キャリー2 99年
2019年7/18〜7/20タブレット端末にて執筆し脱稿 7/21深夜投稿
シリーズ第1作目は7/25深夜投稿済。何とか書き上げました…この前話に割り込みさせます。
【 シングルマザーへの差別や超能力者への偏見が文字通り時代錯誤となった時代に念動力者の絶望や恐怖を描けるか? あたしゃ絶対無理だと断言致します。と言う訳で76年の第1作とは違いあくまでも腐り果てた街のカリカチュアと化した地方高校の体育会系屑や他人を陥れるのが大好きなクソ女を“周囲の人間巻き添えにして無差別に天誅下す人間爆弾みたいなヒロインが”パーティーアニマル皆殺しにする…そんなポンコツ映画になりました。場面場面はちゃんとホラー作品になってますしラストの大虐殺は痛快だけど無理やり取って付けた感満載 】
★ある意味メリケン版“超少女明日香(和田慎二.著)”とも言えるかも知れませんが…この手の作品はお国柄が出るんだよなぁ…激昂&無差別殺傷の末に救いの無い自滅オチはもう誰も楽しめ無いと思います。クーンツのホラー小説や同じ原作者が描いた“ファイヤー・スターター(炎の少女チャーリー)”も色々被るし。
☆日本公開時にトドメとなったのが宮部みゆき原作の超能力殺人鬼主役に描いた物語“クロスファイア”の劇場版でした。必殺仕事人なヒロインと比べひたすら惨めな無差別殺傷女……そりゃあウィキペディアに日本語版が無い訳です。
原題:THE RAGE : CARRIE 2
怒り:キャリー2
アメリカ劇場公開作品.
2000年日本公開.
つーかパッケージ見たら10人が10人共、こう答えると思います……主演の女の子、明らかにこんな映画のヒロイン役としては人選ミスじゃね(笑) なんか嫌がらせされたら即座に相手が男だろうが女だろうがその場で豪快にグーか隠し持っているブラック・ジャックで殴り倒しそうな目付き鋭い入れ墨姉さんが虐められっ娘……んな奴は居ねぇぞふざけてんのか(-_-;)と突っ込みいれたお客様は間違っていないと思います。案の定アメリカでも日本でも興行的に大失敗した作品となりました。まあ実際本編見てるとパッケージのアレ程凶悪そうな雰囲気はクライマックスシーン除いて微塵も存在しないんだけどね…幼少期の御本人との差があまりにも酷すぎる(申し訳無いけどラストで母親が『お前誰だよ』と怯えるシーンでコーヒー吹いた。確かに何処からどう見ても別人です。) まあ高校生であんな捻くれた性格だったらさぞ生き辛かろうと思います。
そもそも基本設定が時代錯誤。90年代入った辺りから学校内での銃乱射&ナイフによる無差別殺傷事件が頻発してるアメリカで超能力で殺人?銃に勝てるわきゃ無いだろっとそうなってしまったんですよね(ちなみに携帯持てない煙草買えない貧乏な学生でも闇で流通する拳銃なら小遣いで買えるぐらい安いそうな。) 実際この物語のヒロイン“レイチェル”に致命傷与えたのは備え付けの信号弾拳銃だった訳だし。前作みたいに学校そのものを破壊する程の怒りが彼女自身に皆無だったのは納得は出来ても映画として面白いかと聞かれると首を傾げる次第です。いっその事、製作過程そのものをギャグにして“23年前のホラー映画の続編作れ”と無茶振りされた制作陣と出演者達がくりなす虚々実々のドタバタをコメディ形式で描いた方が面白かったかなとそう感じました。
