8mm EIGHT MILLIMETER 99年
2019年11/26〜11/29タブレット端末にて執筆し午後脱稿 11/29午後15時投稿
どう纏めるか迷った末にこんな感じになりました。
【 60〜80年代初頭を舞台にするなら名作扱いされたであろう かなり陰鬱なバイオレンス&サスペンス映画なんですがビデオカメラ全盛期の時代にマニアックにも程が有る時代遅れな8mmフィルムに拘ってしまった事と (勿論理由は有るのだけれど説明不足) 中世ヨーロッパのスラムそのまんまな偏見に満ち溢れたポルノ業界の描写でちぐはぐな印象与える問題作なのかも知れません。 自己責任とやらを免罪符に行方不明となった弱者に何処までも無関心な社会環境。 親や親族達を腐らす無力感をメインに描いたら…まあ今更後の祭りだけれどね。 】
★ついでにあの国独特のセレブ御用達の私兵=私立探偵や賞金稼ぎが背負う"守秘義務"を始めとする法律も熟知してないと主人公に批判的になってしまうかも? 家族が狙われる"かも知れないだけ"では忙しい警察は動いてくれないのです……誰かが殺される或いは傷付けられるまではね(-_-) コレは日本でもそうなのよ。とは言え相談受けたりパトロールぐらいはやってくれますがね。
原題:8MM
意味は8mm映像フィルム
撮影当時、唯一"秘密理に所有が可能だった記録媒体"
とは言え1997年に最後のメーカーも製造終了となります。
アメリカ劇場公開作品.
同年日本公開.
DVD化されたのは2004年の事でした.
EIGHT MILLIMETER の追加表記が加わります.
■本来ならR17或いは成人向けなんですが
レーティング改定以前の作品だから……。
前々回書いた"クリムゾンの迷宮"関連で色々調べてる内にスナッフフィルムを扱った物語をあの後味最悪な"セブン"の原作者が脚本書きテレビドラマ"ミレニアム"の映像演出手掛けた方が撮影に参加してる作品が有ると知り悪趣味だとは思いましたが好奇心に負けて借りて見てみた作品です。 とは言え以前ちょっとした好奇心から、80年代後半〜1999年迄のアッチのポルノ業界の歴史を色々調べた立場から突っ込ませて貰うと"嘘ばっか(=_=)"な部分が多々見られる描写だらけ(苦笑) 違法ビデオがどうこう以前に未成年者出演にAIDSにより出演者死亡事例や麻薬問題であの業界は軒並みFBIの監査が入り健全化された上にカナダやメキシコ経由で密入国した半島売春婦が蔓延⇒業界軒並み荒らされ衰退した経緯が有ります。
そもそもビデオカメラの登場⇒小型化で素人が撮影した映像…具体的には"ブレア・ウイッチ・プロジェクト"みたいなフェイクドキュメントが時には世界同時配給のホラー映画となって莫大な利益を生み出す時代にプロのカメラマンとかポルノ業界のディレクターなんてお呼びじゃ無かった訳です。 アメリカではそこそこ売れましたが海外で自主製作されたそれっぽい物語に比べて些かお上品だったのも忘れ去られた理由なんじゃないのかと断言致します。 同じテーマで70年代末期に作られたTVアニメ"ルパン三世Part2"のスナッフムービー撮影チーム描いたみたいに (何話だったか忘れたけど明るい割に結構エグかった) もうちょっと踏み込んだ犯人像作り込めなかったのかとね。
もう一つ追記すると80年代後半〜90年代頃にアメリカでそこそこ売れて日本でも翻訳販売されたスナッフビデオをテーマにしたハードボイルド小説(作者の名前も出版社も覚えてないけど確かCANDYってタイトルだった筈)が有り、映画見ててそっちの物語思い出してしまったから私は少々幻滅してしまったんですよ。 そっちは確かニューヨークのスラム街で食うや食わずのホームレス生活してる万年飲んだくれのモグリの探偵(アメリカでは免許取得必要…無ければ犯罪者扱い。)がスラムの子供達や不法入国者を狙った変態の金持ちと撮影チームを未成年で発達障害(父親にレイプされて壊れた)に悩む非合法売春婦や訳ありの無法者達と共にぶっ殺す物語でしたが、ラストが少々ね(汗) まず映画化もテレビシリーズ化も不可能かな。
当初家の近所〜那覇市内で矢鱈と見掛ける"ニコラス・ファイブ(意外とあの顔 沖縄に多い…その内書きます。)"ネタかライセンス取得するのに最低でも3年間以上は現場捜査実務経験が無いと研修&試験すら受けられない"私立探偵"のネタでも書こうかと思いましたが、前者は悪ふざけ感満載だし後者は書いても大して面白く無いのでさっさと本編入ります。 例によって独自解釈です……この物語監督筆頭にどいつもこいつも本当の事を敢えて話さないのでね。
