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スリーピング・ドール 07年

2019年12/3〜12/7タブレット端末にて執筆し脱稿 12/8お昼投稿

【 人間嘘発見器な捜査官(ヒロイン)vsマインドコントロールにより女性を操り支配する事に快楽を見出す器のちっちゃい自称天才犯罪者の全面対決を描いた二転三転する逆転劇でついつい読み耽る結果となるのですが……何かもうね、同僚殺した犯罪者にも人権がと法律遵守し雁字搦めで全く融通が効かない主人公"キャサリン・ダンス"の価値観に振り回され好き嫌いがはっきり別れる作品です。 正直言うと他人(男性限定)に厳しくミスを許さない上に安易にモラルを守れと綺麗事しか喚かないシングルマザーな主人公(おばちゃん)……何故男運が無いのかは容易に想像がつきます。 】


☆宮仕えとしては正しいのかも知れませんが私は好感が持てない……つーか戦場のど真ん中で人殺しはいけないと銃を放り出す様な馬鹿を部下や上司に持ちたく無いです。 都合の良い時だけ男頼り女性の権利が~と喚く某バイオリニスト(笑)の名前出しそうになったけどあそこまでは酷く無いか。


★ついでに書いとくとスリーピングドールの出番はほんのちょっとな辺り帯の宣伝文句も含めタイトル詐欺かと(苦笑) 多分別の主人公が活躍する短編の物語を本編主人公の活躍で膨らませた作品だと思います。


原題:THE SLEEPING DOLL

1家惨殺事件の生存者にマスコミが付けた渾名"眠れる人形"

アメリカ ミステリー小説.

ジェフリー・ディーヴァー 著.

2008年文藝春秋社より翻訳出版 値段が(汗)

2011年同社より上下巻の文庫本として出版



 此処数年読んだ事が無い海外有名ミステリー作家さんの作品に手を付けてみようと思い立ち中々手が出なかったジェフリー・ディーヴァーの入門編として読んでみました。 ストーリー自体は中々面白かったんですが550ページ近いボリュームの遠回りな展開に振り回され、上下2段でビッシリ書き込まれた文章に心折られそうになったとだけ書いときます。 主人公(ヒロイン)の融通の効かなさや器のちっちゃさが小学校低学年並み(だから男子は……と愚痴るタイプ(笑)) なのにどう考えても30半ば〜40手前の人権派捜査官に好感抱けるかで好き嫌いがはっきり別れる物語だと思います。 しかも文庫版はともかくハードカバー版の値段が強気にも程がある。 図書館で借りでもしない限り購入には躊躇する価格です 何れ他のシリーズも読んでみる積りだけど他の作品もこんな強気な価格帯なんでしょうか?


物語のノリは最近あっちのドラマに代わってちょくちょくテレビで再放送してる2時間サスペンスドラマを思わせる展開。 しかも今作の犯人は宣伝詐欺と言うか竜頭蛇尾そのもので、思い上がりも甚だしいと言うかどっかの半島には山程居そうな"自尊心を肥大させた我儘なナルシスト"と断言出来る惨めなバケモノ。 せめてハンニバル・レクター博士かあのシリーズに登場する人体損壊に変な拘り持つサイコパスぐらいの要素は欲しいモノですが、この作品は小学生の頃にテレビを見て爆笑した"ストッキングかぶった蟹江敬三(…まあアレはアレで唐草風呂敷の泥棒と同じくらい風情が有った。)"以下の悪党しか出て来ません。 物語が進めば進む程、器のちっちゃさが鼻につく何かもうリアクションに困る展開が待ち受けています。 後エロシーンはね…………まあ書いてるのが色々枯れちゃってるお爺ちゃんだから仕方が無いのかも知れません。 ではあらすじに移ります。正直ヒロインにはまかり間違っても感情移入なんざしようが有りませんので客観的なスタイルとなるのはご容赦下さい。


例によって遊び要素入れた……本編では脇役扱いな実録犯罪専門のフリーライター"妖精オジサン(モートン・ネーブル)(主人公命名)"目線で事件を再構成……独自解釈が入ります。 正式な粗筋はウィキや出版社の公式サイトを検索下さい。 そもそも、逮捕当時にまともな裁判行ってれば後半の二転三転シーンなんて存在しないんだよなぁこの物語。




【 1999年5月7日 カリフォルニア州高級住宅地カーメルで発生したカルト教団"ダニエルファミリー"による1家惨殺事件。 ソフトウェア開発技術者ウィリアム・クロイトンとその妻フレデリカに長女ブレンダ.長男スティーブ.そして仲間割れによりファミリーの男性メンバー=ジェームス・ニューバーグの5人を刃物により殺害した彼等が手に入れたのは僅か1000ドルに満たず。匿名の通報により非常線を張っていた捜査当局に数刻後取り押さえられる。 惨劇の中、子供部屋でぬいぐるみに囲まれて眠っていた次女テレサ(当時9歳)のみが生還。当時報道機関の判断で匿名とされた彼女は発見時の状況から"スリーピングドール"と呼ばれる事になる。 】


