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レヴェナント:蘇えれし者 15年

2019年タブレット端末にて執筆 8/30〜9/1午後脱稿 9/1 14時投稿

すいません今回は在庫処分と気分転換兼ねてます。

【 当時面白ければOKでデッチ上げや推測で文章並べるのが当たり前だったアメリカのイラスト入り新聞記事で“創られた英雄”となり西部劇の舞台やパルプフィクション(要するにラノベ)……果ては教科書の題材とされ、合衆国だけで言えば50歳以上の世代からならば、みんな知っている冒険譚らしいのですが映画化に辺り更に色々過剰に盛ってますので海外セールや説明に困る作品です。アカデミー主演男優賞他多数を受賞しディカプリオ主演じゃ無けりゃ日本公開にこぎつけられたかどうか? まあ確かにリアルさ目指した演出もしてるんだけどさ…… 】


★敢えて例えるなら“水戸黄門漫遊記”とか“柳生一族の陰謀”レベルで盛ってます。経歴は出鱈目だけど一応実在の人物 ラストの字幕に翻訳入らないのは日本側の配慮 コレがノンフィクション? 巫山戯んな阿呆‼となりますなぁ。


☆属に言うイエロージャーナリズム(或いはマスゴミ) 犠牲になった奴はビリー・ザ・キッドにボニー&クライド以降も数多に存在します。CNNやニューヨーク・タイムズにアルジャジーラみたいな組織で飛ばし記事書く連中は昔から居るし、YouTuberやインスタ蝿みたいな連中は良きにつけ悪しきにつけ滅びないでしょうね……昔は犯罪扱いで発覚したら火炙りや竹鋸引きだったそうだけど(笑)


原題:THE REVENANT

蘇った亡霊=1823年に生還したヒュー・グラスに付いた二つ名.

昭和生まれならラジオで聴いた事有るかも知れませんがアメリカ版“お富さん(春日八郎の1954年ヒット曲 元ネタは江戸時代末期にヒットした実録事件の再現歌舞伎)”みたいな存在。

アメリカ劇場公開作品.但しプレミアム上映.

2016年アメリカ一般公開.同年日本公開.

原作:2002年マイケル・パンク著.THE REVENANT:A NOVEL OF REVENGE

=蘇った亡霊:ある復讐の物語 翻訳販売は未定.



 トマス・ハリスの物語2本連続ネタにしてたらアクセス反応が悲惨な事になり、ドラマ版のグロシーンに耐性付いたどころか精神汚染が進んで死体損壊場面や変態登場シーンで妙な反応が出てくる危険な状態…具体的にはボルチモア(第1シリーズの主な猟奇殺人現場)とか古い天文台(なぜかやたらでてくる)と聞いただけで笑顔がターニャ嬢ちゃんみたいになった(幼女戦記のアレ…)から一旦ガス抜き兼ねてこんな作品を紹介してみようかと思い立ちました。実はかれこれ2年程ハードディスクの肥やしになって…兎にも角にも解説しないと意味不明な困った物語を在庫処分させて下さい(笑) ついでに書いとくとコッチは連日連夜気温33度超え…寒い話でも見ないとやってられません。


アカデミー賞・受賞した名作扱いですが、画面が重厚…と言うか昼間見たら大半の場面がまっ暗闇なのとあの暗黒時代の衣装や生活環境の再現度とレオナルド・ディカプリオが身体張って頑張った…ただそれだけの作品です。アメリカ人しかも其れなりの年齢重ねた爺ちゃん婆ちゃんでも無い限り、或いは熱狂的なディカプリオやトム・ハーディのファンでも無い限り物語自体が寒いだけで無く登場人物ほぼ全員垢まみれで髭に埋もれて声以外の判別つかないドワーフみたいだし幻覚&幻聴シーンや回想描写も多いから"メリケン版八甲田山"かよ(汗)クソ寒い上に胡散臭い物語だなぁとしか感じなかったんじゃ無いかなぁと思います。だから放ったらかしにしてたんだけどな。