【 30代半ばでセレブ専門のアービングユナイテッド探偵事務所の所長兼調査員としてアメリカ中を飛び回るトム・ヴェルズは、孤児院育ちながらも優秀な頭脳と奨学金でチャンスを掴み取り大学を卒業。 左団扇な人生も夢じゃないのにその過去が仇となり遠回りした末に幸せな家族を手に入れた経歴の持ち主だった。 負け犬だった刑事時代に彼が身に着けた唯一の悪癖はタバコ……何かを決断する時、ストレスに押し潰されそうになった時に燻らす煙 その瞬間だけは彼の本当の姿 失敗する事に怯え続けた人生が見え隠れする そんな男が巻き込まれたのは底無し沼を思わせる弱者が弱者を踏み躙るそんな事件だった。 】
★本編には組み込めないから此処に書いときますが99年当時、8ミリフィルムの映像はポラロイドカメラの写真同様に裁判の際に厳格な証拠物件となる存在でした。 監視カメラのビデオが証拠案件となったのは21世紀に入ってから、勿論編集されたりした場合は証拠と見なされません。
嘘つきは泥棒の始まりなんて誰かが言ったらしいが、探偵は嘘とハッタリで依頼者の心を救ったりややこしい手間暇を省いて真相に辿り着く商売だ。 本当の所、世渡りが下手で肝心要な時に嘘が付けないこの物語の主人公"トム・ウェルズ"はこの事件で危うく人生をドロップアウト寸前まで追い詰められるがギリギリで踏み止まれたのは愛する妻エイミーと生まれたばかりの娘シンディの存在。 そして捜査の過程で交流を持った被害者の母"ジャーネット・マシューズ"の娘に対する愛情と苦しみ、退廃したあの世界で役者になる夢を捨てられなかった愚か者"マックス・カリフォルニア(勿論偽名)"の存在だったのだろう。
手間暇かかる割に誰も幸せになれない西海岸の街クリーブランドでの浮気調査を終え、数週間振りに東部の自宅へと戻った主人公に掛かって来た電話は可愛げの無い孤児を大学卒業まで返済不要な奨学金で経済支援してくれた恩人で地元の名士=クリスチャン家当主夫人からの調査依頼。
2週間前急逝した夫の金庫に隠されていた1本の8mmフィルムに映され殺害されている娘の安否を確認して欲しい
未成年者が出演したホラー紛いのポルノ作品だと甘く考えていたその映像はあまりにも悪趣味で真に迫り過ぎていた。 フィルムが製造されていた時期から撮影された年度まで絞り込んだ主人公は、映像に残された少女の独特な南部訛りから手掛かりを求めペンシルバニア州のフィラデルフィア警察を訪れ、データ未整理のまま放置された膨大な未成年者行方不明リストから彼女"メアリー⇒メリー・アン・マシューズ"の写真を見つけ出す。 アル中の父親に逆らえない母ジャーネットを屑な父親と別れさせ楽な生活を送らせる為にゴミ溜めみたいな街を離れハリウッドで伸し上がる そんな彼女を追い詰めたのは典型的な転落人生。
彼女を連れ出した口先だけのイケメン彼氏は強盗事件を引き起こし刑務所へ永久就職(ちなみにオレンジのツナギは終身刑か死刑囚のみ着用となります。) コネも技術も無い無い尽くしの"メアリー"が飛び込んだのは非合法な風俗産業。 手掛かりを求め胡散臭いポルノショップに潜り込んだ主人公が出会ったのはポルノ読む振りをしながらイェーツの詩を吟じカポーティの物語にのめり込むちぐはぐな店員"マックス・カリフォルニア" 偶々店内に飾られていたSMプレイ用のマスクに執拗にチェックを続ける映像からカメラマンと出演者以外の関係者を見つけ出した主人公はこの世界の生き字引みたいな若造からその男がポルノ映画のプロモーター"エディ・プール"だと聞き罠を貼る。 巧みなブラフと電話盗聴から映像撮影に関わった監督"ディーノ・ベルベット"がこのフィルムを撮影したのだと知った主人公はガイドとして"マックス"を臨時雇いし一路ロサンゼルスからニューヨークへ……だがそんな2人を監視している存在が居た。
