コップランド 97年
2019年12/4〜12/5タブレット端末にて執筆し午後脱稿 12/5夕方18:00投稿
急いで書き上げたから間違い指摘頂ければ訂正致します。
【 ニュージャージー州ギャリソン郡 別名"警官の王国"で負け続けの人生を歩んで来たフレディ・ヘフリン保安官が引退間近の50代半ばに漸く手に入れた物は、1人の男として最後まで誠意を貫き通した誇りだけ…… 結局の所、俺は自分自身を認められる人間に成りたかったんだ。 10年前の私なら巫山戯るな!もっと何か有る筈だ‼と泣き喚くんだろうなと色々考え込ませる物語でした。ついでに書いとくと親子程年齢に差が有るヒロイン(しかも人妻だし子持ちだし……)とそんな関係になれる訳が無いか(苦笑) 】
★どう考えてもスタローンの代表作となる筈の物語が何故埋もれてしまったのか…………同時期に公開されてたのが"タイタニック(しかも1年以上映画館上映独占)"と"フェイス・オフ"だったからだよ(T_T)と反論させて頂きます。 アラフォーかアラフィフ向けのほろ苦いドラマだしね。
原題:COP LAND
警官の王国…ニュージャージー州の水光熱費や消費税は
川向こうとは比べモノにならないくらい安いので…。
アメリカ劇場公開作品.
1998年日本公開.
DVD化は2001年 黎明期のソフトだから値段は
其れなりに高かったそうな…
近所の店で"ナイトホークス"共々激安特価で貸し出してたけど(苦笑)
2019年11月末 久し振りに投稿再開したペイザンヌさんに感想送ったら返信ついでにリクエスト貰いましたので色々書き溜めてる題材有るのだけれど……まあアレは割込み投稿でも良いかな悪趣味過ぎて誰も興味持てないみたいだし……そっちは後日取り上げるとしてかれこれ20年以上前の隠れた名作を紹介させて頂きます 男泣き要素満載な渋い映画でした。もっとも宣伝文句と違いロバート・デ・ニーロとシルベスター・スタローンがガッチリ組んだ共演作という訳ではなくスタローン演じるフレディ保安官の親友で時に対立するも最終的には…なゲイリー・フイッグス刑事を演じたレイ・リオッタ (なお吹き替え版はアニメ版・幼女戦記見てるお客様ならニヤリとするスタローン=ルーデンドルフ司令官=玄田哲章とリオッタ=ゼートゥア参謀=大塚芳忠コンビ 尚デニーロ演じるティルディン監察官は津嘉山正種が吹替えしナレーションも兼任) の漢の友情を描いた物語です。
後年マックイーン風味な名バイブレーヤ=サイモン・ペグが主役でニック・フロストが相棒務めた"HOT FAZZ 俺達スーパーポリスメン! 07年(これ書いてる時点で344話)"の地元コミニュテイが開催するお祭りでの射的シーン&クライマックスの銃撃戦の元ネタはこの作品なのかも知れません……思わず胡散臭い笑顔大爆発させてるティモシー・ダルトン探してしまったじゃないか(笑) あと久し振りにスタローンとデニーロが共演したコメディー作品"リベンジ・マッチ 13年"に組み込まれた小ネタも色々入ってますね。家の中身が一緒でやんの(苦笑)
最初ニューヨーク市警37分署の警察官達が何故川向こうの隣州に住む事に拘ったのかなんて話を書こうと思っていましたが 97年当時の資料色々調べてみると安月給だと嘆き悲しむあっちの平警官の年間給与が日本の其れとは比べ物にならないくらい桁が違うので正直ムカついたから書きません。 2010年時点での最低年収は46,280ドル(NY市警勤務1年目の報酬で毎年増える…日本円換算はご自身でどうぞ(__))で副業も認められてるそうです。
地元保安官の給与は州や自治体毎に全く違うから何とも言えませんがこの物語において主人公の給与はニューヨーク市警の平巡査より遥かに安いみたいです。自前の車も持てず借家住まいの描写が泣けて来ます。 アメリカ建国以来の伝統で本来の意味はお代官様 とは言え合衆国独立=警察官や連邦保安官制度導入により権限はどんどん縮小され市警の補助要員や後方支援任務も兼任する様になりましたから日本では"保安官"と翻訳され定着する事になりました。ではそろそろあらすじに移ります。敢えて独自解釈なのはご勘弁を…ニュージャージー州での衣食住は消費税免除、其れ以外もNYなら約9%だけどジャージーは7%…週末は買い出しに訪れるニューヨーカーが殺到するそうな。