物語の主人公“ヒュー・グラス”は全身をズタズタ、半ば喉を食い千切られた状態から生還し、どうせ死ぬから要らないよなぁと銃や刃物を奪われ森で置き去りになったけど320km先(但し諸説有り…当初は100km前後だったらしいのですが…)の避難所=カイオワ砦へ生還⇒現役復帰した人物です。まあ"インディアン絶滅政策の口実"となった案件ですので可能な限りわかり易く説明してみます。雰囲気優先した作品ですから独自解釈した場面含みます。御容赦下さいませ。



【 19世紀初頭 1部地域を除き(日本だけ半世紀ずれた)世界は度重なる天変地異&食糧難を切っ掛けとした混乱期 独立を果たしたばかりの合衆国はフランス革命の内ゲバ⇒ナポレオン戦争から逃げ出した有象無象の人々が殺到するもアメリカ大陸自体も何年も続く天候不順により深刻な小麦不足 先住民同士のみならず移民達の間で始まったのはそれぞれの敵対民族に対する根絶やしを目的とした陰惨な絶滅戦争 その後押しとなったのはフリントロック式のライフルや産業革命により大量生産が可能となった鉄製品と馬の普及 命中率と殺傷力の上がった兵器により多くの人々や動物が無意味に殺された時代です その頃不屈の英雄であり頼りになるガイドとして持て囃されたのがマウンテンマン=直訳すると山男でした これはその中の1人ヒュー・グラスの物語。 】


★映画冒頭のビーバー狩り…元ネタは"アシュレー将軍の100人隊" アリカラ族の縄張りに潜入し海外に高額で売れる商品を横取りする挑発行為の目的は威力偵察&資源調査&余剰人員の廃棄処分。映画では季節や人数変更…アシュレー⇒映画ではアンドリュー…史実ではシルクハット流行で毛皮相場が値崩れし破産。無一文となりアルコール中毒により人生終わりました。



 "ヒュー・グラス"が夢に見るのはあの時の情景…国を捨てた流れ者の自分を受け入れてくれた40人程のポーニー族が暮らす平和な村で過ごした穏やかな日々……村を襲い滅ぼした騎兵隊21名を指揮官含めて皆殺しにし顔を焼かれた幼い息子を抱き締め妻や仲間の居ない世界で生きる決意。だが世界は何時も残酷だ……何もかも失った彼はどう生きるべきなのか……その答えは何処にも存在しない。


1823年秋.半年に渡るビーバー狩りを終えミズーリ川沿いに集まった"アンドリュー・ヘンリー"を隊長とする第2次ミズーリ地域資源調査隊を名乗る45人の食い詰め者達。 彼等が莫大な報酬で受けた仕事は、馬や武器を手に入れ好戦的になったアリカラ族の縄張りに侵入し彼等の外貨獲得の上前を掠め取る(要するにビーバーの毛皮密猟)という危険な火遊び(ギャンブル)だった。侵入&密猟が発覚し報復攻撃或いは賠償請求を受ける前に船で撤退する筈だったが“とある理由で夜明け前に全滅覚悟で襲い掛かったアリカラ族決死隊 (属に言うドックソルジャー…画面見たら分かりますが戦死確実な攻撃を担当する連中だけは白塗りの死化粧してます。) の突撃により”調査隊は壊滅的な被害を受ける。


本来なら交渉の末、毛皮か馬をある程度引き渡せば起こらない筈の殺し合い…それを焚き付けたのは中西部のミシシッピ川流域の毛皮売買利権を失おうとしていたケイジャン或いはアケィディアンと呼ばれるフランス系入植者達。隊が集めたビーバーの毛皮を横取りし、なおかつ聞くに耐えない英語を話す忌々しい彼等(ライミー)をミズーリ全域から追い払う為に彼等が選んだ方法はアメリカ人密猟者に化けアリカラ族の村を次々と襲撃⇒女子供を皆殺しにして復讐に燃える彼等を焚き付けながら馬や武器を売り付け双方を潰し合わせる一石二鳥の計略。  偶々殺さず連れ去った女の中にアリカラ族の中でも名高い調停者の1人娘が居た事から (本来インディアンには酋長なるリーダーは存在しません。集落単位で時に対立し殺し合いに発展する事も多かった彼等の間に入り和平交渉をおこなう長老達=族長と勘違いしただけです。) 事態はより悪化し、激烈極まる追撃が始まる。


