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ハンニバル・ライジング 07年

2019年8/22〜8/26タブレット端末にて執筆し深夜脱稿 深夜3時投稿

例によって急ぎ書き上げましたので誤字脱字については後日手直しします。

この物語と同時進行でハンニバルのテレビシリーズ第1期の5話まで視聴しついでに待ち侘びた幼女戦記劇場版を漸く手に入れた私は寝不足生活突入中です。

【 タイトルからして富士急ハイランドの新型コースターかユニバーサル・スタジオ・ジャパンの夏季或いはハロウィン限定体験アトラクションみたいなタイトルですが90年代(しょうわ)2000年代初頭(へいせいじだいしょとう)架空世界(ホラーぎょうかい)で大暴れした伝説の紳士的な人食い殺人鬼の誕生秘話……但し色々勘違いした日本描写でトホホ感満載。 割と真っ当な理由で殺人行脚やらかす超絶美系でエクボがチャーミングな爽やかイケメン主人公がどう調理しても美味しくなさそうな外見も中身も不細工極まるオッサン共を面白可笑しく屠畜するだけのイロモノ映画ですので好みが別れます。やっぱりレクター博士は安楽椅子探偵にしとくべきかな…普通のダークヒーローになりました。 】


★でもアンソニー・ホプキンスにそんなに思い入れが無いから目茶苦茶楽しめたんですよ(汗) 前々から薄々気付いてたけど私の感性はかなりズレているのかも知れませんね。ついでに書いとくと私は、ハンニバル=特攻野郎Aチームのリーダー ジョン・スミスかアルプス越えのダークヒーロー=ハンニバル・バルカが思い浮かぶ世代で御座います。そもそもレッドドラゴンから入ったから私の中では“レクター博士”なんですよね。


☆ネット検索してテレビシリーズが有った事実をたった今知りました。レンタル店がコレだけ50円サービスやってて思わず借りてしまった(笑) ちょっとだけ見てみます。玄田哲章の声が好きなんですよ。 原作は随分昔に読んだけど映画版は"アレを映像化するのかよ"とドン引きして手がだせなかったのですわ。


原題:HANNIBAL RISING

ハンニバルの成り上がり?

或いは ハンニバルの夜明け

下手に和訳しない方が良いのかな。

アメリカ.イギリス.フランス合作劇場公開作品.

同年日本公開.

原作はウィリアム・トマス・ハリス三世著.

2006年出版.日本では同年新潮社より上下巻で翻訳出版.



 歳を重ねると言う事は自身の価値観や味覚の変化を楽しむことなんだと、昔嵌った松本嵩春(まつもとたかはる)の読み切りコミック (確か2HERTSの原型になった宇宙刑事モノ) に出てたジャン・レノ似のオジサンヒーローがのたまわってましたが、其れなりに歳を経ると昔はテレビで予告編流れただけで怖かった物語を今ならビビらずに見れるかな…………まあ以前“キャリー”や“八つ墓村”でも挑戦したんだからレクター博士のあのシリーズに挑んで見ても良いよね……と言う訳で見事に返り討ちに会いました。 原語字幕版だと泣き叫ぶ犠牲者の悲鳴がちゃんと家畜の断末魔の悲鳴に聞こえるからグロ度が増すのですが……申し訳無いけど奴等の命乞いが人間、しかも声優さんの名演で救いようの無い屑に聞こえる吹替版で楽しませて貰いました。あたしゃ動物の悲鳴は駄目だけど悪党の命乞いは楽しめるみたいです(黒い笑い)


まあフィクションだからと割り切っても良かった訳ですが、復讐を描いた物語ならある程度主人公に感情移入しないと楽しめないしね……にしても特殊効果の刃物の音や肉が千切れ飛ぶ音はやっぱりホラーで御座います。実はDVDのトップメニュー画面の音が一番嫌でした(笑) シリーズの実質的象徴(ダークヒーロー)ハンニバル・レクターが何処で生まれどんなトラウマ体験を重ねた上であんな性格になったのか? 原作者のトマス・ハリスにしてみれば老境の人生を名誉と報酬で実り豊かにしてくれた孝行息子の青春時代を真っ暗闇にする筈は無く、ついでに翻訳版沢山買ってくれた日本の読者に対する感謝の意もこもっていたのかなと……まあお爺ちゃんの勘違い描写については笑って許すべきかと思いますよ。このシリーズ定番のレクター博士が身につけるアレの原型が鎧兜の面頬だったなんて小ネタも新鮮でしたしね。


