633爆撃隊 64年
2019年9/30〜10/3タブレット端末にて執筆し深夜脱稿 10/3 深夜3時投稿
ガス抜き回その2 これを投稿したらハンニバル第二シーズンを纏めてみようかと思います。にしても爽快感皆無なこの物語 何故に日本ではテーマ曲含めヒットしたんだろう? 個人的にはコレから書き直す予定の"モスキート爆撃隊"の方がストーリーも曲も好みです。
【 今も当時もイギリスが誇る第二次世界大戦の名航空機DH98モスキート戦闘爆撃機を主役に、カラーフィルムによる最後の飛行シーン撮影も兼ねて製作された記念作品。以降、他の大戦機と異なり木材繋げる接着剤の欠陥発覚⇒検査の結果機体腐食による空中分解や墜落の危険性が予想以上に早まった事から現役続行が不可能となりました。 もっとも今から55年前は公開当時の価値観や時流に乗った脚本だけどトゥルーエンドで終わった原作小説を相当改悪してますし今見ても楽しめる永遠の名作なのかと聞かれると…うーんゴミだよ多分(笑)としか答えられない作品です。 】
★牛乳原料にした樹脂系接着剤の耐久性が物凄く短い上に湿気に弱かったからヨーロッパ戦線以外での白アリ被害や接合面剥離による空中分解事故が多発。同じ接着剤使った後継機ホーネット共々早期退役………ところで名軍用機の定義ってなんなんでしょう? 一応英国〜カナダの家具職人総動員して7781機も造ったんだけどね。勿論公開当時は英国面に染まりまくった他の兵器同様に軍事機密だったそうです。
☆ライセンス契約結んだアルゼンチンは1947年から別の接着剤&空冷星型エンジン使ったI.Ae.24カルクィンという名前で生産してますが最高速度は凡庸機以下の440kmしか出なかったと記録が残ってます。それでも木材を使用しレーダーに殆ど映らないのは強みだったそうで101機作られ60年迄使われました。
原題:633SQUADRON
633飛行中隊=裏の意味で"架空飛行中隊"という解釈も有ります。
イギリス/アメリカ合作劇場公開作品.
同年日本公開?
原作:フレデリックEスミス 633SQUADRON.1956年出版
1986年徳間文庫⇒2000年光人社NF文庫
2000年に続編 RHINE MAIDEN=ラインの乙女作戦が
2009年光人社NF文庫で翻訳出版
色々有ってDVD化は2011年⇒普及版は2017年から.
版権問題でビデオ化されたのも99年に入ってから
前代未聞の総力戦となるのはは時間の問題でしか無かった第二次世界大戦前哨戦で中立平和主義を貫こうと自衛武器や戦力を最小限に留めたが為に、イギリス&フランス軍に狙われデンマーク共々ドイツ軍に保護の名目で占領される事になったノルウェー王国。
そもそも海外に輸出する主要産業が当時は海産物と化学肥料しか無かった北欧の小国が1939年〜1945年まで延々と戦火に巻き込まれたのか? 実は航空攻撃が難しく大型艦艇のメンテナンスが可能なフィヨルドと呼ばれる特殊な湾岸地形や莫大な降雪量と氷河=水資源に恵まれたテレマーク地方の工場で製造されていた化学肥料とその様々な副産物、特に"重水"や"ヒドラジン"が連合・枢軸双方から狙われていた事に有ります。しかも隣接するスウェーデンからは戦車や大砲製造に不可欠な良質な鉄鉱石にタングステンが産出するし、合衆国による東欧軍事介入やソビエト連邦を封じ込める絶好の位置に有った事もあり冷戦時代もNATOの重要拠点でも有り続けました。
