インポッシブル 12年
2019年8/19〜8/21タブレット端末にて執筆し脱稿 同日14時緊急投稿
操作ミスったのか予約投稿に失敗しました⇒そのまま強行します。
【 2004年12月16日朝に発生したインドネシア・スマトラ島沖大地震と大津波。 当時も今もヨーロッパでは大きなニュースにならず。殆ど見向きもされなかったマグニチュード9.1の地震と最大高さ34mの津波により失われた犠牲者&行方不明者はアジア〜アフリカ13ヶ国で合計22万7898名に達し重軽傷者は13万人以上。津波に押し流されながらも5人家族全員奇跡的な生還を果たしたとあるスペイン人家族…未だ災害に無関心な欧米諸国、特に津波=神罰呼ばわりする英語圏の人々に少しでもあの恐ろしさを理解して貰うため敢えてイギリス人家族に変更…生きて再会する迄の体験談を描いたノンフィクション作品…可能な限り再現してる為に目を背けたくなる場面が有ります。 】
★原作者で有り災害を実体験したペロン家の5人 (マリア.キケロ.ルーカス.トマス.シモン) は当時横浜市在住。あの時何が起きたか知り合いに話せる様になるまで其れなりに年月が掛かったそうです。映画ではベネット家…敢えてイギリス人家族に変更となりました。
☆2012年の地震&津波ではインドネシアの犠牲者はゼロとなりましたがイスラム化が進む政府が災害対策費中抜きして疎かにした結果、2018年はまたしても推定1200人以上もの被害が…戸籍誤魔化して勝手に生えて来た特亜の2ヶ国含め300もの民族が内部で主導権争いやってる地下資源豊富⇒但し採掘精製能力皆無なあの国は露骨な侵略進める中共やウリスト系原理主義に加えてマレーやパキスタンから入り込んだイスラム原理主義の浸透工作も有るから国民のモラルそのものが腐って大変なのです。
原題:Lo Inposible
英題:THE IMPOSSIBLE
インポッシブル=不可能な出来事
この場合は主人公家族全員の生還率
スペイン劇場公開作品.
日本公開は2013年.
まずは残暑御見舞申し上げます。此処沖縄は漸くクマゼミのピークが過ぎて下手な死人すら叩き起こされそうな早朝目覚ましは収まりました……とは言え今度はスコールで引き起こされる蒸し風呂攻撃と相変わらず何もかも焼き尽くし兼ねない勢いの太陽光は健在で御座います。まあ何にせよ部落や親族の法事も一段落付いたから漸く映画やアニメ、小説やコミックを堪能する生活に戻れそうです……見る時間取れなくてハードディスクに溜め込んだ作品も多少は手を付けられるかな? 尤も暑さは相変わらずですのでスロー更新となるのは御容赦を…クーラー導入したけどやっぱり低血圧な躰に合いませんでした。迂闊に付けた日には睡眠時間と電気代がエラい事になりそうだしさ。
今回紹介するこの物語は実際に起きた事件の再現映像となります 舞台となるのは2000人もの死者行方不明者を出したタイ南部のリゾート地カオラック。スマトラ島で発生した津波は2時間後にこの国の海岸線に押し寄せ、高さ10mから12m程のソレは人も建物も何もかも吹き飛ばします。 遺体発見或いは身元が判明した犠牲者は2019年現在でも僅か770名のみ、多くの犠牲者が引き波により海流に攫われ行方不明のまま。 ともあれ地元住民の懸命な努力の結果ビーチは8年後運営再開。 震災以降国全体の治安そのものが悪化し自爆テロに宗教施設や外国人を狙った無差別テロが頻発するインドネシア共和国よりは恵まれているのかなと思わなくも有りません。 てっきりスマトラ島舞台にしてるのかなと色々勘違いしてあっちの治安状況や社会情勢調べててドン引きしたわ(冷汗) こういう物を色々裏取りすると余計な知識は信心を惑わすと1神教が否定する義務教育の重要性や信教や表現の自由がどれ程大事なのか良く分かります……スマトラ島の観光産業なんて最早跡形も残ってないものねぇ。
