HANNIBAL ハンニバル シーズン1-⑥ 13年
2019年9/23〜9/25タブレット端末にて執筆し夜脱稿 9/26深夜3時投稿
オチの付け方にイマイチ納得行かない
【 高額医療費負担に耐えられず破産⇒自殺の未来が待ち受けるために合衆国では不治の病扱いな"境界線パーソナリティ障害" 殺人鬼で有ると共に医師として患者を救う使命を果たしたいハンニバル・レクター博士はFBI辞めたら破滅必至な主人公をどう治療するのか? 物語は誰も予想だにしない結末を迎えます……とは言え"ショック療法"ってヤラれる方にしてみたらたまったもんじゃ有りません(苦笑) つー訳で3話ぶっ通しで第1シリーズ・ラストまで進めます。 】
☆あの娘を手に掛けて? と激怒するお客様も居ると思いますが実は……。
★台風被害になるんでしょうか?落雷でスマホ&タブレットの充電器がぶっ壊れました。増税前に意味も無く3000円近い臨時出費……色々泣けてきます。
境界線パーソナリティ障害 其れは"ストレスに晒されている限り"確実に病状を悪化させ文字通り自身と他人の区別が付かなくなる進行性の病。 主人公を孤立へと追い詰め、ただでさえもお笑い要素皆無なこのテレビシリーズを陰惨に彩る原因の一つとなっているその病は、舞台が合衆国でなければ…ある程度の時間と症状に苦しむ患者と医師に根気が有りさえすれば100%治る病です。 一応この物語紹介するにあたってネット等で症例や治療方法とか色々調べてみましたが……精神的な病って目に見えないだけに診断や治療が難しい(汗) ドラマにおけるレクター博士のカウンセリングや治療にあたって患者を執拗に追い詰めないスタイルはマニュアルでも推奨されてます。
基本全て自己責任、病は弱者が係るモノと露骨に差別される合衆国では、殆どの患者が平均半年程度で治療断念。以降怪し気な宗教に頼ったり薬物やアルコールに依存した挙げ句に誰かを壊すか自分を壊して人生終了となる訳ですが。"それでは困る、手強い獲物で有り理解者となり得るライバルが自滅するなんて面白く無い"と動き出したレクター博士が行なったショック療法とは何なのか……まあその顛末を一気に進めてみようかなと……所詮フィクションとは言えこんな陰鬱な展開をシリアスに書き綴ってもアレですので些か不真面目なのはご容赦下さいませ。ではラストスパートまでノリと勢いで逝きますか。
第11話:ロティ=グリル 直訳すると調理方法になります。
本来ならPlats=プラとなるとこですが北米&カナダのフレンチレストランは前菜が其れになりますし素材が肉類or魚介類でも調理方法により名称が異なりますので料理名にしか使いません。だとしたらこの物語の立ち位置は? まあ最終回のタイトルもトンチキなんだよなぁ(苦笑)
2014年3月.春は未だ遠い…血塗れの犯行現場や検死解剖の立ち会いで絶え間なく繰り返されるサイコパス達の蛮行を追体験し続ける"ウィル・グレアム"の精神は、完全に破綻をきたしているが…壊れ果てても獲物を追い詰めるその第六感としか説明出来ない才能に対する依存と"切り裂き魔に対する復讐心"から行動科学課"ジャック・クロフォード課長"はグレアム捜査官を捜査現場の最前線から切り離す事が出来ないでいた。 そんな矢先、遂に決定的な破綻が訪れる…切っ掛けとなったのは看護婦を惨殺し精神病棟で厳重隔離されていた筈の自称チェサピークの切り裂き魔(勿論偽物な)"エイブル・ギデオン"の脱走。
ジャックの強権でFBI行動科学課オフィスや隔離病棟への出入り自由の権利を与えられた"フレディ・ラウンズ"との接見や情報提供により洗脳状態から中途半端に解放されたギデオンは精神病棟の責任者=チルトン所長を刑事告訴し、裁判に出廷するためワシントンDCへ移送中に突如別人格に変貌し護送車の警官達を惨殺。殺害現場近くの林に吊り下げたのは動脈ごと綺麗に切り離された三人分の内臓、遺体は何れも脳がミンチにされている。人格が入れ替わり自分が何者なのか分からないギデオンが警官と看護師の服や装備をまるごと手に入れ始めたのは、洗脳に加担し論文を発表した精神科医達への報復殺人だった。