北極圏の直ぐ近く……守る方も攻撃する方も嫌過ぎる環境で繰り広げられた殺し合い……連合軍による現地協力者使い棄てによる陰惨な謀略戦を描いた殆どの映画はあくまでもイギリス軍視点。迂闊に海に落ちたら凍死必至なクソ寒い僻地に送り込まれたドイツ軍の悲哀や当のノルウェー人視点で描かれた物語や証言記録が殆ど全く存在しないのはどういう訳なんでしょうか(汗) 案外巻き込まれて迷惑だ!どうでも良いからサッサと出てけ占領軍共‼って心境だったのかも知れません。ちなみに現在は海底油田と天然ガスで儲かってます。
正直書くと見る前はかなり期待してたんですよ。没となったフィルムを最利用し5年後に製作された"モスキート爆撃隊"を陳腐なメロドラマと貶し元戦闘機乗りで映画"ワーテルロー"の原作者が書いたリアルな物語を"大脱走"の製作陣が再結集して作り上げた"スターウォーズ"に多大な影響与えたにも関わらずソフト化が成されなかった幻の名作戦争ドラマ…とDVDパッケージやネットで散々宣伝してましたからね。ところが意気揚々と飲み物片手に待ち構えていた私の目の前で繰り広げられたのは……可笑しい(汗) 音楽の使い方はワンパターンだし登場人物の扱いが失笑するくらい雑。 特にノルウェー人レジスタンスのリーダー格で主人公と友人関係になるエリック・バーグマン大尉に至っては"思いっきり場違いなリーゼントがテカテカ輝くチャラいロックスターにしか見えない(笑)"
☆追記:エリック演じた"ジョージ・チャキリス"はウェストサイド物語でヒロインの兄やってたアイツです。本業は歌手でダンサー…どう見てもレジスタンスには見えません……演技が下手という訳では無いんです。鶏かダチョウみたいな髪型とあの貧弱なガタイで山歩きしたら平均30分で遭難しそうなイメージが…。
とまあそんな理由で全く本編ドラマにのめり込めずひたすら…お願いだから早く終わってくれ⇒ええ!まだ続くの⁉って感覚を味わったとだけ書いときます。 畜生、こんなポンコツ映画どう読む人を退屈させない形で纏めるのさ?(涙目)
【 どうせ最後はみんな死ぬ……ならば誰も成し遂げられない達成不可能な任務を遂行し華々しく散って見せよう……そんな自殺志願者か"薩摩の捨てがまり兵士"しか登場しないヤケクソ100%なノリで展開される物語ですので私はどうして受け入れられませんでした。まあ何はともあれ、お笑い要素皆無な上にどう解釈しても面白くしようがない粗筋ですので淡々と進めます。 】
★原作版はアメリカ製のダグラスA20ハボック(ちなみに3人乗り)から⇒最高速度がいきなり200kmUPした国産品のモスキート(2人乗り)に機種変更となりはしゃぎ回る主人公達のやり取りや黒鳥亭での他愛もない馬鹿騒ぎがメインの物語だそうですが……どうしてこうなった?
☆辻褄の合わないストーリー繋げるために独自解釈や原作小説から粗筋の一部転用してますが……どういじっても面白くなりません(笑)本当に困った。
それは1944年の春の出来事、密かに連合軍によるノルマンディーへの大規模反攻上陸作戦の準備が進められていた矢先に起きたとある飛行隊が壊滅に追い込まれた裏話で有る。 ノルウェー南西部の沿岸都市ベルゲンでドイツ軍により実戦配備が進められていた弾道弾兵器によるロンドン攻撃は現実のモノと成りつつある……厳重な防諜体制を掻い潜り多くのレジスタンスを犠牲にして持ち込まれた内部情報により17日後には燃料の生産が終了し発射されるミサイルを阻止する為、白羽の矢が立てられたのは食う為に軍人になったと公言して憚らない元曲芸飛行士の問題児="ロイ・グラント中佐"率いる第633飛行中隊。
