大いなる勇者 72年
2022年9/22〜9/24深夜 タブレット端末にて執筆し脱稿 新規割り込み投稿
【 毎晩夢を見るんだ……川柳大喜利が滑った夢を(涙) 何処ぞのバラエティ声優じゃ有りませんが 疫病蔓延或いは戦争で心病み 過去の栄光や名前捨てロッキー山脈の奥地で隠遁生活してたらトラブルが向こうからやって来る アメリカならば子供でも知ってる伝説の山男=レバー・イーティング・ジョンソンの半生記を綴る物語 ランボー・シリーズは彼等の人生のリメイクでも有ります 】
★海外セールされた理由は勿論主演がロバート・レッドフォードだったから 冬のロッキー山脈でロケしたら熊の御飯か寒さと地吹雪で死屍累々となるからレッドフォード所有の私有地の山(ユタ州)で大半を撮影
原題:JEREMIAH JOHNSON
ジェレマイア・ジョンソン
アメリカ 劇場公開作品 但しフランスで先行上映
同年 日本 劇場公開
原作:レイモンド・W・ソープ/ロバート・バンカー共著
Crow Killer : The Saga of Liver-Eating Johnson
ヴァーディス・フィッシャー著
Mountain Man : A Novel of Male and Female in the Early American
多分何方も60年代半ば〜後半出版だけどデータ見つからなかった
令和4年9月22日 山男=マウンテンマンとは一体何なんだ? 日本では確かダーク・ダックスの歌で山岳部に所属する趣味人扱いになってますが 元々は漂泊民または山窩と呼ばれる特定のコミュニティに所属せず人里離れた山野で自給自足の生活やってる人達 柳田國男先生は遠野物語にて妖怪扱いしてますが人間です 欧米を始め世界中にも一定数存在し、英語では別名 遊牧民またはジプシーやロマ アラブ辺りだとベドウィン族と呼ばれる事も あまり深く考えても迷路に嵌まり込むだけですので天狗や魔女説はそこら辺に放り投げとくとして 現代のアメリカでは、サバイバリストが其れにあたります
国や行政機関の保護を拒絶し、死ぬも生きるも何もかも自己責任でやってる男女で生活基盤は単独か精々多くても家族単位 割と定期的に僻地に封じ込められてた風土病を開拓民が持ち帰ったり或いは世界中から押し寄せる移民とは名ばかりな棄民 果てはアフリカ大陸から連れて来た黒人奴隷 鉄道会社が中国から連れて来た苦力が持ち込んだ様々な疫病を恐れ 人里離れた山野や荒野に避難するなんて事例も数百年単位で存在しており 本作の主人公ジョン・ガリソン⇒改名しジェレマイア・ジョンソンが山男となる事決めたのは開拓地の村々を滅ぼしてた黄熱病が猛威振るってた頃となります 実は白人開拓民のみならず何度となく巻き添え喰ってたインディアンの各氏族も安全な場所求め逃げ回ったり 疫病持ち込み恐れ縄張りに入り込む余所者排除したり殺してた時代なんだよな此れが
なお、別の動機として考えられるのが メキシコ侵略戦争参加の際受けたPTSDの可能性 山男になる前のジョンソンは軍役付いてまして1846年〜1848年まで続いた米墨戦争に参加 何度も映画化された開拓民皆殺しのアラモ砦のエピソードが有名ですが この戦争が陰惨だったのは侵略非難しメキシコ側に付いたアメリカ人義勇兵や民間人まで容赦無く手に掛けた史実 アパッチ族を始めとして多くの先住民を使った汚れ仕事は無かった事になってるし 異端扱いだったモルモン教徒使った特別軍事作戦(笑)に至っては其れが長い因縁となり不和の種に…………興味有るお客様はNET検索やら図書館を御利用下さいな この戦争でメキシコは国土の1/3失い慢性的な貧困の道へ テキサス/ニューメキシコ/カリフォルニア/コロラド/ネバダ/アリゾナ/ワイオミング/ユタを手に入れたアメリカ合衆国は今度はハワイにフィリピンと日本や中国狙いパワーゲームにのめり込んで行きます
【 遺された文献や捏造混じりな新聞記事によるとレバー・イーティング・ジョンソンことジェレマイア・ジョンソンの山籠り生活はほぼ30年近くになるらしい 流石に娯楽映画でそんな長丁場描いた日には見に来たお客さんが軒並み力尽きるから物語はサラッとダイジェストで 元々別の名前で海軍入隊し米墨戦争の最中、上官命令に反逆し殴打事件起こして不名誉除隊 主人公がロッキー山脈に独り向かった理由は明らかにはされていない 】
★晩年期はモンタナ州クールソンで執行官補佐 次いでレッドロッジで執行官歴任してますので肖像写真残ってますが閲覧は自己責任でどうぞ
子供の頃憧れた冒険小説の様に自分の事を誰も知らない世界で再出発 船乗りから冒険者へと転身図るジェレマイアの旅路とアメリカ合衆国の原風景と言える荒野や荒々しい自然風景 2頭連れていた馬を早くも1頭衰弱死させてしまった未熟者を追い詰める冬山の恐ろしさ 偶然山中で遭遇した白人開拓民に敵対的なクロウ族の戦士赤シャツ グリズリーと戦い辛うじて勝利したものの両足を骨折 衰弱し息絶えた山男の先達ハチェット・ジャックの遺体発見と新型の先込め式ライフルの入手 銃の腕からきしで鹿どころかウサギすら捕まえる事が出来ないジェレマイアの姿見かね声を掛けて来たのは山岳地帯でグリズリーを狩り先住民相手の物々交換で生計立てている訳有りのベア・クロウ