但し断言させて貰うと彼女が全身入れ墨(ちなみにウネウネ動く)のデストロイモードに入ってからは問答無用で痛快なのよ……この場面だけは本編の大半スキップしてでも是非見る事をお勧め致します。まあ前振りとなる屑共の醜さは本当に不愉快だけどな。怖いのは超能力持った超人なんかじゃ無く、いつ何時突然豹変するか分からない無害そうな人物。折しも公開当時の日本じゃ財前直見演じる桐子カオルが鋏クルクルさせながら得体の知れない新興住宅地の誘拐監禁事件を解決する“QUIS”と言うタイトルのサイコパスな物語が持て囃されジェイソンやフレディみたいな存在がバラエティ番組でコメディリリーフされる時代でも有りました。なんかもう状況自体が踏んだり蹴ったりな雰囲気でしたし忘れ去られるのも無理は無いかな…とそう思います。せめて前作が大ヒットした数年後ならチャンスも有ったんだけどね。
【 “レイチェル・ラング”が自らの持つ呪われた能力に目覚めたのは何時頃だったのかはっきりしない 父親は妊娠発覚早々に姿を晦まし、物心付く遥か以前から彼女の異常さに恐れを抱いた母=バーバラ・ラングは宗教や薬物等ありとあらゆる物に手を出した事で生活を破綻させ精神を病んでしまう 10年前、無理心中寸前に警察と地元児童相談所職員に保護され月300ドルの生活支援費目当てで養育を志願した里親=実は無職なボイド夫妻の管理下に置かれた彼女と愛犬バゼットハウンドのウォルターの生活環境は囚人より多少はマシな程度のモノでしか無かった 】
☆ストーリーそのまま綴ると書いてて色々キツいから独自解釈で進めます。本当はどんな物語なのか興味抱いたお客様はNET閲覧かレンタル…英語が読めるならウィキペディアを参照下さいな
★本来であればこの作品でステップアップしテレビドラマシリーズの“キャリー”を任される筈だった監督と脚本家 原作も読んでないし前作も見てない事実判明 勿論2人共解雇され消息不明
金ヅルとしての情しか注がない養父母は全く信頼出来ず、重篤な精神科療養所に送られた実母とは面会すら滅多に許されない主人公“レイチェル”が頼るのは老いた愛犬=ウォルターと小学校時代からの唯一の親友“リサ”だけ。……田舎じゃ売春婦呼ばわりされるシングルマザーの私生児として教師や同級生達から距離を置かれていた彼女の世界には頼れる大人も信用出来る他人も誰一人存在などしていなかった。そもそも自分自身でもコントロールが不可能な念動力がもし他人にバレたら……バケモノとして物理的に排除されるか、閉じ込められ実験動物として扱われる未来しか無い。だから私は壁の花で構わない、髪を黒く染め眉毛を消して凶相に(完璧にヤンキー(汗))友人と愛犬以外は殺されようが気になんかするものか……彼女のその願いは他人のテリトリーに平然と土足で踏み込んで来た悪意と色欲に塗れた豚と、綺麗事ばかり口にし善意を押し売りする恥知らずな役立たず“スーザン・スネル”に押し潰された。これは陰惨な結末を迎えた間抜けで無様なコメディなんだ…そう思わないと遣りきれない事件である。
彼女が生まれ死ぬまで離れる事が出来なかった小さな田舎街メイン州チェンバレン。そこはキリスト教の古い価値観やモラルが平然とまかり通るゴミ溜めの様なコミュニティで有り少数のモラル無き金持ちが貧乏人を食いものにし恥じる事を知らない世界。結局の所20年前の惨劇“キャリエッタ・ホワイト(愛称キャリー)”によるプロム(卒業パーティー)の大虐殺は放火事件として処理され何1つこの街に変化をもたらさなかったと言える。今年に入って頻発していた女生徒の連続自殺についても、元々キリスト教的価値観では自殺は禁忌の振る舞いとして忌避される習わしで有る事と“虐めが犯罪扱いされない合衆国の法律”被害者が生活保護を受けていたり家庭環境に些か問題が有った事実が判明し“真相を追い求めても良い事なんか何1つ無い。何よりも学校には私の息子が居るんだ悪戯に騒いでマスコミを喜ばせたく無い”と市長を始め事件を解決すべき責任者が職務や責任を完全放棄した結果、いたずらに犠牲者ばかり増えていく状況だった。