生き残る為に大半の獲物(けがわ)を諦める判断を下した"ヘンリー隊長"と駆け付けた"グラス親子"の的確な判断と支援射撃によりかろうじて船に逃げ込めたのは彼等も含め僅か12名……重症を負った1名が息を引き取り11名となった調査隊は、主人公(グラス)の意見具申によりアリカラ族が大挙して待ち伏せしているであろう川を下る脱出路を避け、船を囮に雪山を越え砦を目指すルートを選択するがインディアン=息子ホークを連れ歩く主人公に反発心を抱いたベケットとウィンストンは仲間を見捨て船に残り脱出⇒敢え無く焼き殺される。


身軽になるため毛皮を隠し、山越えの準備を…だが昔スー族に殺されかけ頭の皮を剥がされた過去を持つ"ジョン・フィッツジェラルド(長いので以降フィッツと略します。)"はまごついて逃げ遅れた仲間を見捨て混ぜものな息子を庇う"グラス"に嫌悪感を抱いていた。


儲けを台無しにされ疑心暗鬼となっていた調査隊メンバー あからさまに喧嘩を売り付ける彼等に嫌悪感を抱いた息子の代わりに独り哨戒偵察を引き受けたグラスが灰色熊(グリズリー)に襲われ瀕死の重症を負ったのは不幸な偶然が重なった末の出来事。当初ヘンリー隊長はせめて苦しまない様にと安楽死を提案するが自らの犯した判断ミスを責める息子(ホーク)の懇願により数人が残りグラスが天に召される迄付き添う事になった。主人公が死ぬまで付き添う事になったのは息子のホークに命の恩人を見捨てられないと志願したお人好しの"ジム・ブリッジヤー" 300ドルという破格の報酬に目が眩んだ"フィッツ"の3名。 だが主人公がさっさと死ねば俺達は助かるんだとジムが水を汲みに行った隙にホークを殺したフィッツは追っ手が来たとジムを騙くらかしライフルと刃物を奪い逃走。


半分程生き埋めにされ独り取り残された主人公(グラス)が意識を取り戻したのは数日後の事だった。朦朧とした身動きが取れない状態でフィッツに絞め殺されそうになり止めに入った息子が刺し殺される姿を目の当たりにした彼は生き残り復讐を果たすため文字通り這いずり回りながら銃の火薬を使って開いたままの傷を焼いて塞ぎ、偶々橇ごと置き去りにされた様々な荷物を活用し防寒対策を初めとする衣食住を確保。アリカラ族の追跡部隊から逃れる際に偶然出食わしたポーニー族の生き残り…ちなみに彼の村はケイジャン達に皆殺しにされた…に助け出され共に吹雪の世界でサバイバル……此処等辺りの描写はカイオワ砦を目指し命懸けの山越えをおこなった調査隊の生き残り7名 主人公を見捨てた行為を罵り合いながらもアリカラ族に対する恐怖から二人三脚で生き残りを図るフィッツとジム 誘拐された娘の行方を探し続けるアリカラ族追跡部隊の描写 果ては寒さと飢えで現実と夢の境目を失ったグラスの幻想が繰り広げられるから省略しますね……書いても書いても終わらないのよ。


 吹雪の中で衰弱しきった主人公を必死に作り上げた避難小屋へ隠し、ポーニー族の男が立ち向かったのは村を襲撃したケイジャン達……数日後漸く意思を取り戻した主人公が目の当たりにしたのは壮絶なリンチの末に首を吊るされ[人は皆野蛮なり]と下手くそな英語で書いた時が書き殴られたプレートを付けられた恩人の姿。生き残る事を優先するか恩人に報いるため奴等に1泡吹かせるか……まずは馬を取り返し食糧を奪おうと忍び寄る主人公が目撃したのは誘拐したアリカラ族の女をレイプする醜いカエル食い(フランスじん) 3人を次々と撃ち殺し女を助け出したグラスと銃声を聞き付け駆け付けたアリカラ族の追跡部隊による三つ巴の殺し合い……女を解放するもケイジャンと間違われアリカラ族と殺し合い〜崖から転落し首を折って死んだ馬の腹を裂き潜り込むことで氷点下を下回る冬山の世界を生き残る描写。 嘘と出鱈目で塗り固めたグラスとその息子の末路を証言し金を手に入れたフィッツと脅され騙されたとは言え恩人を見捨てる形となったジムの悲嘆。 新年を迎えるパーティを開催するカイオワ砦の雰囲気と給与支払いで揉めるヘンリーとフィッツの口論場面を挟んで物語は漸く後半戦へ……。