老人に師事し獲物の狩り方や捌き方を教え込まれ最初の冬を生き延びたジェレマイアは今度こそ本物の隠遁者を目指し独り立ち 鹿を仕留め先住民と身振り手振りで物々交換 そんなサバイバル生活に漸く慣れた頃、偶々遭遇したのはブラック・フット族とクロウ族の係争地に入り込み山小屋建ててしまった白人入植者を襲った悲劇 2人の息子を殺され錯乱状態の女から無理矢理押し付けられた失語症になった少年ケイルブ 砂漠地帯で馬奪われ生き埋めにされていた禿頭の変人デル・ギュー助け行き掛かりで入植者殺してたブラック・フット族の戦士との戦闘に巻込まれる 不可抗力で手に入れた数頭の馬と装備をフラット・ベッド族へプレゼントしたら迂闊にも言質取られ 調停者シータングの末娘スワンを嫁として押し付けられる ギリギリまでサバイバル生活続け力尽きたら野垂れ死にも悪くないと思っていたのに世の中は何処まで行ってもままならない
英語は精々単語止まりボディランゲージでコミニケーション取るもどかしい遣り取り だが元々面倒見が良いジェレマイアとケイルブにスワンは共同で旅を続けながらやがて家族の様な情が芽生え始める 川の側の白樺林を開墾し山小屋を建て2丁のライフル使い熟し鹿だけでなく時にはグリズリーやバイソンを仕留めるスローライフ 勿論時折狼の群れに狙われ満身創痍になったり獲物仕留められなかった時はスワンの投石術で雉を仕留め腹を満たす事も コロラドの州境に住み着いたインディアンの嫁持つ変わり者な腕利きの猟師 麓の開拓地でも名前が知られる様になったジェレマイアを訪ねて来たのは遭難した開拓民の群れの救援にやって来た騎兵隊1個小隊 主人公の出自知ってるマルベイ中尉の交渉術に根負けしクロウ族の支配地をなるべく侵さない形で案内する筈だったが 先住民を蛮族呼ばわりする従軍牧師の軽挙妄動抑えられず禁足地とされた墓所を通行した事で監視していたクロウ族の斥候を怒らせた
慌てて騎兵隊と別れ自宅へ急行するが 敵対勢力の手引きしたと勘違いされ妻と息子は殺されている 失意の夜を明かし愛馬に急かさせる形で家族の復讐を誓うジェレマイアは家に火を放ち家族を弔い 騎兵隊と開拓民を襲う準備進めてたクロウ族の戦士9人に襲い掛かり内8人を瞬殺 最早此れまでと死んだ仲間の弔いの歌を口ずさむ最後の1人をどうしても殺せなかったジェレマイアは再び孤独な放浪の旅へ だが仲間を惨殺され復讐の念に燃えるクロウ族の追手は行く先々に現れる 史実ではジェレマイアの復讐行脚と殺し合いは延々25年続き "クロウ族殺し" 或いは仕留めたインディアンの肝臓や脚食べてたなんて捏造大好きな新聞記者に有ることないないこと書かれまくるのだけれど映画はダイジェストで進みます 数十人以上のクロウ族の戦士を只1人で次々と返り討ち 数年後偶々ケイルブ託された開拓小屋を偶々通り掛かったから寄ってみると 見捨てる形になったあの母親は既に他界しており 空き家の筈の山小屋には怯えきった開拓民の家族が暮らしている
初対面の開拓民が何故俺の名を知っている? 山小屋の裏に儲けた母子3人の墓の隣に並んでいるのはバッファローの皮に絵の具や刺繍で記されたクロウ族によるジェレマイアとの戦い綴ったタペストリーと贈り物が添えられた中身の無い主人公名義の記念碑の様なモノが飾られていた 二度と会うことは無いと内心諦めてたデル・ギューとの再会と別れ 再び冬が訪れたロッキー山脈での師匠ベア・クロウとの再会 山小屋と財産を雪崩れで失いまた最初からやり直し ボロボロに老いても狩りを続け山男生活続ける老人は色々ヤサグレたジェレマイアにただ1言問い掛ける
「 お前さんは生き続けた甲斐はあったか? 」
俺は何もかも失った筈なのに何故生き続けようと抗うのか 再び山の中へ独り姿消した師匠と別れ放浪生活 初めての冬山でニアミスしたクロウ族の戦士赤シャツと再びの対峙 だが赤シャツは他のクロウ族の戦士と違いジェレマイアに敵意を見せず敬意を込めた栄誉礼を捧げ 彼等の流儀に従い返礼返す主人公は何時の間にか自身を突き動かしていた復讐の念が消えていることに気付き妙な可笑しみすら感じていた そして物語はエンドロールへ クロウ族との敵対関係を解消し和議を結んだジェレマイアは再び山男として隠遁生活の道へその後彼がどうなったかに付いては敢えて映画では語られない 生も死もただこの台地と世界に委ねる波瀾万丈な人生を送ったジェレマイアが76年の人生を終えたのは1900年を迎えたとある日のこと 多くの西部劇の名だたる悪党や保安官達の墓石と共にモンタナ州に移築された彼の墓は今も多くの観光客が訪れる
本編あらすじに組み込め無かったけど 嫌々押し掛け妻やってたフラット・ヘッド族調停者の末娘スワンが髭そった主人公に思わず見惚れるシーンが個人的にツボ イケメンに弱いのは人種的に関係無いのな 映画見てても何かヒヨコ連想させるあの頭撫でたくなるし