★虐めや嫌がらせが放置され自殺するぐらいなら気に食わない奴を殺してしまえ、銃なら簡単さとなった挙げ句⇒銃乱射事件の蔓延と成り果てた訳です。胸糞悪い話さね。
☆前作の公開は1976年ですが時代設定は“1979年”原作は事件を再検証した1986年の設定になってます。
事態が急変したのは6人目の自殺者“リサ”が校内で飛び降りたこと。多くの教師や学生がズタズタの肉塊となった彼女を目撃し、彼女の親が街では其れなりに裕福でめぐまれた家で有り警察や校内カウンセラーの“スーザン・スネル教諭(愛称スー)=惨劇のプロムの生存者”が動き出した事に有る。もっとも学校の教師達も多くの生徒達も彼女達が何故自殺したのか全て知っていた……この高校を名門に押し上げた“アメリカン・フットボールチーム=ブルドックス”其処に所属する選手の父兄は全て街の名士で有り、親&チームの地位=自分の地位だと勘違いした人面獣心の4人組“マーク/エリック/ブラッド/チャック”を中心とした自称イケメングループとその取り巻きで有るチアリーダーの“トレイシー”や“モニカ”を中心とする学園のカースト上位によるあからさまな悪ふざけ…新入生や貧乏学生を騙くらかし散々性的に弄んだ後ゴミの様に投げ棄てる行為はあまりにも有名だったのだ。
☆スーは原作ではキャリーの最後を看取り1986年の時点で実録犯罪専門のライターとして生きてます。
今迄なら最悪親に泣き付けば、多少の金と被害者の親を押さえ付ける形で誤魔化せたのだが、このままでは事件は新聞沙汰となり出場禁止⇒最悪大学からのスカウトも無かった事になりかねない。 “リサ”を弄び嬉々として死体と化した彼女を笑い者にしていた“エリック”は主人公やスネル教諭を通して飛び降り自殺が表沙汰となる事を恐れ、女遊び仲間のリーダーで有るマーク等と共に証拠隠滅&主人公の口を脅迫や買収により防ごうと暗躍を始めるが不可解なトラブルが頻発し中々思う様に行かなかった。そんな最中彼等の醜聞&被害者の自殺は知っていても“引っかかる女が悪いんだと”傍観していたチームのクォーターバック“ジェシー”は“トレイシー”とヤル事やった夜、マーク達の嫌がらせにより偶々車に轢かれたウォルターを抱き締め呆然としている主人公に物理的に止められた挙げ句、動物病院に付き添った経験から徐々に媚びない主人公に惹かれ始め事実上ヤリ逃げされたトレイシーとイケメンの彼を狙う“モニカ”達勝ち組の要らぬ恨みを買う事になる。
なんかもう此処等辺りがポンコツ映画ならではの展開を見せるのですが、まずは主人公…犬の事も死んだ親友リサの復讐の事も後回しでジェシーとの恋愛に夢中になり、 スネル教諭に至っては我が身可愛さから連続自殺事件の犯人追求を放り出しカウンセリング(但し本職の人が見たら激怒必至なお粗末さ)の最中に精神的に追い込まれたレイチェルがやらかしたテレキネス現象から彼女はもしかしたら“キャリー・ホワイトの血縁者”かも知れないと恐怖心を抱き精神病院の隔離病棟に閉じ込められている彼女の母親に接見し半ば脅迫する形で“主人公の正体=キャリーの母親違いの妹”という事実に行き当たり惨劇の現場へ連れて行き意味不明な口上に呆れる彼女へ研究施設へ行きなさいと説得するのですが勿論逆効果(笑)ならば直接母親連れて来て説得する迄と病院からバーバラを強奪し主人公と合わせる為に暴れまくる彼女は完璧にキグルッてました。