マックスを通し"ディーノ"を罠に追い詰めた筈がブルックリンの廃倉庫街でディーノやプールと共に銃を手に待ち受けていたのはクリスチャン家の専任弁護士"ダニエル・ロングデール" マックスはあのフィルムの出演者"マシーン"を名乗るブタの様な殺人鬼に嬲り殺された。 証拠品となる8mmフィルムを回収し主人公の前でソレを焼き捨てた"ロングデール弁護士"は喜々として真相を語り出す。 少女は本当に殺され埋められていた。 莫大な報酬と引き換えに撮影を依頼したのは亡くなったクリスチャン家当主。 後は真相に辿り着いたお前と家族を殺すだけだよと……だがロングデールが報酬を誤魔化し100万ドルの大半を横取りしていた事実を掴んだ主人公の反撃によりお喋りな弁護士はディーノに殺され瀕死の弁護士はディーノを射殺。 マックスの死体で遊ぶマシーンは主人公のに刺され現場から逃走。
銃を手になおも追い縋るメタボハゲ(プール)を振り切り殺戮の現場を生き延びた主人公はパニック状態のまま妻や娘を保護し安全な場所へ匿うが其処で致命的なミスを犯してしまう。 何も知らないまま主人公の依頼主として亡くなった夫の資金の流れを執事と共に調べていたクリスチャン夫人に感情の赴くままに悍ましい真実を伝えてしまったのだ。 全てを知った夫人は執事へ主人公へと謝礼と犠牲者の母へ渡して欲しいと小切手を託し自ら命を絶った。 警察に知らせたら確かに事態は解決するだろう。だが証拠品は最早この世界の何処にも存在しておらず何よりも依頼主の遺された家族全員のみならず街そのものが晒し物にされる上に実行犯も悍ましい事件に加担したメタボハゲも追い詰めるまで単純に考えても20年以上掛かる。そも奴等はメキシコへ逃げ出しているだろう。
挙げ句の果てに守秘義務を破った主人公は失業し、家族は何十年も命が狙われる恐怖を味わい。喜々として纏わりつくマスゴミや犯罪者の人権護れと騒ぐ正義の市民とやらに人生台無しにされるのだ。 (んな事ねーよと突っ込むお客様に反論させて貰うとコレ書いてる私の人生がそうだったんだよと、反論させて貰います。私も家族も未だ警察の保護下で生活してますのでね。) 家族を自分の人生を守る為に奴等と同じバケモノになるしか道は無い。 証拠品を隠滅して逃げ出す準備を行っていたメタボハゲをハリウッドで捕獲し執拗な拷問により被害者が埋められた場所を見つけ出し犯行現場に拘束したもののアレを殺せるのか俺はと迷える主人公の背中を最後に押したのは、娘を喪った事実を知らされたジャーネットの悲嘆に暮れる叫び声だった。
渾身の力を振り絞りメタボハゲを撲殺した主人公は、僅かな手掛かりを基に"マシーン"の正体⇒自宅近くのスラム街に住んでいた"ジョージ・アンソニー・ヒギンズ"を見付けだす。 無数の墓地に囲まれた小さな家で信心深い老いた母ドリス・アンソニー・ヒギンズを守り暮らすバケモノを追い詰めた主人公は何故自身と同じ境遇の年端も行かない少女を手に掛けたと激昂するのだが、何もかも憎み果てた上に"ただ人を嬲り殺す事に喜びと満足感を感じるだけのバケモノと化したブタ"は雄叫びをあげるだけだった。 降り止まぬ雨の中、墓場での壮絶な殺し合いの末に全身を滅多刺しにされ重症を負った主人公が自力で緊急病棟に辿り着いたのは深夜となってからの事。 頭と心臓を撃ち抜かれ転がるブタを誰が見付けどう処分したかは誰も知らない…………事件は夫人の遺言を守る執事により隠蔽され遺族や雇い主の家族にも知らされる事無く何もかも無かった事に。
その日暮らしの貧民が、得体の知れない犯罪者が永遠に此処から姿を消しても、探す家族や友人が存在しない限り気にする者は誰も居ない。 この国は只でさえも行方不明となる人々が多過ぎるのだ。
辛うじて生き残ったものの、人を殺し眠れない日々を送る主人公が再び立ち上がろうと決意を抱き不安に怯える妻や娘に微笑みを向ける切っ掛けとなったのは被害者メリー・アン・マシューズの遺した手紙を思い出を共有するジャーネットからの手紙だった。
私以外に娘を気に掛けてくれたのは貴方だけでした…………奴等に報いを与えてくれて本当に有り難う。
物語は微笑みを浮かべる主人公の姿を映し静かに幕を閉じる。
追記:モロッコの闇市を彷彿とさせるセットをわざわざ建設し店員役を演じたのはメキシコから時給日本円換算120円でカリフォルニアの農園に出稼ぎ中の皆様と当時特亜女優台頭で絶賛失業中となったポルノ女優さん達。当然ながらリアルに闇市営業してた中国系マフィアや半島系売春婦は出演してません……つーか出演者全員からブーイング喰らったそうです。 ちなみに音楽もそっち系狙ってます(笑)あくまでもフィクションですのでやりたい放題。