【 火災現場で身を挺して3人の赤ん坊を救出した事で、NY市警37分署の若き英雄という渾名を賜ったマレー・バビッチ巡査が車への当て逃げを引き起こした無頼漢気取りのチンピラ達を射殺したのは不幸な偶然の積み重ねから。 いつもならダッシュボードの奥に仕舞われていた銃が馬鹿な同僚の粗相で助手席に有った事。独身最後の夜を迎える同僚のバチュラーパーティに参加し多少酔っていた事。そして偶々奴等が拳銃の様なモノをマレーに向けた所でタイミング悪く愛車の左前輪がバーストした事 駆け付けた救急隊員と警官達の揉め事の末に彼は橋から飛び降り自殺? 物語はそんな若者とは対照的な冴えない中年男の夜を映し出す。 】
★ネットで反応調べてみると皆さん主人公をヘタレ呼ばわりしてますが撮影当時スタローンは54歳でヒロイン=リズ・ランドーンは37歳。親子程歳が離れてる上に明らかに相手にされてないのに躊躇するのは当たり前だと弁明させて下さいな。
☆ニューヨーク市長とマフィア組織の蜜月関係については史実ですがそれには深い訳が……まあその辺りの事情は実話ベースの"アメリカン・ギャングスター"かJエルロイの小説取り上げる際にでも……腐ってたのは現場と内部調査局なんですけどな。
合衆国市警に所属する警官や刑事達は現役で居る限り決められた管轄区に有る建物以外住む事を許されない。 だがどんな厳格なルールにも抜け穴は有るし要領の良い奴は居るもんだ ジョージワシントン橋へ繋がる高架橋を抜けた川向こうに広がる静かな新興住宅地ニュージャージー州ギャリソン郡。橋を渡れば職場が目の前に有る好条件に目を付けたのは今では街の古株な"レイ・ドンラン警部補" 70年代に隣州保安局の仕事を肩代わりしマフィア組織を味方に付けたドンランは市長と直談判し其処に住む権利を、組織が管理する銀行を通し低金利のローンを組んで自分の家を持つチャンスを手に入れる。警官達が暮らす犯罪者が寄り付かない街"コップランド"を管理する保安官達は、彼等が多少のオイタをやらかす程度なら見逃すのが暗黙のルール。
静かで平和だった街は、マレーが飛び降りた事件を口実に街に内偵目的で通い詰める内務調査局の"モー・ティルディン監察官"とその部下達の登場できな臭い様相を見せ始める。 ティルディン監察官の狙いはマフィアへの利益供与が疑われる現ニューヨーク市長とその協力者に成り果てた元親友"ドンラン警部補"を追い詰め、どいつもこいつも纏めて司法の場へ引き摺り出す事。 マレーは警部補の甥で有りもし同僚達が彼を匿っているのであれば其れが突破口となる筈だった。 現場に駆け付けた救急隊員の証言から容疑者がギャリソン郡の何処かに匿われている事を確信した監察官は、此処の内情を知り尽くすこの物語の主人公"フレディ・ヘフリン保安官"に目を付け協力を要請するのだが街の平穏を守る為に愚鈍で有る事を自らに課す主人公に敢え無く断られる。
元々根無し草だった"ヘフリン保安官"にとってこの街は第2の故郷だった。 住民は全て顔見知りで適度な距離感で付き合って来た連中ばかり、10年前左耳の聴覚を失いながらも深い川底から助け出した女性"リズ"に1目惚れし親子程歳が違う事から身を引きながらも未練を抱く主人公は独身を貫き気が付けば50代半ば 聴覚の問題で警官試験を受けられず横柄な態度が鼻に付くほぼ同い年の"ドンラン警部補"とその取り巻き達で有る"ジャック・ルッカー(髭付きT1000吹替えは石塚運昇)"と"フランツ・ラゴン(白シャツ)" "青シャツ(名前知らん)"は気に入らないが警部補の歳の離れた後妻"ローズ(ちなみにああ見えてヒロインと同い年)"とは友好的な関係で、マレーに至っては子供の頃から顔見知りだった主人公にしてみれば殺されたチンピラなんてどうでも良い些末事でしか無いし警部補達が川底に沈んでいる筈の彼を匿っているのも見ているが其れがどうした……そんな心境でしか無かったのだ。
そもそも保安官の仕事は其れなりに忙しい。 ヒロインの夫で主人公を父親の様に慕う"ジョーイ・ランドン巡査"は警部補の後妻と不倫関係を持ち妻と離婚寸前だし飲み友達の"ゲイリー・フイッグス刑事"は女っ気が皆無で煮え切らない主人公を焚き付けながら、マフィアと対立し留置所で変死した元相棒"Gダニー"の事件に警部補とその取り巻き達が関わっているのではと堕落しきった同僚達に嫌悪感すら抱いており一触即発寸前。 行方不明者の事件を探りに現れる有象無象に対処しながらも漸く警察合同葬儀で一段落ついた直後、事件は急展開を見せ始める。 内務調査局の行動に危機感を抱き市長選挙の行方を心配するマフィアからドジを踏んだマレーを処分する様指示が届いたのだ……街の存続の為に甥を切り捨てる……警部補の苦渋の決断に気付いた後妻のメモにより溺死を免れたマレーは潜伏先から逃走。
ダニーの様にまた仲間を切り捨てるのか?