退役を勧められながらも義手で操縦管を握り任務を続けるスコット中尉やオーストラリアから志願してやって来たキルブラント中尉 シーク教徒としての戒律に拘り地上ではターバンを愛用し決して髭を剃らないインド北部出身のシン中尉等々、他の部隊で問題行動を繰り返し追い出されたメンバーや外国人ばかりが集められ、別名はぐれ者中隊或いは自殺志願者共と揶揄されるチームは従来のA20ハボック攻撃機から新型機モスキートへの機種変換を済ませて以降、2週間以上も休暇なしでヨーロッパ沿岸域での攻撃任務を続けており機体の不具合や隊員の疲労もピークに達していたのだが作戦投入に反対する部隊長ドン・バレッド中佐や情報将校フランク・アダムス少佐の意見を聞き流し"彼等なら使い潰しても構わないだろう"と判断したディビス空軍少将の独断により僅か1週間程度の低空侵入訓練を経ての作戦投入が決定されてしまう。
攻撃目標はベルゲン北方に有るフィヨルドに囲まれた秘密燃料工場"黒い水"。近隣にはドイツ海軍の戦艦や巡洋艦が停泊し多くの沿岸砲台や戦闘機に爆撃機も配備されている事から艦隊やコマンドチームによる攻撃支援は不可能。レジスタンスの連絡員でノルウェー解放軍"エリック・バーグマン大尉"によると岩をくり抜いて建設された工場の上の岩盤破壊に成功しレジスタンスによる防空砲台殲滅さえ成功しさえすれば航空爆撃による施設破壊は可能だと結論付けられた任務の生還率はもし全てが上手く行ったとしてもほぼ10%以下 僅かでも成功率と生還率を上げるためにスコットランド北部山岳地帯で行われた秘密訓練は過酷を極める。
多くの対空レーダーと対空砲台による懸命な防諜防衛体制が取られている筈のサトンクラドック基地には連日の様にMe109メッサーシュミット戦闘機(大人の都合で本物確保出来なかったからフランス製のMe208=ノール1100ノラルファ代用)によるゲリラ攻撃が有り、多くの整備士やパイロットが地上で戦死。果ては訓練中のエンジン不調でJジョーンズ中尉&Cフランク中尉コンビの搭乗するモスキートが崖に衝突。 連日死者重軽傷者続出にも関わらず夜になれば女性との出逢いや酒を求め黒鳥亭に繰り出し馬鹿騒ぎを続けるバイキングみたいな彼等に異邦人の筈のバーグマン大尉は徐々に絆され始め大尉の妹ヒルデ・バーグマンに至っては主人公と恋仲に……だが祭りの終わりは確実に近付いていた。
燃料施設周辺で度々発信される不可解な暗号通信、ベルゲン近隣で頻繁する駐留軍兵士や将校を狙ったテロリストの妨害工作。スコットランド北部で目撃されたあからさまにも程が有るフィヨルド侵入訓練から大凡の事態を察したドイツ軍上層部の判断により施設防衛の為、対空砲を装備する1個連隊=約5000名が増強されゲシュタポも現地に野犬狩りチームを派遣……反攻作戦に回されたため空挺部隊の増援は間に合わないしそもそもベルゲンには大勢がパラシュート降下出来る場所も装備も無い……高々50名前後の民兵による襲撃ではどうしようも無いと他のチームの増援を呼び掛けるために急遽現地へ舞い戻ったバーグマン大尉は工作員到着を待ち伏せていたゲシュタポの罠にまんまと嵌り捕らえられる。
このままではやがて拷問され (敢えてドイツ軍側の弁護させてもらうと民兵=テロリスト扱いだから処刑や尋問はハーグ条約により合法です。) 作戦内容が明らかになってしまうのは時間の問題。ディビス少将は機密情報を保持するために捕らえられたバーグマン諸共ベルゲンのゲシュタポ本部攻撃を決断。
並の戦闘機なら追尾不可能なモスキートなら其れが出来ると事故を契機に作戦開始まで出撃禁止が命じられた主人公に内密で633飛行隊の中から処刑人を選出しようと企むが見るに見かねたバレッド部隊長から全てを知らされたグラントは親友を自らの手で楽にするため先日メリー・ブレーク軍曹と結婚したばかりのビッセル中尉を臨時の相棒とし単独出撃……新型爆弾クッキー(要塞施設貫通破壊目的の1800kg爆弾…映画のアレは50kgの訓練弾4発にしか見えませんが多分気のせいです(笑))によりゲシュタポ本部はバーグマン諸共木っ端微塵となった。とは言え対空砲火は熾烈を極め乗機は着陸脚が固定出来ず胴体着陸し炎上、負傷し逃げ遅れたビッセル中尉は火傷を負い瀕死の状態となってしまう。