ポール・カラザス医師を失血死に追い込み遺体をコロンビアン・ネクタイ…中南米の麻薬カルテルがおこなう密告者への報復で喉を切り裂き舌をネクタイの様に引っぱり出すエグい飾り付けに仕立て上げたギデオンはジャックの人格に切り替わり言葉巧みに殺害現場へラウンズを呼び出した…彼の目的は切り裂き魔への挑戦。自身の殺人行脚をネット雑誌で生掲載することで真犯人を挑発し表舞台へ引き摺り出す事。グレアム捜査官の意見具申によりギデオンの精神鑑定に関わった医師達の身柄保護に1足遅れ駆け付けたジャック達がノートパソコンに掲載されたセンセーショナルな写真と記事に気付いたのは現場検証の最中、慌てて2人目の精神科医カーンソー・ナーンの診療所へ駆け付けるも既に手遅れ……ところが殺害現場でグレアムは捜査官達が予想だにしていなかった見立てを披露する。
「真相に気付いて殺害現場に先回りしナーン医師の右腕を切断したのは、本物の切り裂き魔だ。プライドを傷付けられた彼は僕達に分かり易いメッセージを残している。」
精神が壊れ40℃の高熱に苦しみながらも"切り裂き魔が捜査関係者の中に居る"とはっきり断言しているのだがほぼキグルイ扱いな主人公の其れに気を留めたのはビヴァリー捜査官だけだった。
切り裂き魔を追い詰め右腕だけが戻って来たFBI研修生は何処で見付かった? 他の医師達よりも先に行方不明となったチルトン所長は其処に監禁されている。彼女の右腕が見付かった街郊外の天文台に警官隊やSWAT部隊を率い突入したジャックが目の当たりにしたのはギデオンに連れ回され記事を生掲載したり遺体損壊を手伝わされていたラウンズと内臓を弄くり回され瀕死の重症を負ったチルトン所長の姿。包囲されたと気付いたギデオンは警官に扮装し既に現場を離れた後だと言う……ところが錯乱状態のグレアムだけはパトカーを盗み出し逃げ出そうとしていたギデオンに気付いていた。
とは言え絶えず幻覚に苦しめられ既に自分が誰なのかすら分からなくなっていたグレアムは一縷の望みを託し拳銃片手にレクター邸へ……なるべく自分の手を汚さず犠牲者の右腕を持ち帰る事で(ついでに食材GET)迷惑な隣人を排除する積りでいたレクター博士は予想外の展開に戸惑いを隠せない……下手に此処でグレアムが処刑ショーを始めたらろくでもない結果が待っている。患者の治療は失敗するし鈍かろうがジャックはFBI捜査官だから程なく"切り裂き魔の手掛かりを手に入れるだろう" ちょっとした問診からギデオンが中途半端に洗脳が溶けた状態で有る事実。グレアムの病状が思った以上に重篤で有ると気付いた彼ははた迷惑なアイデアを思い付いた……ならば全て愚痴を吐きに押し掛けて来る弟子に押し付けてしまおう。
かくして留守中、犬の世話を頼まれグレアム家に捜査官と一緒に泊まり込んでいたアラーナは突如屋外で始まった銃声に肝を冷やす事になった。ギリギリで殺人鬼になる筈だったグレアムは熱により錯乱状態でギデオンを撃ち昏倒……2人揃って救急搬送される事となる。
もし彼を治療したいのなら…壊れるのをただ見ていないといけない。そうしなければいけない時も有る。
娘の社会復帰と盟友の治療…どちらを優先するのか? モーリア医師と話し合い覚悟を決めたレクター博士は何をおこなうのか? 物語は終盤へと突き進む。
☆此処から先、主人公視点で物語を整理すると読後最悪な気分を味わう事になりかねませんので事件の顛末をサラッと流します。とは言え此れは私なりの見立てであり解釈にしかなりません…お客様がどう感じたかは本作を見て判断下さいな。
第12話:ルルヴェ=大皿料理 本来は"持ち上げる"
既に料理用語ですら有りません(-_-)北米&カナダではオードブルを積み上げるのが流行りなのか? 流石にあっちに行ってまでアメリカナイズされたフランス料理を食べたいかと聞かれても……ねぇ(汗) ところでコースメニュー模したのにパンやデセールが存在しないってのは如何なモノか…まあこの辺りの事情は製作サイドに聞いて見ないと分かりません。