あの時何故調査隊が襲われたのか? グラス親子の最後が本当はどのようなものだったのか隠蔽された事実が次々と明らかになったのはそれから数ヶ月後のこと……娘を取り戻し薄汚い計略の詳細を知ったアリカラ族はケイジャン達を皆殺し かろうじて追撃を免れた唯一の生き残りがカイオワ砦に逃げ込んで来た時持っていた水筒はジムが瀕死の主人公に残した物だと判明する。 ジムとケイジャンに対する厳しい取り調べから判明したのは事件の裏事情と瀕死の重症を負い死んだ筈のヒュー・グラスの生存の可能性。ホーク殺害とグラス生き埋めの事実が発覚したフィッツは砦の給料を保管する金庫から有り金の全てを奪いカイオワ砦を出奔。ヘンリー指揮で始まった山狩りに偶然出食わしたのは艱難辛苦の苦闘を乗り越え満身創痍の状態で現れた主人公。


数日後、歩けるまで回復した主人公と全財産をフィッツに奪われ復讐に燃えるヘンリーの2人は雪山を越えられずもうすぐ訪れる春を待ちながら森の奥に立て籠もっているフィッツを殺すため山へと向かう……が待ち伏せ攻撃によりヘンリーは敢え無く射殺された。グラスは死んだ隊長を案山子にしてフィッツを誘き出しライフルを破壊、片やナイフ片や斧だけで行なわれる壮絶な殺し合いの末に全身を刺され血塗れとなった主人公は遂にフィッツを追い詰めた。殺されかけながらも呪いの言葉を吐き続ける裏切り者にトドメを刺せずにいたグラスの前に現れたのはアリカラ族の追撃部隊。


お前を裁くべきなのは俺じゃない……白人達に散々振り回された彼等だ。


川へと突き落とされ下流で待ち構える調停者と娘の前に引き立てられたフィッツは戦士達の手で容赦無く首を掻っ切られる。瀕死の重症を負い最早歩く事すらままならない……全てを諦め最後の時を待つが娘の証言によりまたしても命を拾う主人公。意識を朦朧とさせる彼が幻視しているのは喪った妻の姿……画面は暗転し呼吸の音をバックに始まるエンドロール。様々な肉体的困難を乗り越え職務に復帰したヒュー・グラスが遂に殺され50年の波乱に満ちた人生を終えたのは先住民達との絶滅戦争が本格化する前の年…1833年の事だった。



追記:先住民強制移住(ジェノサイド)後、半世紀以上の年月が過ぎてミズーリ州で見つかった資源がウラン鉱石。露天掘りされた其れは後年広島や長崎に投下された原爆や冷戦時代の核ミサイルに原子力発電所の燃料。果ては14隻以上創られた原子力空母に使用されアメリカの軍事的優位に貢献しました。 但し当然ながらその報いを受けてます。長年廃棄物を川に捨てたりまるごと住宅地の埋め立てに転用したり廃坑そのまま放置してたから2011年辺りからミズーリ川〜ミシシッピ川全域…果ては首都セントルイスで"原因不明の甲状腺癌による患者や先天性の異常疾患持つ子供"が急増する結果となります。何ヶ所かの住宅地や公園に埋め立て地はガイガーカウンターが振り切れチェルノブイリかスリーマイル島みたいな状態となるため立ち入り禁止となりました。


勿論合衆国政府は健康被害を認めてません。



ちなみにミズーリ州にはマーク・トゥエイン(トムソーヤの冒険とかハックルベリーフィンの冒険の原作者)の生まれ故郷“ハンニバル”と言う町が有ります(笑)


後ヒュー・グラスと同世代のマウンテンマンの英雄がレバーイーティング・ジョンソン…妻子を手に掛けたクロウ族への復讐を兼ね数十人のインディアンの内臓抉って食べてた人物で72年ロバート・レッドフォード主演で"大いなる勇者"のタイトルで映画化 トマス・ハリスのあのキャラのモデルのヒントなったという噂が……まあ真相は不明です。

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