☆夜明け前に帰還しデートをドタキャンされたヒルデに「すまん君のお兄さんを殺してしまった」と云々……戦争だから仕方無いよね♥とやらかす茶番劇は吐き気がするから省略。いきなり夫ビッセルが大火傷で生死の境を彷徨う事態となったメリー・ブレーク軍曹の嘆きは…ねぇ。
秘密を知ったゲシュタポもバーグマンもこの世に居ない…数日後漸く部隊員に公表された攻撃目標。モスキートの航続距離に追従出来る護衛戦闘機はイギリス軍には存在しておらずまた守るドイツ空軍側にしてみてもレーダーに映らず最高速度が650kmを超える戦闘機は持って居ない……だからチャンスは有る筈だと賭けに出たディビス少将の愛国心溢れる演説は空回り、主人公を始め633飛行隊のメンバーは失った仲間に想いをはせながら黙々と出撃準備を始める。相棒ビッセル中尉が戦線離脱したギルブランド中尉機には新人が送り込まれ部下だけを死地に送る訳にはいかないとドン・バレッド中佐も志願兵と共にチームに参加。早朝の奇襲攻撃を実行するために暗闇の中次々離陸するモスキート爆撃機……だが現地ベルゲンでは予想外の事態が起こっていた。
バーグマン大尉の尋問結果を聞くまでも無くいきなり増大した無線通信を傍受し警戒態勢に入っていたドイツ軍&生き残ったゲシュタポチームにより対空砲座を破壊する筈だったレジスタンスは全て捕らえられるか射殺され辛うじて逃げ戻った彼等の無線は作戦失敗を告げる。だが決断を下すべきだったディビス少将は判断を主人公に丸投げしほっかむり…………進むも地獄引けば破滅が待っている。今更あれだけ多くの犠牲を出した作戦を投げ出せる筈が無い……633飛行隊全機は砲撃準備を整えた対空砲火や多数の戦闘機が待ち構える燃料工場の有るフィヨルドへ突入。グラント機(相棒はホッピー・ホプキンソン中尉)とスコット機(相棒:エベンス中尉)は何とか爆弾投下に成功したものの残る10機は無数の対空砲火と戦闘機に殺られ次々と戦死。バレッド中佐が火達磨となりながら落とした10発目の爆弾により岩盤が崩れ工場からは火の手が上がる。
だが追い縋るフォッケウルフ戦闘機の砲火は遂にスコット機を捉え撃墜。グラント機も対空砲火によりノルウェーの大地へ胴体着陸…………僅か12機のモスキートによる命懸けの空襲を目撃し駆け付けた老夫婦とホプキンソン中尉により操縦席から引き摺り出された主人公がその後どうなったかは定かではない。
不時着寸前のグラント機から作戦成功の暗号通信を受けたディビス少将は黙々と上層部へ伝達事項を報告した後、部隊全滅の悲嘆にくれる作戦司令部や基地の整備士達を間抜けな家畜を見る様な態度で無視し飛行場を後にしようと外へ、あまりの人非人振りに激昂した情報将校=フランク・アダムス中佐は"こんな無謀な作戦に何の意味が有るのか?"と問い質すが少将にして見れば命懸けで任務を遂行したたかが1飛行隊の全滅程度は眼中に無い……爆撃隊は死なない……私はこれからも多くの兵士を守る為、生贄を差し出す仕事が待ち構えているのだと切り捨てた。飛行機が戻らない滑走路の脇を通りロンドンへと向かうリムジン…独り取り残された情報将校の後ろ姿と滑走路でグラントの帰還を待ち続けるヒルダの姿を映し出し物語は終焉を迎える。
2019年10/4深夜追記:動画サイトで21世紀に入り手間暇掛けてレストアし再び飛行可能になった機体が登場してますね(汗) すいません昭和の文献参考にしてました。此処で謹んで訂正致します。元:二度と空を飛べない⇒改:現役続行が不可能に…に変更。




