の暴挙を止められ無かったカールは 以降自暴自棄な生活を送る様になった 元々先祖代々カトリックで自殺を禁じられていた彼は少女を助ける事も上官を止める事も出来なかった自分を責め続けパトロールで敢えて囮役を志願 結果的にヴァージルが片足を失い子供の様に彼を慕う志願兵デイビスの戦死を招いてしまう。


顔見知りの多くが戦死或いは不具となり後送されるのを見続けたカールが遂に壊れたのは ギッブス軍曹が再び少女をレイプしナイフで滅多刺しにしようとした時だった。 祖国には妻や子供が居り優しいお父さん=軍曹の帰りを待っていると知りながら彼はギッブスを射殺 目撃者が居らずジャングルに囲まれた廃墟と化した小さな村での出来事だった事からギッブスはベトコンに殺害された事になり (カール)を疑う者も誰一人存在しなかったのだと呟く彼は事件が有ったその夜、自殺するために銃を買いへべれけに酔っ払ったタイミングで突入して来た刑事達に取り押さえられたのだと話す。 彼女がレイプされ殺され火を掛けられた状況に因縁めいたモノを感じたカールは無実を訴えながらも刑務所で誰かが罪深い自分を殺してくれる事を期待し判決を受けたのだが……結局誰も殺してくれなかった 唯一の心残りは結局あの哀れな少女を殺した犯人を庇う事になってしまった事実 そう呟くカールにはもう残された時間は無い。


ダンボール箱6つに詰められた30年前の膨大な資料 撮影者を除いて前後不覚に酔っ払ったカールに刑事しか居ない火災現場に映り込む怪しい男の姿 ジェレミーは偶々習っていたワープロ研修から殺された被害者(クリス)が暗号で隠していた本当の恐怖を解読し 肉親らしき人物に常に監視され性的悪戯を受けていた可能性が高い事実が判明。 集めた証拠を片手にミネアポリス警察署に乗り込みマックス・ルパート刑事と面談 刑事の紹介で冤罪証明機関に所属するボーディ・サンデンの協力を取り付けた事件の再調査が始まった。 


事件当時18歳でクリスと交際し、14歳の彼女と肉体関係を持っていた事実が発覚 警察や事件を面白可笑しく書き立てるマスコミから真犯人と目されていたアンディ・フィッシャー⇒アンドリューから明かされる クリスと継父ダグラス・ロックウッドとの歪な関係 次々と見付かる様々な物的証拠からクリスをレイプし殺した上で納屋を放火した犯人は事件以降姿を眩ませた継父(ダグラス)に違いないと確信した主人公は 無謀にもミネアポリス近郊の農家で近隣住民相手に様々なトラブルを起こしているダグラスと対峙 (其処に至るまで紆余曲折有ったのだけれど……まあ小説読んで下さいな) 失言から本性を剥き出しにしたダグラスに襲われ昏倒 冬山の冷たい川に沈められる寸前何とか車のトランクをこじ開け脱出 裸同然で猟師小屋に立て籠もり恐怖の一夜を過ごした主人公が農家へ駆け込んだ事でダグラスは重要参考人兼殺人未遂犯として指名手配される。


逃走の際、容疑者(ダグラス)の隠れ家は放火され何もかも灰に 遺伝子組織を親族から採取する事が出来ればカールの無実は証明され ネイルチップに残された組織がダグラスのモノで有る可能性が高まる 唯一の親族で有りクリスの義兄でもある ダン・ロックウッド が家族と暮らすアイオワ州メイソン・シティの労働者区間を訪れ協力を要請しようとするが……些細な会話の齟齬や周辺から見付かった様々な状況証拠から判明したのはクリスを襲い殺害したのは継父では無く義兄ダンで有る悍ましい事実 追い詰められたダンは匿っていた父親を殺して口封じ ライラを誘拐し主人公を誘い出し全てを闇に葬ろうとするが ピンチギリギリで駆け付けたルパート刑事により射殺された。


納屋での撃ち合いは全国ニュースとなった ロックウッドの自宅から見付かった様々な物的証拠からクリス以外にも少なくとも3名以上の少女がレイプされ酷たらしく焼き捨てられた事実が発覚し 再調査が始まった翌々日見付かった決定的な証拠によりカールの無実は証明されたのはXmasの頃 最早身動きも困難な彼の病床を訪れたのは主人公等とヴァージル 枕元で全てを聞かされたカールは重い荷物から解放されたかの様な表情を浮かべ感謝の言葉を残しその夜穏やかに息を引き取った 色々有ってジェレミーを引き取り母親と完全に縁を切ったものの入院治療でほぼ一文無しとなった主人公達は半ば大学進学を諦めようとしていたが…………。


『降り積もる美しい雪を見るたび私は思い出すんだよ 天国は此の世にも存在し得る…………』


いつかカールが車椅子に座り無心に雪景色を眺めていた時呟いた言葉をジョーは思い出していた。




此れ書いてる最中、部屋の灯りが御臨終となり蛍光灯探して武漢コロナで早期店仕舞いしてる中 開いてる電気屋探して駆け回る羽目に合いました 先日のタブレットに続きまたしても臨時出費(泣) 暫く食事は"うまかっちゃん"になりそうです。


なお例え話で出したスープパスタですが……実話です。 シーフードと書いて有るのに具は明らかにシーチキンだけ モヤシとネギにメンマが尚更ラーメンみたいでね……店はまだ残ってますがアレで2300円取られて以降 私はあのレストランだけは避けてます(笑) 多分うまかっちゃん使って200円以内で麺以外同じモノを自宅で作れるぞ 美味しいけど割に合わん。

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