だいたい日本から海外翻訳出版した歴史小説(もちフィクション)やマンガで広まっちまったのは、信長が義理の弟の頭蓋骨で作った盃で酒飲むエピソードだったり(下戸の筈なのに) 薩摩のひえもんとり(生きてる罪人のレバー取って食う風習)再現マンガとか 武田信玄を筆頭とする戦国武将や仏教寺院の衆道ネタ(まあこっちは事実だけど)江戸時代に階級問わずこっそり広まった春画とか妖怪画文化が紹介されてあらぬ誤解を生んでるだけだと思います。 ネット&翻訳で実際の日本が見えて来た此処十数年以前は香港やマカオは日本の地方都市扱いだったしジャッキー・チェンやブルース・リーに至っては日本人役としてあっちの映画に出演していた史実もあるからねぃ……誤解がとけるのは何時になるやら。 ではあらすじに移りますか、本当はリトアニア.ラトビア.エストニアのナチスドイツ&ソビエト連邦双方がやらかした陰惨な大虐殺 (9条信者(パヨク)にはかなり都合が悪い胸糞展開) を書いてみるつもりでしたが1万字書いても終わらない可能性が有りますので今回は軽く流します。そもそもフィクションだしね…この物語。


追記:レクターの妹ミーシャが好きだった童謡“小人がひとり森の中で”はなぞなぞで有り日本じゃYAMAHA音楽教室のCMで有名になりました。



【 1939年〜1945年までリトアニアは虐殺と餓死の季節を迎えていました。ソビエト併合によるバルト民族浄化〜ナチスドイツ占領によるユダヤ人とロマ(ジプシー)に身障者の財産狙いで行われた組織的大虐殺…果ては独ソ戦で集められた捕虜の大量放置。強制収容所のみならず市街地でも密かに行われた食糧不足を原因とする共食いによりユダヤ系の人々はほぼ95%が皆殺し…その作業に親衛隊を上回る貢献をしたのがバルト民族の義勇軍で有り中には宗派が異なるだけのユダヤ人組織も存在する。ちなみに映画にもなった “杉原千畝の命のビザ” は第二次大戦開戦直後、ポーランドから隣国へ脱出して来たユダヤ人やポーランド人が対象で、元々リトアニア在住のユダヤ人19万人にはソビエト連邦の圧力により手が出せなかった。 】


☆まあこの辺りの時代設定はフィクションでしか無い本編よりもえげつないですが、レクター家が城を追い出され別荘へ追放となったのは杉原千畝が国外退去処分となった数年後の話ですので軽く流します。そんな雰囲気の中で行われた“あの国ではありふれた平凡な事件”なんだと御理解下さいな。


★私のドイツ人に対する視点はかなり歪んでます。有る意味とある半島の人間モドキとおんなじ扱いですので御理解下さい(笑) アレがナチスドイツ台頭まで何をやっていたのか……今じゃ閲覧不可能な証拠写真や書籍山程見て読んでますのでね。



 この世界で生きとし生けるモノはどの様な生物であれ怪物を飼って居る。心という概念を持たない存在、例えば空中に漂うカビやウイルス〜果ては多少進化した昆虫やダニ程度ならば繁殖、ただそれだけの為に容赦無く寄生相手を喰らい尽くし住環境を維持出来ず自壊するまで同じ行為を繰り返すのだろう……まあ中にはまんまソレなレベルに退化した人間も居るのだがそんな奴等が大多数となった国家や文明は嗤えるぐらい呆気なく滅ぶから論外として置こう。進化の末に心を持つに至った生物だけがその行為は正しい事なのかと考え時には躊躇し致命的に道を誤る、或いは "此処では無い何処かへ進化への道を" 見出す様になるのだ。