悲惨な展開を迎えるのが分かっているのに映画を見てて圧倒されるのは、ゴミ1つ見当たらない余りに美しいリゾートビーチの光景と ホテル宿泊客向けのイベントとして開催された……本来は旧暦2月=10月〜11月にかけイーペイの夜に行われる川の恵みに対する感謝祭……コムローイと呼ばれる熱気球の原理で空飛ぶランタンによる送り火。 美しく輝く満月の光に照らされながら海岸線から空へ向かう無数のソレはまるで震災で亡くなった人々の魂を改めて慰めている様な気分が……制作スタッフ&マリアが本当に描き見せたかったのはそんな美しい風景や見ず知らずの人々から受けた細やかな親切や失いかけて初めて気付いた他愛もない家族の繋がりで御座います。 津波のシーンがどうしても駄目ならせめてあの場面だけでも見て欲しい…そんな気分を抱かせる物語でした。
では今回はなるべく前振りは手短にあらすじへと移りたいと思います。最年少のサイモン除き4人の視点で綴られる物語だから本文が間違い無く長くなりそうですので御容赦下さい。取り敢えず感傷と勢いに任せて一気に書いて投稿〜後日時間取れたら内容を整理します。
【 2004年12月25日 忙しない季節を迎えた横浜を離れ年末年始を過ごす為にベネット家の5人が訪れたのは、雪が降り積もる故郷ではなくタイ王国のカオラックリゾート。 コテージの予約で多少手違いは有ったものの窓を開ければ庭越しに見えるのは白い海岸線と涼しさを満喫させるプールサイド。 夫のリストラの可能性とか色々不安な要素は有るものの生涯最良のクリスマス〜年越しイベントを満喫する筈だった家族に襲いかかったのは予測不可能な自然の猛威。 】
★スマトラ島沖大地震が別名“史上最悪の人災”と呼ばれるのは最大被害国で有るインドネシア共和国を含め地震津波警報や緊急時の通報システムが何1つまともに機能しなかった事に有ります。多くの国々は避難警報が届かない状態で突然襲いかかる津波の被害を受ける羽目になりました。
☆オーディオコメンタリーは監督と脚本家 そして事件の当事者だったマリア本人が出演してます。
"津波が押し寄せる音とはどんな物なのか? 想像が付かないのならジェット戦闘機が低空飛行で自分の頭上へ向かって来るイメージを思い浮かべて欲しい 空気や地面を震わせながら徐々に大きく響くソレが津波の音と同じだと気付いたのは故郷に戻った2011年の頃だった。" マリア・ペロン DVDオーディオコメンタリーより。
クリスマス休暇目的の観光客で満員状態だった飛行機の中で印象に残っていたのはもうすぐ入国審査が始まるのに家の戸締まりをキチンとやったか心配している夫“ヘンリー”との他愛もない遣り取りと兄に構ってもらえず拗ねる甘えん坊な次男“トーマス”にマイペースな三男“サイモン”ゲームに夢中でヘッドホンを手放さない長男“ルーカス”とちょっとした口論になった事。 予約していた三階の部屋が手続きのミスで確保出来ず支配人の配慮で充てがわれた部屋が思っていた以上に風光明媚で快適だった記憶 昼間は目の前のビーチで泳いで熱くなったらホテルのプールでドリンクや氷菓のサービスを受けながらパラソルの下で一休み、夜はエキゾチックなレストランでディナーを楽しみ満月と満開の星空に見守られながら数百個ものランタンを空へと解き放つ……クリスマス定番のプレゼント交換を満喫しトーマスと夫の三人で川の字になって眠った翌朝26日の朝……私達は津波に吹き飛ばされた。
突然起きた停電と不意に吹き付けてきた突風……何度も読み返してページが1枚取れてしまったペーパーバックから飛ばされ硝子の仕切り壁に張り付いたソレを取り返そうと近寄った私の耳に鳴り響いたのは今まで聞いた事も無い様な轟音と振動、長男に避難を呼び掛ける切羽詰まった夫の狼狽えた大声 海側へ振り向いた私が目の当たりにしたのは椰子の木やありとあらゆる建物を押し潰すかの如く襲いかかる茶色い水の壁 まるで洗濯機に放り込まれたタオルの様にぶつかり引き摺り回され辛うじて椰子の幹にしがみついた状態で意識を取り戻した私はただひたすら子供の様に泣き叫ぶ……正気に戻ったのは離れた場所を私の名を呼び流されてゆく長男を目撃してからのこと、何かにしがみつこうとしても急流に押し流され瓦礫や木材が身体のアチコチに突き刺さったりぶつかりボロボロになった私達を更に追い込んだのは二度目の大津波。何とか建物跡の柱にしがみつき濁流を受け流した私達を苦しめたのは漸く意識するようになった全身にぎざみこまれた深い傷。