★テレサの母親の名前は調べたけど見付からないから仮称です。



 事件は当時 終末思想を振り翳し近隣住民との間で度重なるトラブルを繰り返していたカルト教団の場当たり的な金品目的の犯行として処理される事になる。 かつてハリウッドのビバリーヒルズで陰惨な殺人事件を起こしたマンソン・ファミリーを神聖視する自称教祖"ダニエル・レイモンド・ペル=検事命名マンソンの息子"は当初死刑を求刑されたが、有象無象の人権擁護団体や教祖の支援者達が騒ぎ立てた事で終身刑となり、強盗殺人に加担した"レベッカ・シェフィールド"と"サマンサ・マッコイ"は禁錮3年 教祖に心酔する余り審議を度々妨害した"リンダ・ウェットフィールド"は禁錮4年の実刑判決を受けることになる。強盗に殺人 罪を重ねた彼等が夢見た"世界の終わり(ザ・ワールズエンド)"はとうとう訪れなかった。


裁判員をあからさまに洗脳しようとした被告の行動に激昂した"ジェームス・レイノルズ検事"の煽り発言により審議は紛糾。 原告サイドの証人となりえる"テレサ"自身が当時9歳だった事も有り彼女の出廷は認められず、当時同時多発的に発生していたカルト宗教団体による犯罪行為や集団自殺の社会的影響を心配した検事&裁判官等と法廷弁護士の取引により、ダニエル・ファミリーが犯したと推測される複数の殺人容疑も含め具体的な証拠物件が立証されるまでの間は審議が先送りとされる形となる。 兎にも角にもダニエルの死刑は先延ばしとなった訳だ。 コレはどう考えても職務怠慢としか思えない法廷のツケを支払わされた人々の物語。 結局の所、多くの被害者や犠牲者を出してまでもダニエル・ペルを生かしておく見返りは有ったのか? 犯罪教唆と殺人未遂で遂に捕まった真犯人が何を思いどう動いたのかを法廷で明らかにしない限り結論は出ないのかも知れない。



 私"モートン・ネーブル"がこの事件を本にしようと思い立ったのは13冊目の本を出版に漕ぎつけた数年前の事だ。 巷では既に"マンソンの息子=ダニエル"の異常性を上げつらったエロ本紛いの文献や推測だけを書きまくった犯罪告発サイトが乱立していたが、私が興味を抱いたのは彼等の様なカルト団体により人生を狂わされた人々がアレからどう生きて来たのかという細やかな好奇心からだった。 若い頃はベトナムのジャングルを始め戦場記者として命懸けの取材を潜り抜け、合衆国に戻ってからは大手新聞社の事件記者として陰鬱な犯行現場を渡り歩いてきた私は醜悪な犯罪者の自己主張や哀れな犠牲者の姿を書き留める作業に心底疲れ果てていた。 独立し物語を紡ぐ事で収入を得られる様になり漸く結婚。今では2人の子供にも恵まれた私にとって書くべき題材は生きた人々の声でしか無いと信じている。


数々の公開されている裁判資料や捜査関係者へのインタビューから99年に結審したあの裁判に当時未だ幼かった事から"スリーピングドール=テレサ・クロイトン"に証言の機会が与えられず、報道機関による自主検閲により彼女が意見を述べるチャンスが無い事を残念に思った私は地元カリフォルニア南部で既に第二の人生を送っている筈の彼女に会って話を聞いてみたいと様々な手掛かりを求め動き回る日々を送っていたのだが、本当の所事件の真相なんてどうでも良かったのだ。 だけど見当違いの方向を嗅ぎ回る私の行為に危機感を抱いた真犯人の行動により私のみならず家族の命、果ては殺害事件に関与した担当検事や共犯者まで狙われた挙げ句に多くの被害者や犠牲者を生み出す事になるとは想像だにしなかった。


テレサを保護する叔母に接触し面談の許可を取り付ける為にサリナス郡を訪れていた私を驚愕させたのは裁判結審から8年後、確か5月半ばの月曜日の事だ。 真犯人の工作と密告者の証言により発覚した10年前の農夫ロバート・ヘロン殺害事件の尋問を受ける為、脱出不可能なキャピトラ刑務所から1週間前にサリナス郡裁判留置所へ移送された"ダニエル・ペル"は刑務所での手紙遣り取りにより洗脳に成功した協力者"ジェニー・マーストン"と真犯人の協力により2人の看守を殺害し現場に駆け付けたファミ・ミラー刑事に再起不能の大火傷(後日死去…だが?)を負わせ逃走。 ダニエルとジェニーが警戒厳重な包囲網を如何に潜り抜けたかについては敢えて此処には書かないが……ゴメンネ原作読んで(^_^)……偶々報道を聞き付け刑務所に立ち寄った私は不審者として取り押さえられたことで、尋問官から急遽 逃走犯ダニエルの追跡逮捕を指揮する事になったCBI(カリフォルニア州捜査局)の人間嘘発見器こと"キャサリン・ダンス捜査官"と面識を持つ事になる。