とまあ大上段に構えた文章になっちまったけどコレはとある殺人鬼=ハンニバル・レクター少年が “自らの中に存在する制御不可能な怪物をあるルールで縛り付ける事に成功してしまった” そのお粗末極まる顛末を描いたそれだけの物語だ。彼が悩み抜いた末に何故ああなったのかなんて大真面目に考えるだけ時間の無駄だと断言しようかな……結局の所、多くの人々はそんなものが自分の中に存在している厳格な事実と向き合う事なくまるで甘やかされたペットの様に人生を終えることになるのだし、ウッカリ"通りもの(それ)"と対峙してしまった者は大抵の場合誰かを殺し或いは傷付ける行為を重ねた末に自壊してゆくのだから…そんな物語はこの世界にごまんと存在する程度のモノでしか無いのだよ。



 物語は1944年、ドイツにより占領されたリトアニアの崩壊から始まる。押し寄せるソビエト軍とドイツ&リトアニア義勇軍との戦闘を避ける為、城を離れ山小屋(ロッジ)に避難したレクター家の人々は偶々水の補給に立ち寄ったT34/85戦車搭乗員とヤケクソ気味に襲いかかって来た急降下爆撃機JU87G大砲鳥(スツーカ)の戦闘に巻き込まれ両親や使用人等全ての大人達を失った。ハンニバルとミーシャの幼い兄妹はたった2人で生活する事になる…やがて冬を迎え保存していた食糧も全て底を尽きかけた彼等を襲い脅し付け居座った元リトアニア義勇軍が何をやらかしたのか…………物語はそれから8年後の1952年、独り生き残り元レクター城を接収して創設されたソビエトの孤児院の描写へと移る。


“ハンニバル・レクター”は1944年の冬…何かを体験し感情を失い失声症となっていた。 大凡の事情を知る孤児院所長はレクターに同情的だったが孤児に共産主義の理想を叩き込むべく送り込まれた教育係には貴族の御曹司だった過去も含めて嫌悪され執拗な嫌がらせを受ける。だが “ヤラれたら必ずやり返す” 狂犬じみたその性格は孤児仲間からも恐れられる様になっていた。毎夜毎晩声にならない悲鳴を上げ錯乱状態となるレクターを持て余した教育係は物置きに急造した反省房へ暴力的に追いやるが孤児院の生活に心底ウンザリしていた彼は城の者だけが知っている抜け穴を使い反省房から脱走。親族の手掛かりを求め所長室となった母の部屋を家探しし、日本人妻と結婚した事が原因で両親と疎遠となった叔父=ロベール・レクターからの手紙と写真を手に入れ、ついでに細やかな仕返しの罠も設置し国境線を命懸けで突破。ありとあらゆる伝手を辿りドイツから遂にフランスへ、叔父夫婦が暮らす小城に辿り着くが叔父(ロベール)は1年前急逝。


レクター家最後の血縁者となったハンニバルの後見人を引き受けたのは血の繋がらない若き叔母(ムラサキ)と城の料理人セルジュを筆頭とする使用人達。日本人の叔母からは武士の心構えと剣術に死生観、セルジュからは料理の知識と仕込みのやり方やマナー、使用人達からは例えば庭の手入れの仕方や音楽にダンスを学び貴族の御曹司としての風格と礼儀作法を身に着けた彼はやがて失声症を克服。少年時代に両親や教育係を狂喜乱舞させた才能を花開かせる……だが同時に徐々に鮮明となる悪夢…自身の目の前で妹の首が斧で切り落とされる忌まわしい記憶に魘され続けていた。(ミーシャ)の仇であるリトアニア義勇兵への復讐の念を募らせたレクターの転機となったのは叔母に肉欲混じりの失礼極まる野卑た態度を示すブタの様な肉屋“ポール・モマン”とのトラブルだった。


☆原作版では二人目の父となった叔父ロベールはフランス到着時生きておりモマンが彼を心臓発作に追い込み急逝させた事でハンニバルが壊れます。映画のアレはなぁ(汗)