激昂したフイッグス刑事に最後の一線を越えさせたのは取り巻きの1人が言い放つ彼の愛人=元売春婦で麻薬常用者だった"モニカ・ロペス"を巡る暗い過去。 バーでの殴り合いの末に頭冷やせと署の留置所に放り込まれた友人の留守中、フイッグス家は原因不明の火事が発生し偶々家を訪れていたモニカが犠牲者となってしまう。 証拠は無いが奴等がやったんだ! 警部補達と敵対した事が原因でこの街に住む場所が無い友人は引っ越し先が決まるまで保安官の借家に同居する事になった。 甥を殺す為その行方を追うドンランは自身の妻と不倫関係に有る忌々しい間男=ランドン巡査を脅迫し仲間割れしたフイッグスの代わりにマレーの捜索チームに加わる様脅し付けるがランドンは其れを拒否。その日、凶悪犯罪者の逮捕に駆り出された彼は事故を装いアパートの屋上から地面に叩き付けられ命を落とす。
貴方が私に好意を抱いていた事に気付いてた。 だけど聴覚を失い保安官の仕事で虎口を凌ぎながら独身を貫くその想いを私は利用していたんだ。
葬儀を終えた直後、弔問でランドン家を訪れた主人公を打ちのめしたのはヒロイン=リズの明確な拒絶。 数日後独りランドンを事故死に追い込んだドンラン警部補達を追い詰める為に街を離れ、37分署に事務所を置いている内務調査局を訪れた主人公は市長と警部補の圧力に屈し、掌返して何もかも放り出した馬鹿野郎=ティルディン監察官の態度に激昂。 同じくヘタレた上司の態度に怒りを隠さない調査局のカーソン達が敢えて残していた捜索資料を手に入れる。 資料から浮かび上がるのはこの街に住む特権を維持する為にマフィアと結託し、様々な組織犯罪行為を見て見ぬ振りし時には手助けしてきた市警の正体。 その中には友人フイッグス刑事が関わったと思われる事案も有った。
意気消沈し借家に戻った主人公は友人が置き忘れた荷物と多額の火災保険料の振込書類。昼間署内で見掛けた爆弾処理班の女性"バータ"のあからさまに狼狽えた態度から全てを察し モニカが焼け死んだ火災現場を訪れ、あの火事が友人の自作自演による犯行なんだと理解し何故こんな事をと問い詰めるが、本当は警部補に頼まれマレーが頼るであろう親切な保安官を監視していたんだと激昂し何もかもぶち撒けたフイッグスは刑事を辞め独りこの街を離れるのだと言い放つ。 翌日の昼間、独りドンラン宅を守り続ける後妻に接触し元駅舎の給水塔に匿われていたマレーを深夜保護し保安官事務所に連れ帰った光景を目の当たりにしたシンディ・ベッツ保安官助手は上司見捨てて逃走(苦笑) 家族の安全と正義の遵守に迷い続けるビル・ゲイサー保安官助手を説得し自宅に追い返した主人公は覚悟を決めたマレーと共に37分署・内務調査局に向かうべく外へ…………だが其処に待ち伏せていたジャックに撃たれ証人を奪われ右耳の聴覚を失った主人公は遂にブチ切れた。
街の人々が呆然と見守る中で独り血塗れの姿で片手にショットガン、ホルスターには拳銃を身に着けたヘフリン保安官は壮絶な耳鳴りに苛まれながらも銃を片手に証拠隠滅と国外逃亡の準備を進める警部補の取り巻き達と壮絶な銃撃戦を展開、ジャックとフランツを射殺するも隠れていた"青シャツ"に肩を撃たれ万事休すとなった所を友人を助けに街へと戻ったフイッグスに助けられ、甥を手に掛けようとしたドンラン警部補を射殺。呆然としたり激昂する警官達が見守る中で3人はボロボロの姿で市警察所に押し掛ける。 後日、証人を保護したティルディン監察官率いる内務調査局の活躍により関係者は一斉検挙……市長は辞職に追い込まれ、司法取引を申し出たフイッグス元刑事とマレー元巡査の証言によりマフィア幹部達は司法の場へと引き摺り出された。
3ヶ月後、 懸命な治療により諦めていた右耳の聴覚を取り戻したフレディ・ヘフリンは多くの人々が街を離れたギャリソン郡の保安官として現場復帰。 只1人残ってくれたビル・ゲイサー保安官助手と共に今日も街を守り続ける。
川岸から一望出来るのは子供の頃から憧れていた摩天楼……だが俺が守るべき場所は此処なんだ。 居場所を見付けた男の姿を映し物語は終わる。
ちなみに7枚纏めて1週間レンタルで税込み330円でした。特別サービスだったみたいです。
初めて誤字報告頂きました。感謝です…助手と女性間違えるとは(笑)