 偶々取材していた題材が"クロイトン事件"だった事、既に刑期を終えアメリカ中に散らばっていた3人の共犯者の内"レベッカ"と"リンダ"にインタビューし面識が有った事実を言葉巧みに情報を絞り取った"キャサリン捜査官"に懇願される形で捜査資料から纏め上げたメモを提供する事になった私は以降自身の取材活動と同時進行で彼女達の捜査に協力する外部協力者として事件の推移を見守る事になった。 行きずりに巻き込んだ人々の心を壊し続けながら逃走を続けるダニエルとジェニーは催事アドバイザーの"スーザン・ペンパートン"を殺害し、彼女の職場から手に入れた資料を元にクロイトン事件の裁判を担当した元検事"ジェームス・レイノルズ"の隠棲する住宅を襲撃。元検事の殺害を狙うがショットガン片手に待ち受けていたレイノルズの反撃と駆け付けた捜査官達に追われ現場から逃走。


家が割合近所だと知り自宅までやって来たキャサリンに私が託した裁判記録と、FBIのMVCC(正式名称が長いので"カルト犯罪捜査班"にしときます。)から派遣された"ウィンストン・ケロッグ連邦捜査官"の尽力により協力者として集められた元共犯者"レベッカ"と"リンダ"後日自ら合流した"サマンサ"の証言から浮かび上がる"ダニエル"の思考をトレースした行動予測により2人は徐々に追い詰められようとしていた。 其れまで正体不明だったジェニーの身元が割れ何故ダニエルが国外への脱出を図らないのかも程無く明らかとなる。 実はダニエルは水恐怖症で高所恐怖症……海路や水路を船で渡れず飛行機にも乗れ無いのだとの"サマンサ"の証言により陸路には包囲網が敷かれモーテルやホテルは次々と厳戒態勢に入る。


そもそも"クロイトン事件とは何だったのか?僅かな金銭目当てに何故一家を皆殺しにしたのか"調査の過程でダニエル・ファミリーの目的に疑問を抱き始めた私が真相を知らされたのはちょっとした手違いから彼女を保護する叔母に勘違いされた挙げ句銃で撃たれ保安官事務所の留置所へ⇒駆け付けたテレサ自身の肩代わりで保釈金を支払い彼女の付き添いとして捜査本部を訪れ独り自宅へ戻った夕方の事だった。 真犯人"レベッカ・シェフィールド"と共に家族を縛り上げ待ち伏せていた"ダニエル"に脅迫される形で"キャサリン捜査官"と"TJスキャンロン捜査官"を誘き寄せる罠に使われた不甲斐ない私を庇いながら彼女(キャサリン)がぶち撒けたのは操り人形の筈のレベッカに言葉巧みに操られ殺戮を行ったダニエルの惨めな正体。 


レベッカは元々多数の女性と浮名を流すウィリアム・クロイトンの愛人の1人で有り、別れ話を拗らせ彼に憎悪を抱いた彼女はダニエルに接近。クロイトン家の襲撃を持ち掛けるついでに事情を知るジェームス・ニューバーグも殺させ敢えて捕まる事で本当の狙いを誤魔化していたのだと言う。 仲間割れした彼等の隙を付き拘束から逃れたスキャンロン捜査官によりレベッカは取り押さえられ尚も銃を向けるダニエルに隠し持っていたハンドガンで反撃するが致命的に射撃が下手な私の攻撃を回避したダニエルはレベッカから聞いた元共犯者達に復讐するため車を奪い独り逃走。 セーフハウスに襲撃を掛けリンダが撃たれたがトドメを刺そうとしたダニエルをぶん殴り彼女を助け出したのは逃げ出した筈のサマンサだった。 其処へ駆け付けたキャサリンをリーダーとする捜査官達に追われ逃げ込んだダニエルは林に突入した"ケロッグ連邦保安官"により射殺。 最後の共犯者ジェニーは砂浜に残された彼女の血塗れのハンドバッグから邪魔になったダニエルに殺され海に捨てられたのだと推測される。



とまあ妖精オジサン視点の物語はこんな感じでオチとなります。 が?



そして解決した筈の事件は再び挙動天地な展開(ふざけんなアホウとなるオチ)を迎える事になりました……まあアレに関してはこの本だけでは終わらない案件だから自粛します(笑) 後日ジェニーは憑き物が落ちたかの様にキャサリン捜査官の前にあっさり現れ自首。 全てを隠蔽しようとするFBIカルト捜査班とCBIの仁義なき全面戦争に……。



物語(シリーズ)はまだ終わらない。





本当は眠ってなどいなかったテレサ・クロイトン(当時9歳)が何を思い果てしない後悔に苛まれながらも(但し其れは彼女の致命的な勘違いだった)どう8年間を生きて来たのかなんてストーリー書いても面白そうだけど本編完全におざなりになる上、二次創作になりそうだから断念致しました。 まあ小説本編では何をどう勘違いしたのかな描写が出てきますのでそちらを楽しんで下さいな。

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