高濃度に調整された酸素カプセルの中で起きた火災によりベッドの下の殺人鬼が死亡。 グレアムの見立てにより行なわれた検死解剖の結果、当初衣類の擦れによる静電気が原因とされる医療事故として処理される筈だった彼女の死因は何者かが差し入れたプラスチック製の櫛だと判明したものの母親からも見捨てられた彼女と親しかったのは主人公だけ…レクター博士の言葉巧みな思考誘導と中々真意を明らかにしない博士に不意打ちを掛ける為、接見したモーリア先生の追い討ちによりジャックの疑念…グレアムの病状が悪化しておりミネソタの百舌鳥と同化している可能性に対する懸念は益々深まってゆく。
レクター博士或いはグレアム捜査官立ち会いでインタビューが続けられていたアビゲイルの体験談執筆⇒出版準備を進めていたフレディ・ラウンズは中々本音を引き出せ無い小娘に手を焼いている。元々嘘で身を立てるプロで有る彼女にしてみれば自分に数段劣る嘘付きは弄りがいの有る獲物でしか無い……撒き餌に釣られ精神的にボロボロな娘と壊れる寸前な患者をどう救うのか……レクター博士が選んだのはある種のショック療法。 ギャレット・ホッブズを追い詰めた謎の電話から始まった説明しようが無い不可解な連続殺人は全て同一人物による犯行だ…そう確信しジョージアの弔い合戦に燃える主人公は錯乱状態で病院からアビゲイルを連れ出しミネソタのあの解体小屋へ……だが突然意識を取り戻したグレアムの側にアビゲイルの姿は無かった。父親と同化したグレアムに恐怖感を抱き錯乱した彼を見捨て独りグレアム邸に舞い戻るアビゲイルが頼ったのはレクター博士。
"済まない……もう君を守れないかも知れない"
そう呟き彼女を抱きしめるレクター博士の顔を映し出し物語は最悪の結末へ。
第13話:ザウルー=風味或いは後味
この物語には甘い結末=デザートも食後のワインも有りません。勿論コーヒー紅茶も論外です⇒食ったら出てけという訳ですね(笑)
何時もの如く不快な目覚めを迎えたグレアムの喉に押し込まれていたのは"行方を眩ませた血塗れなアビゲイルの耳" 現場に誰よりも早く駆け付けたレクター博士を通し職場に通報した事で主人公のキャリアは敢え無く終了し、容疑者として拘束されたグレアムに冷たい眼差しを向ける同僚達。
レクター博士に思考誘導されたジャック・クロフォード課長による鶴の一声で捜査の基本…監視カメラのチェックや聞き込み調査等…に立ち返ったFBI行動科学課が主人公の家で見付けたのはキャシー・ボイルやマリッサ・シュアーの毛髪を加工した猟奇的な記念品。 アラーナ・ブルームは嘆き悲しみジャック・クロフォードは無自覚に主人公を追い詰めた自身のパワハラを悔やむ…………とは言え元々不可解な言動を繰り返すグレアムを無実だと信じた者は誰一人居なかった…最初から最後まで彼の味方となってくれたのは面倒を見ていた5匹の愛犬達のみ。そもそも主人公自身も彼等を信用などしていなかったのだからおあいことも言えるだろう。
追い詰められたグレアムは身の潔白を晴らすため留置所から脱走。唯一中立を貫くレクター博士を見届け人にそもそもの惨劇の始まりの場所=ギャレット・ホッブズ邸へ、全てが持ち出された筈のキッチンに残されていたのは飛び散ったアビゲイルのモノと思われる血痕……何故此処が再び犯行現場になったのか? そんな些細な疑問から全てを幻視し漸く自分を陥れたのがハンニバル・レクター博士で有ると確信したグレアムは激昂し銃をレクター博士へと向けたが全ては後の祭り……通報を受け駆け付けたジャックに撃たれ元FBI捜査官ウィル・グレアムは病院へ緊急搬送。MRI検査から重度の神経性脳炎を併発していた事が発覚し精神錯乱も疑われたグレアムは救命処置が終わり次第、犯罪者専門の精神病棟へ緊急収容されるはこびとなる。
"俺は戦場や捜査現場で精神を疲弊させ壊れてゆく人間を大勢見てきた。だがウィル・グレアムの様に壊れた存在は見た事が無い"そう嘆くジャックに"彼は我々の為に自分を犠牲にしたんだ…我々が彼を壊したんだよ"と悲しげに(白々しいけど)呟くレクター博士。物語はかくして理不尽で悪趣味な結末を映し出し終焉を迎える筈だった…だが追い詰められた筈の主人公は不気味に微笑む。皮肉にも自分を見捨てた行動科学課への失望とこの様な状況に陥れたハンニバル・レクター博士への底知れない憎悪が彼を変えた。まるで初めて出会う他人の様に微笑むグレアムはそれまでハンニバルと呼んでいた盟友にこう告げる。
こんにちはレクター博士。