ズタズタになった水着に裸足の状態で死体や残骸が辺りを覆う芦原から高台を目指し歩き回る私達の耳に飛び込んできたのは、泣き叫ぶ幼い男の子の悲鳴。 歩くこともままならない状態で必死に歩み寄り瓦礫の下敷きになっているだけで奇跡的に無傷なその子“ダニエル”を連れ渾身の力を振り絞り木へと攀じ登る。 瓦礫の中からルーカスが見つけ出したホテルのウェルカムドリンク……普段は誕生日以外飲んじゃ駄目と言い聞かせている炭酸飲料缶(恐らくはドクターペッパーかな?)を三人で回し飲みし一息付いた私は軽く意識を失っていたらしい……高台で津波を目撃しホテルに勤務していた娘や息子を探すために勇気を振り絞り駆け付けた地元の老人達に助け出され近所の村人達からボロ切れとなった水着の代わりに有り合わせの服を着せられルーカスと共に軽トラックの荷台に乗せられ病院へ送って貰う。
怪我の応急処置と車の手配……ドタバタした混乱の中でダニエルとは離れ離れとなってしまった。 半ば意識を朦朧とさせた母に付き添い移動するトラックの荷台からルーカスが目撃したのは、助けを求める無数の人々の嘆きや断末魔を迎える家族を抱き締め泣き叫ぶ大人達。 斜め前を走る別のトラックには荷台に載せられた遺体と呻き声を上げる怪我人達。
500人程度が収容可能な病院は押し寄せる5000人以上の怪我人により混乱の極みにあった。 応急処置の末に抗生物質を投与され手術しようにも医師や看護師も何もかも足りないことから取り敢えずベッドに寝かされた私や同じように担ぎ込まれた生存者達を苦しめたのは肺にまで入り込んだ汚れた海水と藻や木切れの逆流……傷付いた内臓から噴き出す血に塗れたゲロを見てしまった長男はあの時もしかしたら私は助からないかも知れないと不安に駆られたらしい、私自身も断末魔を迎える姿を長男に見られたくは無かったことから渾身の力を振り絞り身動きが取れなくなった息子の背中を押す。
「私は此処から動かない、もう大丈夫だから 私達のように家族と離れ離れになった人達や手が足りない医師や看護師たちの手伝って来なさい。」
ルーカスはメモ帳を片手に病院内を歩き回り家族とはぐれた怪我人達に声を掛けられる形で人々の手助けをやり始める。 肺に入り込んだ泥水や雑菌をどうにかするために手術を受けた私は麻酔により意識の無いまま眠り続けていたせいで混乱状態の中 偶々隣りで亡くなった患者とカルテを取り違えられ、腕に見ず知らずの人物の名前を書き込まれて隔離病棟に放り込まれ家族の再会をサポートし駆け戻って来た長男に要らぬ心配をかけることに 消毒や身体を清める水すら事欠く状態で次々と容態を急変させ亡くなってゆく人々の遺体が原因で発生する感染症を防ぐために現場では遺品や身元確認のための証明書の保存と遺体のポラロイド撮影が済み次第、次々と荼毘にふされていた あれだけの犠牲者に対して二次感染が起きなかったのはその判断が正しかったからなのだがこの様なトラブルは被災地全域で頻発していたのだ。
母がいきなり死ぬ筈が無い そんな確信を抱きつつも多忙を極める看護師に急かされ病院外に臨時で設営された震災孤児達の宿泊テントで過ごすことになった長男が漸く医師と面会し患者の取り違えが発覚したのは29日のことだったと言う。 その後価値観が一変した彼はこの映画が撮られた頃に医師を目指すべく大学へと進学〜リハビリを続ける母の後釜を継ぐ事になる。 夫と2人の子供 次男と三男がどう生き残ったのか? 物語は再び津波到達による大災害が発生した26日の夕方へと戻る。