近隣住民とも度々トラブルを引き起こすモマン。イタリアで様々な戦争犯罪を引き起こし女子供を手に掛けた過去を持つ怪物…何よりも叔母を性的に侮辱したその態度は万死に値する。日本刀をリュート(原作では琵琶だそうですが…)に仕込み曲を演奏…まんまとおびき寄せられたブタの全身を切り裂き愉快な悲鳴を上げさせた挙げ句、鮮やかに斬首した首と奪ったマスを手に入れ戻ったレクターを司直の追求から庇う為、叔母は偽装工作に勤しむ。潜伏中の戦争犯罪者(モマン)を追ってこの地を訪れハンニバルの尋問を担当する事になった“ポピール警視”とその部下達は直感的に主人公(レクター)が犯人だと気付いたものの彼が殺した相手が相手だけに深く追求する気になれず事件は犯人不明のまま捜査が終了。聖マリー医科大学の奨学生となったレクターと相続税が払えず城を手放した叔母はパリへと生活の拠点を移す。


 医師を目指し昼も夜も勉強を続けるレクターは解剖実習用の遺体管理をまかされる優等生となっていた。偶然遺体引取りの際にポピール警視達と再会、戦争犯罪者に対する薬物を使った拷問を目にした事から薬物や音楽を使った催眠療法を自分にかけ曖昧なあの時の記憶を取り戻そうとする……幼い妹ミーシャは母の蛆塗れの遺体を掘り返して食糧としていた義勇兵達に殺され鍋にされた。ハンニバルもやがて同じく食われる筈だったのだが爆撃機の誤爆により混乱状態となった奴等の追跡を逃れ全身に鎖を巻き付けられた状態で荒野で凍死する寸前、偶々そこを通りかかったソビエト軍の機甲部隊の兵士達に助け出されたのだと……夢の中で明白に思い出した過去のトラウマ…奴等の顔を描き上げ妹の復讐を誓うレクターは夏季休暇を使い妹と奴等の手掛かりを求め今はソビエト連邦領に編入されたリトアニアを訪れる。


奴等の1人=ドートリッヒは入国審査官に出世していた。部下からの報告と写真からレクター=あの時取り逃がした餓鬼(かちく)の成れの果てだと確信したドートリッヒは忌まわしい過去を葬り去る為レクター城で待ち伏せするが、レクターが向かったのは生まれ育った懐かしの我が家ではなく妹や両親に使用人達の終焉の地となったコテージ。今は修理され家畜小屋となった其処で主人公が見付け出したのは、熊の剥製の口の奥に母が隠した全財産と妹が愛用し調理された金属製のバスタブに転がる小さな白骨=ミーシャの成れの果てと彼女が愛用していた宝物達にあの化物達が隠していた個人を特定する認識票の塊。駆け付けたドートリッヒを返り討ちにし、漸く見付け出した妹を両親達が眠る領地の森へ弔ったレクター。


彼等の魂に安らぎあれ……だけど僕はもう神なんか信じない。


妹が大好きだった童謡であり泣き叫ぶ主人公の前で奴等がミーシャを殺す時歌った"小人がひとり森の中で"を口ずさみながら行った拷問により奴等の顔と名前を完全に一致させたレクターは用済みとなったドートリッヒを馬を使い絞め殺し、その頬肉と森で見付けたアミガサタケでバーベキューを楽しみ馬を解放しパリへと戻る。通報により駆け付けた現地警察官や入国審査官達が目の当たりにしたのは頬肉を切り取られ愉快に飾り立てられたドートリッヒの生首とバーベキューの跡だけだった。仇の1人コルナスはグレベールと名前を替えフォーテンブローの1等地でジビエレストランを経営してるらしい……叔母と連れだってレストランを訪れたレクターを激昂させたのは妻や娘と幸せに暮らすコルナスの姿、何よりも娘の手に光るミーシャの腕輪を偶然目の当たりした事だった。