ブルドックスの選手は悪人ばかりじゃ無いよとジェシーに取りなされマーク達と休戦し彼氏のスカウトがかかる試合を応援するその影で、裁判官や地方検事の父親に泣き付いてリサの親を半ば脅し付ける形で事件の隠蔽に成功した屑達は主人公から彼氏を奪いパーティー会場で地獄の底に叩き落とす為の計略に勤しみます。マークの父親所有の別荘で行われる優勝祝賀会パーティー……そこで主人公が薬盛られて身動き取れなくなり読まされ見せられたのはこのチームの選手達…勿論ジェシーも少なからず関与した胸糞悪い女遊びの記録と隠し撮りされたSEXシーンの上映会。何もかも騙されてたんだ……ブチキレた主人公は容赦無くパーティー参加者を皆殺し。
まずは頭を抑えていたチャックは破れたガラスにより首を落とされ、殺される仲間を盾に逃げ出そうとしたブラッドは偶々駆け付けたスネル教諭諸共火かき棒で脳天串刺し(笑)モブの皆さんも誰1人逃げ出せず破れたガラスが全身に突き刺さり血をビュービューさせたり撒き散らされた酒で引火し人間松明に……辛うじてVIPルームに逃げ込んだ元凶=マークとエリックにモニカは水中銃や信号弾拳銃持出し主人公を殺しにかかりますが眼鏡を粉砕され両目を潰されたモニカの水中銃から発射されたモリは隣りで猟銃向けるエリックの股間を撃ち抜き共倒れ…そこへ駆け付けた母親に気を取られた主人公を狙いマークは照明弾を彼女に命中させますがプールに突き落とされトドメに蓋かぶせられて溺死。元々錯乱していた母親は死にかけの主人公見捨てて逃走。そこへ炎が燃え盛り死体が転がるパーティー会場へノコノコ現れたジェシーと寝盗り寝盗られ女⇒勿論トレイシーは即座に瞬殺(笑)ところが追い詰められたジェシーはいきなり主人公に愛していると告白(オイ(汗))情に絆された主人公はジェシーを安全なプールに投げ飛ばし独り炎の中に消えるのでした。
☆ちなみにこの映画、全編通して脚本のみならず音楽も最低で御座います。
物語はその1年後死んだ主人公に未練たらたらなジェシーの妄想とそれをベットの上から眺める元主人公の愛犬が見てるシーンで終わりますが…あまりに酷い主題歌&エンドロールは色々駄目だわ。
追記①:実は映画公開後2002年にテレビ放映された1作目のリメイク版(日本未公開)の前宣伝用として作られたらしいのですが完成したテレビ版はラストでスーに助け出されたキャリーが名前も姿も変え人生やり直す…というハッピーエンド版に変更したから色々辻褄が合わなくなったそうです。
追記②:見終えた後気が付いたのですがこの映画…有色人種の生徒が何処にも出てきません。だからこそ黒髪に染めたレイチェルの異様さが目立つ演出になってます。アメフトのプロ白人選手はこの時点でほぼ絶滅してました…今やバスケット同様アフリカ系や中南米の選手が大半となってます。実はメイン州…貧乏で産業が殆ど無いだけでなくアルコールを禁止してたり宗教的な制約や慣わしが多いため人口のじつに94%が白人。そもそも有色人種って先住民の生き残りぐらいしか居ないのね。
追記③:本編ではキャリーの犠牲者73名(多分映画版に合わせた可能性も有り)となってますが原作は死者409人で実行犯のキャリエッタ・ホワイトも含め行方不明者は49人……彼女が何処に埋葬されたかは誰も知らない事になってます。真相知るのはスーザン・スネルだけです。
素直に1作目見なかったのは例の京都アニメへのテロで落ち込んでたからでも有ります。あんな屑のせいで36人もの人々が焼き殺され多くの社員が重軽傷を負ったたかと思うと正気では居られませんでした。