ヘンリーとトーマス&サイモンはプールに深く潜り込んだことで最初に押し寄せた瓦礫に打ちのめされる事無くほぼ無傷で生還 幸運にも津波をやり過ごすことが出来たホテル2階や3階に居た宿泊客や従業員に息子達を託し、瓦礫の中を1日中歩き回ったヘンリーは半ば錯乱状態 現場に駆け付けた警察官とホテル従業員の家族&本人有志により生き残った人々は尚も押し寄せる可能性の有る津波を警戒し高台へ避難してゆくが、貴方の妻と長男はきっと死んだのよと無思慮な失言やらかす宿泊客に懇願しトーマスとサイモンを預けホテルで確保した懐中電灯で暗闇の中2人を探すヘンリー……同じ理由で行方不明となった子供や妻を探す“カール”達と合流しカオラック全域の病院や被災者収容テントを回っていた。
生き残った家族を探す彼等外国人観光客が直面したのは同じ立場で有りながら犠牲者達と向き合わず何処までもエゴに走る外国人達と対照的に言葉は通じなくとも苦しむ人々に無差別に手を差し伸べる現地の人々 もしかしたら一歩間違えれば私自身もあんな屑に成り下がっていたのかも知れないという恐怖と未だ手掛かりすら無い家族に対する罪悪感 この物語で何故当時の観光客が撮影した映像が使われなかったのか 実はそんな理由が有ったのですよ。 よって制作経費は跳ね上がりましたが壊滅したホテルを生き残った従業員に協力して貰い完全に再現 水中シーン除き殆どCGも使っていません。
「僕は必ず母さんとルーカスを見付け出す。だからトーマスはお兄ちゃんとして末っ子の面倒を見てあげて…。」
死んでいる人と生きている人は何がどう違うのか? 星の世界に興味を抱き今暗闇で光り瞬く星々の大半が既に滅んだ存在で有る事実を知っていてもイマイチ現実感が無いトーマスと泣き疲れ眠ったサイモン そこへ歩み寄り死と生の違いを優しく語り出す老女との対話シーンを挟みつつ物語は終章へと動き始めた。 ヘンリーから二人の子供を託された馬鹿女は無責任にも突如現れた怪し気なNGO職員 (正確にはNGOを名乗る韓国の人身売買組織 後日逮捕されましたが行方不明となった子供達の1部は未だに見付かってません。) に子供達を引き渡し知らない振り……未だ行方が分からない妻と長男だけでなく連れ去られた息子達の行方を探し駆け回るヘンリー達 病院では偶然はぐれた筈のダニエルとその父親らしき人物の再会シーンを目撃し勇気を貰ったルーカスが入院患者のために走り回る最中偶然 父親を目撃し、空港へ向かうと言うバスから脱走して小用を済ませるサイモンに付き添っていたトーマスは駆け回るルーカスに再会……家族全員無事だった 後は深手を負った足の応急処置に挑む母の手術成功を祈るのみ。
勇気と希望を貰ったのは妻と子供達の行方を探すカール達だけでなく、気が付いたら病院のベッドの上…家族がどうなったかも分からず何故自分だけが此処に居るのかと絶望に暮れる隣りの同世代とおぼしき女性もマリアへ感謝するシーンも……夢うつつの中でルーカスが見た象徴的な津波の悪夢を挟みつつ……手術から生還しシンガポールの総合病院へ移送される事になったマリアに付き添う形でタイから離れる事になった家族の姿……それと対照的な行方不明者を探し続ける人々の映像や葬られる犠牲者達 様々な理由で被災地に押し寄せる道化の様な人々と空港に近寄る事も不可能な被災者達のスケッチ 漸く親子水入らずの状態となり空から一望出来る余りに無残な光景に静かに涙するマリアの姿 そんな小さな事には興味が無いよと言わんばかりな青く広がる海を映し出し映画は終わりました。
フィクションのデザスター映画に有りがちな無責任なハッピー・エンディングとは無縁な物語ですので途中色々正視出来なかったりと好みの分かれる作品ですが色々語りたくなる映画で御座います。
トーマスとサイモンを攫って空港から連れ出そうとした怪し気なNGO団体の正体は……画面見れば丸わかりですのでオーディオコメンタリーでも説明してません(笑)
人身売買に火事場泥棒 ウリスト教のあの国はスペイン人からも嫌われてます。