 その頃戦争で奪ったユダヤ人やレクター家の財産を元手に人身売買で成り上がり、名前を変えてポピール警視達の追跡をやり過ごしていた全ての元凶=元リトアニア義勇兵達のリーダーであるグルータスやディータとミルコは奴隷の供給元ドートリッヒが無残な最後を迎えた事実&手を下したのはあの時食べ損ねたハンニバル・レクターで有り奴がコルナスのレストランを訪れた経緯を知ったグルータスはミルコに主人公(レクター)を暗殺する様命令。敢えてコルナスの前に姿を表し挑発に乗った馬鹿を釣り上げる準備を整えていたレクターにより敢え無く筋弛緩剤を打ち込まれたミルコは拷問の末に生きながら大量の死体がピクルスみたいに漬け込まれているホルマリン溶液のプールに沈められた。


リトアニアでの事件を知り、丁度入れ違いに駆け付けたポピール警視に復讐なんて無為な行為を諦めグルータスを頭目とする戦争犯罪者の逮捕に協力する様説得されるが、レクターは過去のトラウマ……妹が目の前で殺され調理された経緯(いきさつ)と奴等が此処で幸せに暮らしているのに証拠が抑えられないから中々逮捕出来ない警察の現状を告発しそれでも俺を止めますかと言い放つ……美しいレクターの叔母に懸想し(レクター)に悲惨な過去を忘れ幸せになって欲しいポピール警視の願いも虚しく事態は最悪の方向に転がり続ける、使用人に見つかり失敗したグルータスの暗殺〜屋敷からの脱出。逆上したグルータスはコルナスやディータを使い美しい甥に惹かれる自分を恐れアパートメントで独り暮らしを続ける叔母ムラサキを誘拐しレクターを脅迫⇒ならばとコルナス=グレベールの家へ忍び込み眠る娘の手に飾られた腕輪を取り返したレクターは巧みな誘導でコルナスに娘が誘拐されたと勘違いさせる事でまんまと叔母が監禁されグルータス等が潜伏するボートハウスの場所を白状させた。


正直言うと叔母が庇い立てしたから貴様なんかどうでも良い…本当の名前と過去を家族に知らせ仲間を裏切らせたからにはもう破滅するだろうしなと(嘲笑)ホルマリン漬け(ミルコ)から手に入れた拳銃をその場に残し背中を向けるレクターに襲い掛かるコルナスを日本刀で仕留めた主人公は奴隷運搬船(ボートハウス)に潜入し仇の1人ディータを仕掛け罠でスクリューに引き込みエンジンを破壊。まずは叔母を助け出し忌まわしい場所から開放しようと手を差し伸べるが待ち伏せしていたグルータスに延髄を撃ち抜かれた。勝利の雄叫びを上げ嘆き悲しむ叔母を嬲り殺そうとするグルータス…だが偶然弾は日本刀に当たり意識を失っていただけのレクターはグルータスに斬りかかった。命乞いをするグルータスの口からあの日記憶の無いまま啜ったスープの材料が妹だったと知らされ完全に壊れたレクターはグルータスを貪り食らう。甥の悲嘆を受け止められず独りボートハウスを降りたムラサキの通報で警官隊を引き連れ駆け付けたポピール警視が目撃したのは爆発し燃え上がる奴隷運搬船の最後の姿……叔母に庇われ彼女に別れを告げた殺人鬼=レクターは独り暗闇へと消えていった。


数ヶ月後独りリトアニアを離れ名前を変えてカナダへと逃げ込んだ人でなしの最後の生き残りグランツの前に現れたのは消えた筈のレクターだった。周囲に誰一人居ない小さな街で復讐を果たした主人公が車を駆り向かうのはアメリカ合衆国。


♫1本脚の小人さん 赤いマントに黒いズボン それは勿論…………♬


遠ざかる車を祝福するかの様に流れる童謡をバックに陰惨な復讐劇は幕を閉じた。




ちなみに童謡"小人が独り森の中で"はオペラ"ヘンゼルとグレーテル"の挿入歌。魔女に食べられそうになった兄を助ける為に妹が選んだ冴えた方法は、自身が怪物となり魔女を殺して調理する事でした……あっちの御伽話大概残酷でしたね。大人になって漸く理解出来る訳ですが…。

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